ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

杏&佳葉のろうどく会 「夜の言箱」

2013-10-26 | Weblog
佳葉さん二人でろうどく会をすることになりました。

佳葉さんとの出会いは15年位も前。
私のお芝居を観に来てくれて、お手紙をくれて、意気投合して、それ以来のお付き合いです。
私が朗読を始める前から、佳葉さんは自作の詩をカフェで朗読していました。
こういう形で作品を表現できるっていいなあと思ったものです。
実際、星みずくを立ち上げて自作を語りはじめるきっかけを作ってくれたひとりが彼女でした。

今回は「夜と箱」をテーマに、二人でいろいろ語ってみたいと思います。
それぞれが書いた夜と箱の物語や詩、エッセイの朗読、夜や箱が題名についた小説や歌のこと、お気に入りの夜の過ごし方などなど。
いつもの星みずくとはまた違う、おいしいお茶をいただきながらのゆるゆるとした時間を過ごしていただければと思っています。

フライヤーの絵は、やはり古くからの友人・酒匂幸夫さんの作品。
酒匂さんが開いたギャラリー「プチアート」にお邪魔した時、ちょっと秘密めいたこの絵の雰囲気が気に入って購入しました。「夜と箱」というタイトルは、この絵からのイメージでもあるのです。フライヤーでは白黒印刷ですが実物はカラー。当日は実物もお披露目します。

会場となる月心庵は、阪急京都線茨木市駅から歩いて約7分。
阪急本通商店街を通り、横道に入ったところにある結納と和雑貨のお店「玉屋」。
月心庵はその玉屋の中にあります。お蔵をリノベーションした隠れ家のようなカフェです。
ちょっとわかりにくいですが、地図をみていらしてくださったら到着できると思います。
「玉屋・月心庵」で検索していただいたら、お店のHPを見ることも出来ます。

予約はブログ「ねむたいむ」のメールやFacebookからも受け付けています。

それでは当日、会場でお会いできることを楽しみにしています!




シス・カンパニー 「かもめ」

2013-10-11 | Weblog
めんどくさがり屋の私にしてはめずらしく、Eプラスの先行予約がはじまった初日にチケットを取った。シス・カンパニーの公演は、チケットを取りにくく、赤字を出さないことでも有名らしい。

チェーホフの代表作。演出はケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演は生田斗真(トレープレフ)、蒼井優(ニーナ)、大竹しのぶ(アルカージナ)、野村萬斎(トリゴーリン)といった豪華版ならどう転んだって楽しめるにきまってる。場所はシアターBRABA!。

チェーホフはこの作品を喜劇と言っているが、新潮文庫で読むかぎりにおいては、どこが喜劇なんだろうと思っていた。
それが舞台を観ると、セリフはほぼそのままにもかかわらず、そこここに笑いが起こり、なるほど喜劇なんだとわかる。
ニーナが演じる劇中劇なんて、もう絵に描いたような前衛芝居で、笑ってしまう。

かもめは、筋立てだけみれば、通俗なメロドラマのようにみえる。
一方通行のかみ合わない恋愛の構図。すべての登場人物が自分のことしか考えていない。
どの人物にも感情移入なんてできないんだけど、大竹しのぶのアルカージナは痛快だった。

こんなみえすいた手練手管を使って、男が納得するわけないだろうと思っていたセリフも
、彼女にかかれば、こういう手があったんだと納得させられてしまう。そうか、ここはこう演じるのねと、感心してしまった。
上がったり下がったりの長台詞も、野村萬斎の長台詞のようにリズムばかりが鼻につく感じではなくて、アルカージナその感情のほとばしりそのままなんだと思えるのだ。とても才能のある人なんだなあとあらためて思う。

蒼井優は声はよかったが、何だか平凡。
生田斗真は、姿勢が悪く、全体に筋肉が付きすぎているせいか、遠目には若々しさが感じられなかった。

って、劇評みたいにえらそうなことを書いてしまいました(笑)。

一番印象に残ったのが、場面転換。
薄暗い中で、登場人物がそのまま、音楽に乗って流れるように動いて場面を転換させていたのが新鮮で素敵だった。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(なんで、こんなふざけた名前なんだろう)の、ほかの舞台も観てみたいなあと思った。