銅版画制作の日々

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扉をたたく人◇◆the Visitor

2009-08-24 | 映画:ミニシアター


8月22日から、京都シネマにて公開されました!

最近こういうかたちでのヒットが多いですね。本国アメリカでの封切時の上映館はわずか4館だったそうです。鑑賞した人たちの感動が口コミで広がり、何と最終的に270館に拡大したという本作。観ないわけにはいきませんよね。ということで、早速観てきました。

主役を演じるのはこれまで脇役として多くの作品に出演してきたリチャード・ジェンキンス。そう言えば、最近観たコーエン兄弟監督作品「バーンアフターリーディング」ではリンダの上司テッド役で登場していた方。思いだしました!
そして第81回のアカデミー賞では主演男優賞にノミネートまでされ、ジェンキンス氏のとっては素晴らしい作品となったことでしょうね。


アメリカ映画としてはかなり地味めな作品です。主演のジェンキンス氏も地味なら、脇を固める俳優さんたちもほとんど知らない顔ぶれ。あ!一人は「シリアの花嫁」でお馴染の女優さんで、ヒアム・アッバスという方。といってもメジャーな俳優さんではありませんね。ミニシアター系大好きな方ならパラダイス・ナウなどにも出演しているので、多分馴染があると思いますが・・・・。

という本作が何故に全米興行収入トップ10にランク・インしたのか?
それは2001年の9.11に起きた同時多発テロが背景にあるそうです。アメリカは移民希望者や不法滞在者の多い国だということはご存じだと思います。それはアメリカに限った事ではないけど、国際都市なら何処でもありがちなお話でしょうし。しかしあのような大きなテロ事件が起こると、誰もが敏感になるのは当たり前。それだけにその対象となる人は疑われるのがオチ・・・・。次第に心が閉ざされてしまうという現象が人々を襲ったのでしょうね。

つまり心を閉ざすという意味は、扉を閉ざすことだった。そしてこの主人公も扉を閉めて、毎日を淡々と生きていた。

あらすじ

コネチカット州大学教授をしている62歳のウォルター(リチャード・ジェンキンス)は、妻を亡くし、心を閉ざしていた。ある時、学会のためにニューヨークに出張し、滞在のために別宅のアパートを訪れるが、そこには見知らぬ外国人のカップルがいた。ふたりはジャンベ奏者のシリア系男性タレク(ハーズ・スレイマン)と、アクセサリーを作って売るセネガル系女性のゼイナブ(ダナイ・グリラ)といい、詐欺にあってウォルターの家を貸されたのだった。やむを得ず共同生活を始めた彼らだったが、陽気なタレクはウォルターにジャンベの演奏法を教え、ストリートセッションに誘った。初めての体験に充実感を覚えるウォルター。しかし、タレクは地下鉄無賃乗車を疑われて逮捕され、不法滞在の身を暴かれてしまった。何とかして彼を釈放させようと奔走するウォルターの前に、タレクの母であるモーナ(ヒアム・アッバス)が現われる。

予期せぬ訪問者はウォルターの新しい人生を開いた!


タレクにシャンベを習い始めたウォルターはこれまでにない心の高揚を感じ始める。


ウォルターは文化も年齢も職業も異なる人たちとの出会いによって、奥底に眠っていた人間らしさを取り戻す。

ウォルターが生きるという事に希望を持ったのもつかの間、タレクは拘置所に収監されてしまう。ウォルターは彼を助けるために色々手を尽くすが、上手くいかない。毎日のようにタレクを励ますが・・・。

そしてタレクの母モ―ナとの出会い。タレクの事がつながりとなって、いつしかウォルターはモ―ナを愛する。扉は新たな出会いと人生をもたらすのきっかけとなる。それは亡き妻からの決別ともいえるようだ。


ウォルターとモ―ナの大人の恋♪?

結局タレクは拘置所から出られず、移送されるてしまうことに。「何も悪いことしていないのに、何故収監されなければならないのか・・・?」と訴えるタレクの思いがヒシヒシと伝わる。

ふたたび生きる意味を見出すウォルター。それは、彼の心の扉をたたく他者からの思いやりであり、たたかれた扉を開くほんの少しの勇気だった。これこそが人と人をつなぎ、人生の扉を開く鍵なのだ・・・・。

かたく閉ざされていた心の扉は大きな思いやりを持つ友情へと変わっていきます。
まったく接点のなかった二人の心の交流は何よりも強い絆で結ばれたものかもしれません。

音楽の強さ、凄さを感じましたね♪じんわりと胸を打つ本作でした。

 初老の大学教授と移民青年との心の交流を描いた感動ヒューマン・ドラマ。妻を亡くして以来、心を閉ざす孤独な男が、ひょんなことから出会ったジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との友情を通じて次第に本来の自分らしさを取り戻していく姿を、9.11以降非常に厳格な措置を講ずるようになったアメリカの移民政策を背景に綴る。監督は俳優としても活躍し、これが監督2作目となるトム・マッカーシー。主人公を演じたベテラン俳優リチャード・ジェンキンスは、本作でアカデミー賞主演男優賞ノミネートをはじめ各方面で賞賛された。(allcinemaより抜粋)


ラストシーン。ウォルターのシャンベの演奏はなかなか!!

メディア 映画
上映時間 104分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ロングライド)
初公開年月 2009/06/27
ジャンル ドラマ
  • 公式サイト(英語)
  • 公式サイト(日本語)
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