ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

少しづつ・・・

2009-12-20 | Weblog
ちくちくと縫っている。手縫いだ。何を縫っているかといえば、来年の三月に予定している星みずくの公演で、人形に着せる衣装だ。
今年の公演では、人形劇を取り入れて、4体の特注のギニョールたちに登場してもらったのだけど、次回は、1体のビスクドール(アンティークのレプリカだけど)が登場する。その人形は、ダンスを踊ってくれる大二郎君と同じ衣装を着ることになっている。人間の方は、私の手に余るので、人形の衣装を作ってみようと思い立って作っているのだが、これがけっこう楽しい。
人形がもともと着ていた服から、前身ごろ、後身ごろ、袖と、型紙を起こして、それぞれを縫い合わる。使った布は、何度も洗いにかけた古い麻布だ。古い麻はあつかいやすい。薄くて柔らかでとろんとしていてしなやか。手触りもやさしい。少々縫い目が乱れていようと、指で馴染ませるとそれなりの形になっていく。仮縫いの段階で、人形に着せてみた。とても似合っている。
不思議なもので、服を変えただけで、いままで他人事のようによそよそしかったその人形が、私の世界に一歩足を踏み入れてきたような気がした。そうか、これだナ、と感じる。時間をかけて少しづつ星みずくの作品が出来上がっていく、これもその一つだ。
人形の役を演じてくれるのはフリーのダンサーの米田大二郎君。出合った時は、丸坊主の男の子だった。それはそれでりりしくて、顔立ちの美しさを引き立てていてよかったのだけど、丸坊主では五月人形みたいなので「髪を伸ばしてね」とお願いした。大二郎君の髪は会うたびに長くなっていく。これも少しづつ、星みずくの世界に近づいてくれているようでうれしい。

先日、次回のメンバーが顔を合わせた。
稽古はじめは来年一月。星みずくのメンバーは、それぞれが素敵だ。
次回は振付やチラシデザインも、私にとってはもうこれ以上の人はいないという人にお願いしている。
本番に向けて、これから少しづつ、紹介していきますね!





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「森蔭アパートメント」、観て来ました。

2009-12-15 | Weblog
劇団大樹「森蔭アパートメント」の千秋楽を観て来た。てあとるらぽうは小規模ながら横幅があって、観やすい劇場だと思う。ざぶとんではなくて、ちゃんと椅子だし(笑)。いつもながらの満員のお客さま。マリンバの生演奏に乗って、月と星が描かれた幕が開くと、そこはもう森蔭アパートメントの世界だ。花美術の横井紅炎さんが作る木は、いつもほんとうに不思議で立派。生演奏はマリンバの他にギターも入っている。生の演奏は、聴く耳にとても暖かいと実感。可愛いおばあちゃんのかなめさんは、ちょっと私の母親に似ていた。ネコのムッシューはブーたれた野良犬みたいで笑ってしまう(大阪の時は、南出さんが演じていたので、お人よしの犬に見えたんだけど)。出演者それぞれが大阪の公演の時とはまたちがったイメージで、それはそれ、とてもそれらしくって、楽しめた。ひげもじゃの川野さんも魅力的だった。ひげのせいで顔が小さく見えたせいかも(スミマセン)。
ひとつの作品を別の劇団がやってくれる。とてもうれしい。違うところもちろんあるけれど、どんなやり方にしろ、ちゃんとやってくださるかぎり、私の作品を観てくださった人たちの感想はかなり共通している。希望、癒しだ。若い時なら反発していただろうそういう言葉を、今は素直に受け止められる。
私は作品を、私自身の癒しとして書く。書いていて、自身が楽しめて救われなければ、私は書けない。そういう意味では、いつまでたっても、私は素人作家だと思う。
そして出来上がった舞台を、やはり素人らしい目で楽しみたい。
今回も本当に楽しめました。主宰の川野さん、演出の山口さん、出演者、スタッフのみなさん、お疲れ様でした。とても素敵な舞台を、ありがとうございました!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする