ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

パッションフルーツ

2007-07-26 | Weblog
好きな夏の果物に、パッションフルーツがある。2年前に初めて食べた。小さな地味な色の果物で、ナイフで二つに割ると、やわらかでとろりとした果肉に、おびただしい数の種が包まれている。種もいっしょに食べる。あまりおいしそうにはみえない。グロテスクにさえ見える。でも、スプーンですくって口にしたとたん、おおげさではなくこの果物のとりこになってしまった。
夏になって、店先に並んだパッションフルーツをみつけるとドキドキする。でも、簡単には買わない。どうしても欲しくなった時、少しだけ買ってくる。誰にもわけてあげない。一人でこっそりと食べる。これって、まるで秘密の恋みたいだ。甘くってすっぱい。さわやかなのに濃厚。
パッションには情熱という意味のほかに、キリストの受難とか、十字架の磔といった意味もある。パッションフルーツの別名は受難果。花はトケイソウのようにあでやかで毒々しく美しい。パッションフルーツは、私にとって特別な食べ物だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする