ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

チャーミングな舞台

2007-12-17 | Weblog
劇団大樹の「月と語りとアンサンブル」を観させてもらった。洗練されていてとてもチャーミングだった。役者さんたちも、その登場の仕方も、語りのスタイルも。生で演奏されたアイリッシュハープの音色は、言葉を聞く人の胸にやさしく運んでくれるし、月を思わせる花のオブジェは、小さなアトリエ空間を物語の世界へと変えてくれる。
どれも本当に素敵だったけど、私が印象的だったのが、宮田智佳さん演じる「月の精」の存在だ。時に愛らしく、時にいたずらっぽく、物語に耳を傾けていたかと思えば、楽しそうに場面の転換をしていたりする。小道具のカスタネットをおもちゃのように鳴らしてみたり(それでいて演奏は本格的なのだ)、物語の切れ目では、満員のお客さんをリラックスさせようとばかりに、うーんと伸びをして、可愛い体操を披露してみたり。場面のそこここに顔を出しているのにちっともじゃまになっていないし、むしろ、作品世界をより確かなものにしてくれている。なかでも私が一番好きだったのが、似合わないサングラスをかけてくるりと振り返り、「飯も食うし糞もする。睡眠時間は6時間で風呂には毎日入る。それでゆうれいだって?」と、言う場面だ。もう、絵本のマドレーヌちゃんみたいに可愛くて、思わず笑ってしまった。私が作品には書いていないこの月の精の登場は川野さんの思いつきだとか。それを演出に生かした山口さんの手腕。それに答えた宮田さんの演技。白いワンピースから覗いていたペチパンツが可愛かった。あっという間の1時間40分。
とても贅沢な時間だった。ただ、熱気で暑かった。外は寒かったのに。満員の小劇場には簡単に脱ぎ着できる服で行こう。これで解決。出演者のみなさん、お疲れ様でした。とても素敵な舞台を、本当にありがとうございました!
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月と語りとアンサンブル

2007-12-09 | Weblog
とても素敵な企画なのだ。私の作品をまとめて語ってくださるという。ただ語るだけでなくいろんな趣向を凝らして変化に富んでいる。アイリッシュハープの演奏、生け花のアート。
取り上げてくださっている作品は、戯曲集「微熱の箱」にも所収されているラジオドラマのいくつかと、小さな同人誌に書いた小説「ジェリービーンズの指輪」、一人語りの朗読劇として書いた「カスタネットの月」だ。それらをまとめてひとつのイメージを持たせて舞台化されている。もう観る前からわくわくしている。
いつも自分の作品を他のお客さんにまじって客席で観させてもらっていると、自分はとても贅沢なことをさせてもらっているなと思うのだ。それは高校生たちが一生懸命演じている学校演劇の場でも同じだけど(その場合は、別のヒヤヒヤドキドキもあったりするけど)、プロの方たちの計算された演技や演出を観させてもらうのは、自分にとっての宝物をいただいた気分になる。
というわけで、劇団大樹の川野さん、演出の山口さん、出演者のみなさん、本番、お会いできるのをとてもとても楽しみにしています。

劇団大樹「月と語りとアンサンブル」ーみ群杏子の世界ー

日時 12/14日19:30~
15日15:00~ 19:30~
16日13:00~ 17:00~
場所 スタジオアキラ(東京 中野坂上)

チケット予約・詳細は劇団大樹http://taiju.main.jp
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終わった公演とこれからのこと。

2007-12-02 | Weblog
戯曲研の公演が終わった。写真は会場となったカフェ。とてもおしゃれなところです。観に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。10分たらずの出演だったけど、作家としてだけ参加している時よりも数倍疲れたような気がする。最終回では本番中に小道具のぬいぐるみの腕が取れてしまって、あれれと思っているうちに台詞を忘れてしまった。私がにこにこと黙って笑っているだけの間を、相手役の田口さんが繋いでくれてやっと台詞を思い出した(田口さん、初舞台の私に何かあった時の対策をいろいろ考えてくれていたようで、気を使わせてしまってすみません)。でも、役者をやって、わかったこともたくさんあった。なによりもやはり楽しかった。舞台はやはり役者のものだと思った。
というわけで、来年3月には懲りずにまた役者をやろうと思っている。今度は芝居ではなく、朗読のようなものだけど、自分の作品を役者さんたちと読む会というのを企画している。これは、りゃんめんでは出来ないことをしたいと、演出の垣内さんや女優さんたちとの間で前々からあった企画なのだけど、自分が出るということは考えていなかった。自分が出るということで、準備も楽しくなった気がする。

その前に、12月14日~16日、東京の劇団大樹さん(http://taiju.main.jp)で、「月と語りとアンサンブルーみ群杏子の世界」ということで、公演がある。私の作品ばかりを集めてくれた語りの会、ハーブの生演奏も入るなんて、期待と緊張で、もうワクワクドキドキソワソワといった気分だ。詳細については大樹さんのHPを。16日には私もおじゃましようと思っている。
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