11/25の朗読公演は、10月1日にチケットの予約を開始してすぐに満席になった。一回だけの公演だし、客席数も少ないせいだ。二部では評判のお店の軽食をデリバリーして、役者さんたちとのおしゃべりを楽しんでもらう。自分で言うのもなんだけど、けっこう気前のいい公演なのだ。
今回の作品は、演者それぞれが一人でも稽古出来る形で物語を構成をしているので集まっての稽古は少ない。
昨日は、東京の川野さんを除く出演者5名とギター担当の学さん(吉川邸オーナー)が揃い、朗読講師に飛鳥井かゞり先生をお迎えして、吉川邸での通し稽古だった。通し稽古はこれ一回きりだ。
古民家の柱や天井や畳や障子は、音を吸収するのか拡散するのか、なんとなくみんなの声が小さく遠くに聞こえる。とくに自分の声。なのに、かゞり先生の声はガンガン響く。先生の声はでかいし響くし臨機応に変化する。あんな七色の声、どうすれば出せるんだと、不思議に思うばかりだ。
でも、みんながんばっておりました。個人稽古の成果も十分に伝わってくる。本番ではそれぞれの個性を存分に発揮してくれることと思う。まあ、あと一カ月あるしねと、心配性なくせに楽観的な私です。
テレビでたまに朗読番組があるけど、画面には読んでいる人と文字のテロップが同時に出ている。背景にも凝っているし、音楽もついている。やっぱりわかりやすい。
私は文字人間だからか、よほど上手な朗読以外は、朗読で内容を十分に理解することができない。上手な人の朗読だって、ちょっと長くなると集中できなくて物語の筋がわからなくなってしまう。
個人的には先に物語を読んで、それを頭に入れたうえで、朗読を聴きたいたちなのだ。そのほうが物語を味わえる気がする。でもそれは声を通した(耳で聴く)物語ではないから、朗読を味わうという意味では邪道なんだろうな。
振り返れば、2008年に、自分の朗読力では自分の物語は伝えられないのではと思いつつ、朗読は役者に任せなさいと言われつつ、それでも文字では伝えられないものが自作の朗読にはあるのではと、星みずくを立ち上げたのだ。
伝えられる朗読力を身につけねばと思うばかりでなかなか上達しないのだけど、まあ、今回は採算度外視の企画で楽しんでもらえればと思っている。