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演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

台湾で「恋ごころのアドレス」!

2013-02-03 | Weblog
「恋ごころのアドレス」という作品を書いたのはもう20年以上も前。生まれて初めて書いた戯曲だった。
当時は、映画は好きだったけど、演劇は観たこともなく、ただセリフのやりとりで物語を進めていくのが面白くて、これって芝居?芝居だよね!と文化庁の募集を見つけて応募して、佳作をいただいてしまった。
収められている「新鋭劇作集」の解説にも「感性が先走って、ドラマ構築の論理性に欠ける」などと書かれていて、審査員の先生方も、清水邦夫氏以外は受賞に難色を示されたという、未熟な作品なのだ。
でも、あの受賞があり、あの時清水邦夫さんが褒めてくださったことが支えとなって、私は今も書くことを続けている。

そういう「恋ごころのアドレス」を、5月に台湾の学生さんたちが上演してくださるという。
やってくださるのは、輔仁大学という台湾にあるカソリック系の大学の、日本語を学ぶ学生さんたちだ。
上演依頼のメールをくれた中村祥子先生は、18年前にこの作品に出会い、作中の言葉のやり取りに面白さを感じて、おりにつけ学生さんたちに紹介してくださっているそうだ。
物語は、若い恋人たち、夫婦、別れた恋人たち、喫茶店のマスターとお客といった、関係性の違う男女の会話で構成されている。
劇中のユーモアやウイットのある軽妙な(と、私が勝手に思っている)会話を、日本語を勉強する台湾の学生さんたちが日常生活に生かせるような形で楽しみながら上演してくださったらいいなと思う。

ただひとつ心配なのは、物語のなかにあるこんなやりとり。

   「さ、さいこーん!?」
   「驚くことはないでしょ。あっちにはあっちの人生があるわ」
   「相手は!相手は誰なんだよ!」
   「あなた、知ってるでしょう?5丁目の教会にいたハンサムな牧師さん。
    私があっちに行って、三年目でやってきたわ」
   「あのくそぼうず!フグ食って死んだくせに。女にまで食い意地がはってやがる」


輔仁大学は、バチカン直轄のミッション系の総合大学で、日本で言うと上智大学のようなところらしい。そこで、くそぼうずとは…。

聞き流されることを祈りましょう。

三月の彦根の福永祥子先生に続いて、5月の台湾の中村祥子先生(あ、ここで気が付いた。どちらも祥子先生だ)、演出、よろしくお願いいたします!

 写真は、1992年に俳優座で上演された「恋ごころのアドレス」
(余談ですが、写真向かって右から二番目は、現在の佐藤浩市夫人です)。












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