ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

劇団大樹 「マダムグラッセの家」を観て

2010-11-16 | Weblog
14日、劇団大樹公演、12時からのスペシャルステージ「ドラマリーディング-み群杏子の世界-」と15時からの本公演「マダムグラッセの家」を観せてもらった。

12時からのスペシャルステージは、ドラマリーディングとはいえ、ポプコーンの降る街からの抜粋は芝居そのもので、役者さんも5年前の時と同じ。皆さんさらにパワーアップしていて素晴らしかった。牧口さんのうまさ、凛さんの真に迫った演技、宮田さんの愛らしさ、抜粋なんてもったいない、このまま全部やってほしいと思ってしまった。全体の構成もちゃんとしていて、短編担当のすーちゃんの語りも素敵だった。
「マダムグラッセの家」は、本当にいい舞台だった。
素晴らしい舞台セット、小道具、衣装、おまけにバンドネオン!
主宰の川野さんは、どちらのステージにも出演でかなりオーバーヒート気味。本人は大変だったと思うけど、その汗だくのあたふた感がコメディにマッチしていて、受けて笑わせるというか、真面目でわかってなさそうなところも変におかしい。他の出演者の方たちも本当にみなさん適役でお上手で(プロの俳優さんにお上手なんて失礼かもしれないけど)、私はしんそこ楽しませてもらった。
お客様も、消防法違反にならない?というほどの満席以上で、千秋楽ばかりでなく、これが毎日だったっていうから驚きだ。9ステージで760名もの観客動員だという。
今回私が一番感動したのが最後のシーン。ここさえちゃんと伝えてもらえていたら、私にとってマダムグラッセの家という作品は成功なのだ。
打ち上げも楽しかったし、池袋の街もごちゃごちゃしていて楽しかった。
この日は、すべてがスペシャルで盆と正月が一緒に来たといった感じだった。

でも、劇団大樹は、これをもってしばらくおやすみするそうだ。
川野さんはまっすぐに芝居を愛し、熱く語り、言葉だけではなくやりたいことを着実に実行にうつしていく人だ。リュックのなかにチラシを詰め込んで、行く先々でくばり、出会いを大事にし、その誠実さと強引さで誰をも味方に引き込んでいく。
川野さんと出合って5年。引っ込み思案なくせに中途半端に斜に構えていた私自身の生き方にも、川野さんは大きな影響をあたえてくれた。

川野さん、お疲れ様でした。
約束ばかりで、新作を書けずにすみません。
今度劇団大樹が再開される時には、ぜひ、胸をはってプレゼントできるいい作品を書かせてもらおうと思っています!






劇団大樹公演「マダムグラッセの家」

2010-11-02 | Weblog
11月10日~14日。東京で劇団大樹さんの「マダムグラッセの家」が上演される。
マダムグラッセの家は、私が戯曲を書き出して三作目か四作目の作品なのだが、今回、大樹さんが上演してくださるということで、大幅に手を加えた。

  -月が夜空に円を描くとき、星の道が案内する、不思議な場所
   ・・・ここは、ホテル、マダムグラッセの家。
   昔々、ヘンゼルとグレーテルが迷い込んだお菓子の家-
                   (チラシより)

舞台設定自体がメルヘンなんで、私としてはめずらしく現実的な人間ばかりを登場させている。おまけに私としてはまたまためずらしい喜劇だ。たぶん、喜劇(と自分で思うもの)は、私の書いた戯曲のなかでは、これだけだと思う。
それを、演出/テアトル・エコーの平野智子さん、主演/東京ヴォードヴィルショーの
山本ふじこさんでプロデュースされた劇団大樹/川野さんのセンスには脱帽してしまう。なんでもやっちゃうのね、川野さんと思ってしまった。
それに加え、最終日の14日には、スペシャルステージとして「ポプコーンの降る街へのオマージュ-み群杏子の世界-」が、キャスティングも豪華に上演される。
おまけにおまけに本編にはバンドネオン、スペシャルステージにはギターの生演奏。
まったく盛りだくさんで、こんなにがんばってしまって大丈夫だろうかと心配になってしまうくらいだ。舞台装置も、かなり凝っているらしい。
毎日更新されている劇団大樹さんのブログも本番に向けてどんどん盛り上がっていく。
そういうわけで、東京近郊の皆さん、ぜひぜひ、足をお運びください!!
私も最終日の14日には、観せていただきます。

  劇団大樹第11回公演・てあとるらぽう協賛
     「マダム・グラッセの家」
       作 み群杏子
       演出 平野智子
       11月10日(水)~14日(日)
       於:てあとるらぽう 

   チケット・詳細は劇団大樹ホームページまで
    http://taiju.main.jp/
 









お疲れ様でした!

2010-11-01 | Weblog
30日は、私たちの朗読で開幕して、怪談話、ライブと続いた、とても楽しい夜だった。
出入り自由の朗読中に、入ってきたお客さんが間違って明かりを消してしまって、また最初からなんて場面もあったけど、それもご愛嬌。
壁の写真の直木三十五も、なにやらおもしろそうなことをやっちょるなと、ほくそ笑んでいたような、気がする。
ギターの生演奏だけをバックに静かに語ることは、自分の声で自分の作品を聞いてもらいたいという私の思いの原点のような気がする。
一人語りや二人語りの、声で届けるための作品を、もっと書いてみたいと思う。

ことばをちゃんと届けるようにしようと、演出してくれた松本くん。み群さんの声、素敵だなあ言ってくれたムーミンちゃん。まぎわになってのお願いだったのに、気軽にギター演奏を引き受けてくれた大理さん。このイベントに誘ってくれて客演まで引き受けてくれたサンダーボルト書林の加藤さん。そして、この日、直木記念館に足を運んでくださった皆さん、ほんとうにありがとうございました。
また機会があれば、こういった感じで作品を語ってみたいなあと、思っています。