ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

甘やかな出来事

2008-03-31 | Weblog
星みずく第一回プロデュース「甘やかな十字架」の公演が終わった。古本屋海月文庫のギャラリーは、お客様でいっぱいになった。劇団大樹の川野さんもはるばる東京から足を運んでくださった。
リーディングという形で自分の作品を表現してみたいという思いは、演出をしてくれたかっきーさんが作っている朗読のユニット「空ノオト」を観てからずっとあって、それが今回実現した。読むことはとても緊張したけれど楽しかった。もっと修練して、自分の声を自由に操れるようになりたいと思った。発声が自然でしかもピュアだと、観に来てくれた友人がうれしいことを言ってくれた。そうなら、ボイストレーニングの時に、自分の息が今どこにあるかをつねに意識するようにと教えてくださっている栗山かおり先生のおかげだ。息をすべて吐く。吐ききってしまったら、無理に吸おうとしなくても新しい息が自然に入ってくる。それは生きていくことにも通じるような気がする。持っているものをすべて出して、からっぽの状態になったら、自然にまた新しいものが入ってくるのだ。
海月文庫の書庫を楽屋代わりに使わせてもらった。沢山の美術書と文学書。興味ある本ばかりがぎっしり詰まった本棚に囲まれて出番を待った。そんな公演中の時間のひとつひとつが、私にとってたからもので、ジェリービーンズの指輪になった。
稽古も楽しかった。自分が演者になってみて、初めて役者さんの気持ちが少しわかった。本番の前日、これで稽古も終わると思うと寂しかった。こんなことが経験出来たのは、演出のかっきーさん、一緒に出演してくれたえびちゃん、ときちゃん、かばさん、松本くんのおかげだ。「甘やかな十字架」は、私にとって、まさに「甘やかな出来事」だった。みんなに百万個のありがとうを言います。
写真は、上が私と松本くん、下の写真が向かって左からえびちゃん、ときちゃん、かばさん。

甘やかな十字架

2008-03-14 | Weblog
4つの短編を作り、ドラマ・リーディングという形での公演を考え、その総合タイトルをつけようとした時、頭に浮かんだのが「十字架」という言葉だった。
自分の罪の無力を認めたものに与えられる十字架。十字架にはまた去勢コンプレックスの意味もある。性的なもの、性の対象とするべきではないものへの憧れと排除。4つの物語は、私のなかでリンクした。
どれも、十字架を背負うことを覚悟した女たちの物語だ。唯一登場する男性、「ジェリービーンズの指輪」の美月は、女たちが背負った十字架の象徴ということになる。だから美月のペニスはいつまでもやわらかいのだ。やわらかいゆえにしょうこさんは癒される…。
と考えていた時、あの懐かしのテレビドラマ、「特捜最前線」の、有名なエンディング曲が頭に浮かんできた。♪あの人はあの人は、わたしだけの十字架♪ 甘く切ないギターの音色。
その結果、なんだか少女マンガのような、ビジュアル系バンドの歌のようなタイトルとなってしまった。

「甘やかな十字架」公演詳細については、前回のブログを。公演日は3月29・30日。ただいまチケット予約受付中です!