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蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

おんなよ、邪心も、ほどほどに。

2012-10-15 | 趣味

なんだか、誉めていただくと、とたんに、キーを打つ手が震えてしまう、
小心者の、わたしだ。

わたしは、末っ子というせいもあって、どうも、重みに欠ける。
この年になっても、可愛がられたい甘えっ子気質がまだ抜けず、気持ち悪いばかりだ。ゾゾっ。

どしっとした重みや風格が欲しいところだが、程遠い・・・・・。

服装も、じつに、軽い。
自分の年齢に相応しいファッションではないので、
いつも、母から「あんたの服は、理解できない」と、センスを疑われる。
流行、プラス、自分流アレンジをしているだけなのに。
ちょっと、顔や年齢と合ってないだけなのに。
ちょっと、バーゲン、お買い得品、安物ばかりなだけなのに。
最近は、「それ、いいなあ。わたしにも買ってきて」と母に言われることもあるが、
母の年齢、体型には、絶対、無理。
母も、焼きが回ったのか。

その点、社交ダンスのパーティ・ドレスは、なんでもあり。
まるで、妖怪の棲家かと思われるほど、年齢を無視した、派手派手さ。
先日、店内からはみ出るほど、すごいドレスが並んでいるパーティ・ドレス ショップで、
これまた、すごい年齢のご婦人の方々が熱心に選んでいるところを
通りすがりの年配の男性がご覧になり、「この店は、いったい、なんの店や」と驚いておられた。

ドレスと着る人、年齢の、大いなるミスマッチ、
魔女の店、お化け屋敷、とでも思われたかも知れない。

パーティでは、正統派、高価で上品な美しいドレスを纏っておられる、お美しい方もおられるが、
そうでない方もおられる。

ショップで、お気に入りを見つけ、同じドレスを奪い合う場合も、相手の女性の顔を見ると、うんと年上。
「あら、それ、いいですわね」
「あなたも、よくお似合いですよ」

にっこり微笑みながら、内心は、

「あなた、こんな派手なドレス、着る気?」
「そういう、あなたこそ?」

ああ、おんなの戦いは、こわい。


かくいう、わたしも、先週末、これ以上目立つ赤はない、という、真っ赤なドレスを買った。
じつは、レッスン用のスカートを持って行くのを忘れ、レッスンホールで販売されているものを間に合わせで買った。
あんまり気に入ったものがなくて、その日のレッスンが受けられないし、どうしよう・・・と、ぐずぐず悩んでいたら、
あら?!と一瞬、真っ赤のドレスが目に入り、即座に飛びついた。
派手だなあ・・・とは思ったが、真っ赤は持っていなかったし、ほかにいいのがないし、レッスン時間は迫るし、
迷う余地はなかった。

案の定、「今日ここで、一番、目立ってるよ」と、男性クラスメートに言われーの、
いつも、わたしとドレス争奪戦を繰り広げている女性クラスメートは、目ざとく見つけ、
「あら? それ、どこにあった? わたしも、着させて。
ぜひ、また、譲ってね」
と、キラリと目を光らせ、迫られーの、
「わあ、今日は、違うイメージですね」と先生に言われーの、
「オシャレね」と、いつもオシャレな人に(嫌味で?)言われーの、
その後に行ったパーティで、また、辛口コーチに、コメントひとこと言われーの、
マッカッカ・ドレスの効果は、即効テキメン。

いつもいっしょにパーティに行く、クラスメート女史は、けっこう、立派な体格で、
「ねえ、これ、似合う? 太く見えない? お腹、ぼんっと出てない? 本当のこと、言って」
と、いろんなドレスを試着し、純真な目で、問いかけてこられるのだが、
わたしは、「うん、似合ってるよ。お腹は、そんなに目立たないと思うけど」
などと、つい、口から出てしまう。

しかしながら、彼女との、ドレスの奪い合い合戦は、熾烈を極める。
自分が欲しいものを相手に買わせず、自分が欲しくないものを相手に買わせる、
しかも、喜んで、楽しく、いきいきと、ケンカも諍いもなく、満足して。
その誘導のテクニック。それが、また至難の業。

自分の思いに、まっすぐ。
醜いのか、かわいいのか。

ああ、おんなは、こわい。

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