梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

やさぐれていた頃の思い出

2018-08-01 12:57:08 | 昭和の頃
先日バスを待っていると少し後に18過ぎと思われる少女が並んだ、
(どこかで見た顔)と思ったらすぐに思い出した、
随分若い頃の事だ、苦い思い出である、彼女を思い出すと自己嫌悪に苛まされる、
当時の私は何も考えていなかった、給料は殆ど全部飲んでしまう、
貯金などは無いに等しい、その内飲み屋の付けで次の給料もとんでしまい、又付けで飲むと言う悪循環である、
親はいないので兄弟から借金もあるが段々借りにくくなってそうは増えない、
古いアパートに住んでいて喫茶店で知り合った悪童たちと飲み歩く、
当時は何の理由もなく自分は結婚はしないだろうと考えていた、
田舎の友人は「お前は独身主義者」だと言っていたが(結婚はしない)と決めたわけでもないが結婚して家庭を築くと言う様な事も全く思っていなかった、
偶に風邪が悪化して熱が酷く、食事もとれない状況があると(こいつはちょっとやばいかな?)と考えたり(見つかるころには腐ってるんじゃないか)とか考えていたがそれが恐怖と言う事ではなく結構坦々と考えていた、
精々(エロ本は片付けてた方が良かったか)と思う程度だった、
呑み屋で知り合った女の子とは適当に付き合っていて中にはアパートに泊まってゆくような子も何人かあったがその子はその手の子ではなく仕事で知り合った子だった、
髪を真ん中で分けて後ろでゴムで止めただけの地味な子だったが何度かドライブに誘ったり軽く飲みに行ったりしていたのだが本人は遊び歩く同年齢の子に憧れていたようで
夜遊びを繰り返し家にも帰らない事もあったらしい、
私は飲みあるくのに女の子がいる店は一人では先ずいかない、
美味い肴と美味い酒か焼鳥屋と言うかもつ焼きやでビールと焼酎と言う飲み方で女の子と一緒に行くのは大抵誰か友人がいた、
友人の中に呑み屋の女の子と仲良くなるのが得意な奴がいて此奴と行く店で店の子を連れ出す、
彼はタクシードライバーでねぐらは会社の寮だったので大抵私のアパートになり店の跳ねた後部屋で飲む、
そんな関係で私の相手になった子が店が終わった後転がり込んだりしていた
そんな割り切った子が入れ替わりで何人かいたのだが彼女とはそう言う関係にはならなかった、
ある日突然彼女から電話が来て「今から行っていい?」と言って来た、
新宿に居ると言う、時間は多分夜の9時頃、そこからだと1時間はかかる、話の内容から金の話だろう、「良いよ」と言ったがその先を考えた、
案の定「必ず返すから貸してほしい」と言う、大した金額ではないが恐らく帰っては来ないだろう、
「上がったら?」と言ったが黙っている、顔が硬直している様だ、こういう時に力づくと言うのは苦手である、
しばらく沈黙の後彼女の言った金額を渡して帰したが無言の彼女の背中が惨めそうでそれが自分のした事も惨めで強烈な自己嫌悪に襲われた、
その後合う事も無かったが70を越して彼女によく似た少女を見たら当時の嫌悪感がよみがえって来た、
済んだ事を後悔してもやり直せるわけはないと言う信条で過去の事は悔い改める材料にはしても悔い悩むことはしないと言う生き方をしてきたがこういう後悔は滓のようにどこかに残っていてふとした時に浮き上がって来る、
時には穴が無ければ掘ってでも入りたい様な事を数年に一度は思い出すことがある、
随分昔に過ぎた事だし取り返せる話でもない
まあ楽しかった事を思い出して一人にやにやと言うのもぞっとしないがね