ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

手作りのアクセサリー

2011-09-19 | Weblog
キラキラしたものやパリッとしたものや真新しい感じのするものが苦手だ。
いつも古色蒼然とした場所や品物に心が惹かれる。古物市や古着屋や古道具屋でみつけてきたものに、勝手に物語をつけて慈しんでいる。
 
そういった形でみつけてきたものに手を入れて、よくアクセサリーを作る。

使うのはおもに古びたヒモやレースや布だ。
アンテークなら最高だけど、なければアンティーク風に自分で染めたりもする。
麻糸に布やレースを編みこんだラリエット。布やレースをランダムに縫い付けたコサージュやネックレス。

作るのは好きなのだけど、縫い方が雑なので、使うのが恥ずかしい。
マルニやジャーナルスタンダードで、私が作ったのと同じようなものがとても高い値段で売っていたりする。よく見ると大違いなんだけど。
自分が作ったアクセサリーをつけてお店に行って、店員さんが褒めてくれたりすると、恥ずかしいようなうれしいようなくすぐったい気持ちになる。

本物のアンテークは切れ端だってものすごく存在感があると思う。
以前、ピアニストのフジコ・ヘミングが、コンサートの前に衣装に着替えて、胸元に何か足りないからといって、アンテークレースの切れ端をブラウスの胸元に少しだけ見えるように押し込んで、衣装を完成させていた。そういう風なおしゃれは、本当に素敵だ。

手作りのアクセサリーでいつも思い出すのは、高校の時のボーイフレンドのことだ。
誕生日に何が欲しい?と聞くので、私は十字架のネックレスと言った。
で、彼がくれたのが、自分で鉛を溶かして固めたという、手作りの無骨な十字架だった。
横10センチ、縦15センチもある、ものすごく大きい十字架で、やはりものすごく重い真鍮の鎖がつけてあった。

ブランドものとは言わなくても華奢なシルバーのクロスのネックレスを想像していた私はちょっとがっかりした。こんなもの、つけて歩けないじゃない。

そのネックレスを、私は、文化祭の時、文芸部で作った自作自演のお芝居でつけた。
最前列で見ていたボーイフレンドの、不安なようなうれしいような顔を、いまでも覚えている。

写真は私の手作りのネックレスやコサージュです。




 
コメント
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