ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

日々是好日

2014-03-16 | Weblog
一月に入院して、ずっと意識を取り戻さないままの母だが、今日病院に行くと、目をぱっちり開けて迎えてくれた。
私や看護師さんを目で追いかけたり、いろんな音に反応している。
「ママ、今日は調子いいねえ」というと、グッドタイミングで鼻息でふふんと答えてくれる。
音痴な歌を口ずさむと、動く方の手で小さく合わせて調子をとっている。ふふふと笑うと同じようにふふふと笑う。
看護師さんたちも寄ってきて、「わあ、ほんとに笑ってる!」とみんなで笑いあうと、それを受けてさらににこにこ笑っている。
こちらの声や表情に無意識に反応しているのかもしれないけど、看護師さんも感動して「なんか泣きそう」と言っていた。
病室の窓をみると、雨が上がって、空が晴れて、なぜかふと「日々是好日」という言葉が浮かんできたりした。

夕方からは学生時代の友人がやっているカフェギャラリーでプチ同窓会。
それぞれ悩みや苦労もあるのに、みんな笑顔。
笑顔っていいなと思える一日だった。

………………

さて、話変わって、今年の星みずく公演。
今年はなんと5月と7月の二回!
それぞれ違った形ですることになった。
会場は阪急茨木市駅からすぐのところにあるDbar
ビルの三階のペントハウスだ。
去年の秋に、同じ茨木市にある月心庵で「杏と佳葉の朗読会」を上演させてもらった時に、Dbarのオーナーが観に来てくださって、うちでもというお誘いがあり、今回、星みずくの公演をさせていただくことになったのだ。

まずは、5月25日(日)。
「夜の小さなお話ーアコーディオンの音色とともにー」と題して、小品集を、鈴木みかこちゃんのアコーディオンとともにお届けする。
この日は出入り自由。チャージなし。ノンアルコールの飲み物もあります。ぜひお気軽に。

7月の方は、日にちはまだ未定だけど、酒井周太くんを加え、二人芝居と朗読とギターとアコーディオンのライブ。こちらは貸切で新作の上演。いつもの星みずくの公演形式になる予定。

それぞれ詳細は追って案内させていただきます!









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猶予の時間

2014-03-01 | Weblog
時間はあるのにいろいろなことが億劫になって困る。
で、本を読んでいる。

増えすぎてしまった自分の本を並べて古本屋をやりたいなあと、また思う。
でも好きな本は売りたくないから、やるなら古本屋より貸本屋がいいな。ゆっくり読んでもらうためには、コーヒーを飲みながらというのもいいかも。いや、やっぱりお酒かな。つまみを作るのは面倒だから、缶詰と缶ビールとスナック菓子ぐらいにして、でも、スナック菓子の油がくっついた手で本を触られるのは嫌だなあ…。
とまあ、空想は無駄に広がっていくのだけど、考えるだけでもちろん実行はしない。

最近新しく読んだり読み返したりした本に、「喋々喃々」(古着物屋)、「古道具中野商店」(古道具屋)、「森崎書店の日々」(古本屋)というのがある。
三冊とも、よるべない女が新しい環境に移り、今までとは違う仕事をするなかで、失いかけていた自分を見つけていくという物語で、( )内がその仕事なのだけど、どれも古いものをもう一度送り出す仕事というのが面白い。

古いものはやさしい。
思い出を閉じ込めて、そこにある。変わっていく人を静かに見守っている。



一月に母が倒れて、意識がないまま入院している。
突然なのでまだ実感がわかない。
私は病院に行ってもすることがない。
年末に母を能登の海に連れて行ったことなど思い出しながら、
やっぱり本を読んでいる。

この間、枕もとで新美南吉の童話を声を出して読んでみた。
同じ病気で母親を亡くした従妹からのメールを思い出す。
「何もしゃべらなくても、病院に行くと、今日も母にあえたと思ったよ」
確かに。

少しづつ慣れて、少しづつ覚悟が出来て、
私も普段の生活に戻っていくだろう。


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