映画「フィッシャー・キング」

テリー・ギリアム監督は「未来世紀ブラジル」や「バロン」や「１２モンキーズ」で知られているけど、私は「フィッシャー・キング」が一番好き。
舞台はＮＹ．過激な発言が売りのＤＪジャック（ジェフ・ブリッジス）はある日、不用意な一言がきっかけで彼と話したリスナーが大惨事を引き起こす。生活破綻者となったジャックの前に現れた浮浪者パリー（ロビン・ウィリアムズ）は大惨事の現場に居合わせた被害者だった。人は人を許す事がむずかしいけど、それ以上に自分を許す事が難しいことがある。時に泣き、時に大笑いするこの素晴らしい脚本。そしてドンキホーテの世界を彷彿とさせるギリアム監督独特の映像美が素晴らしい。特にパリーが仕事帰りのアンの後姿を追いかける時、彼の目には混雑した駅は優雅な社交ダンスホールに映るのだ。
映画の最後に流れる「How about you」が映画同様、優しい気持ちにさせてくれるのだ。