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演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

京都芸術センターにて、「ダンスを語る」を聴く

2012-07-22 | Weblog
京都芸術センターは、阪急烏丸駅から歩いて5分。廃校になった古い小学校を改修して作られたアートスペースだ。
美術や演劇の発表の場でもあり、さまざまな制作や稽古などにも利用されている。
こういう古い建物を利用したアートスペースでは設備などが老朽化したままだったりするのだけど、ここはとても清潔できれい。
アーチ型の窓、タイル張りの水飲み場、木製の階段、廊下、窓枠、扉。
どれもが古き時代の良いところをそのままに残し、かつ洗練されている。

土曜日、その京都芸術センターで、「ダンスを語る」という講座があったので、聴きに行ってきた。講師は上念省三先生だ。

早めに行って、カフェでランチを食べて図書室の本もみたいと思っていたのに、案の定、出掛けにモタモタして、到着したのは始まる直前。
それでも上念先生のお話は楽しかった。
ダンスの始まり~モダンダンス~ポストモダン~コンテンポラリーに移行していく時代背景や世界の主要ダンサーのことなど、DVDなどを交えてわかりやすく説明してくださる。

コンテンポラリーダンスの日本における変遷や、劇団態変や土方巽の言葉に触れながらの不自由であることのゆたかさについてや、モモクロのライブ映像を観ながらの必死さがもたらす感動についてなど、どれも興味深く聴かせてもらう。
モダンが全盛になるとそれから逸脱しようとする力としてポストモダンが現れ、またそれが主流になってくるとそれへの反発からコンテンポラリーが生まれという、亜流が正統になりそれがまた変化して枝分かれし多様化していく構図は、他の文化や芸術にも当てはまることなのだなと思ったり。

講座が始まる前、上念先生とばったり廊下で出会いご挨拶する。
ヤザキさんを通して私のことを知っていてくださったのかと思っていたのだけど、それだけではなく、芝居を始める前に私が現代詩を書いて投稿していた雑誌の編集者でいらしたということを知る。20年以上も前のことで、もうびっくり。
「ことばから動きをイメージする」「動きから言葉をイメージする」
そういったことも、やってみたいなあと思っていたので、そのお話も少しさせてもらったりした。

写真はネットから探してきた京都芸術センターの一枚。外観の写真はよく知られているけど、これは私の好きな廊下を映したものです。