福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

ボルト一本が重大事故の原因になりうる危うさ

2007年08月27日 06時35分48秒 | 時事問題 社会問題
 本年3月、伊丹発高知行きの全日空ボンバルディアDHC8-400型機が前輪が出ないと言うトラブルに見舞われたが、機体の前部を滑走路に擦りつけ、火花を挙げながらも火災も起こさずに無事に着陸した。乗客乗員に死傷者はなかった。原因は前輪を出し入れする機構に緩んだボルトの一本が引っかかり機能しなかったためと判明した。

 今月13日、韓国釜山市に設置された移動式のテーマパークに設置され、8人乗りのコンドラ42基がゆっくり回転する、高さ約60mの観覧車で、一家7人が乗った一つのゴンドラが水平位置をとらずに固定された状態で傾き、ほぼ逆さ状態にまでなり、ガラスが外れて5人が落下して死亡した。韓国の捜査当局は、観覧車を組み立てた際のボルトの取り付けミスが原因と断定し、遊園地側を業務上過失致死などの疑いで立件する方針を固めた。観覧車の鉄柱のボルトの一部が、誤って本来とは反対に取り付けられ、ゴンドラは垂直の位置を保てず、別のゴンドラに引っかかったためという。実に痛ましい事故である。

 今月20日、那覇空港で着陸したばかりの中華航空ボーイング737-800型機が爆発炎上した。乗客がエンジン付近の異常を訴えているのに客室乗務員は無視したなど、危機管理上の問題点は指摘されているが、間一髪165人の乗客乗員全員が脱出して死傷者はいなかった。人的被害が出なかったのは幸運であった。原因は主翼の揚力装置に取り付けてある一本のボルトが何らかの機序で外れ、燃料タンクを突き破り、燃料漏れを生じたものだと言う。外れたボルトがどの様に燃料タンクを突き破ったのか、燃料タンクはそんなに脆いものなのかなど、理解し難い点も多いが、調査でボルトに付けられた留め具のワッシャーが外れており、付け忘れなど整備上のミスの可能性が浮上している。

 最近ボルト一本の脱落や緩み、取り付けミスが原因で巨大システムの重要部分が機能を失い、重大な結果に結びついた事故が続いた。このような事故はむしろ希であろうが、解明されてみるとホントにちょっとしたことが重大事故の原因となっている。巨大なシステムは思いがけないところに危うさを秘めているものだと改めて思ってしまう。
 私は巨大な建造物、高速の移動手段などにいつも恐怖感を感じる。一方ではそれらを避けて暮らせないだけに、何時かそのような事故に遭遇する可能性は有り得る。ある種の諦めの気持ちも持っているが、私にとってはブラックボックスで他所様任せでしかない。
 一つ一つの事故を教訓にして安全性を高めて欲しい、と願うしかないのだ。 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アトリオン室内オケ27回定期... | トップ | 今年の「高校生一日医師体験... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事問題 社会問題」カテゴリの最新記事