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どこへ住むか 6(最低限のインフラ)

2012年06月19日 14時58分51秒 | これからタイへ住む人へ~私の失敗談
今回は私の失敗談でなく、我家でヘリコプターさんと呼んでいた米国人の話。
ヘリコプターさんが家を建てたのは、周囲を田に囲まれた小さな林の中で、池もあって涼しい風が吹き抜け、大変気持ちが良い場所。但し公道へ面してなく、田の畦を使って徒歩やバイクでの出入りしか出来ない。もちろん電気も来てない。車で出入りするには、土地の売主の田を通らなければならない。ヘリコプターさんの家の工事が始まったのは乾季の11月。土地の売主の田を通って工事車両が出入りした。
家が完成した頃、家へ出入りする道路の話しになった。田なので、盛り土をしないと雨季には水に浸かって車が通れなくなる。ヘリコプターさんが土地を買う時に、売主と田の通行許可を口約束しており、売主は約束通り道路の幅だけ田を造成して構わないと言ったが、ヘリコプターさんは他人の土地にお金を使うより、土地を自分の物にして造成しようと考えた。売主は通路となる田の売却を承諾したが、ヘリコプターさんの家の奥へ親族の田があり、ヘリコプターさんが購入して造成した後も、その道路を通らせて欲しいと申し出た。ヘリコプターさんはその申し出を拒否したので売主も態度を硬化。ヘリコプターさんが出入りに使っていた田へユーカリの苗を植えてしまった。立派な家を造っても、ヘリコプターでもなければ出入り不可能なので、私はヘリコプターさんと呼んだのだ。
このヘリコプターさん、電気でも近隣の家とトラブルを起こしてしまった。
ヘリコプターさんの家へ電気を引く事になった。私費で電柱を立てて、数百メートル電線を張るのだ。ヘリコプターさんが電気を引けば、近隣で電気無しで生活している人も、自宅へ電気が引ける。ヘリコプターさんは、自費で工事した電線へ便乗されるのが面白くないので、自宅まで高圧線を引いて、敷地内へトランスを設置するよう電力会社へ申し出た。どういうルートで漏れるのか知らないが、その話しは村中の人が知ることになった。集落の協力を得られなければ、電力会社も工事できない。ヘリコプターさんは発電機を使っての生活を始めたが、車が入らなければ燃料の運搬にも困る。ヘリコプターさんは奥さんを置いて米国へ帰ってしまった。
奥さんのバイクとロウソクの生活は数ヶ月続き、トラブルになった集落の反対から数百メートル道路を作り、数十本の電柱を立てて、ようやく普通の生活が始まった。今は米国人のご主人も同居しておられるようだ。
いくら気に入った場所でも、最低限のインフラが無いと、全部自分で構築するのは面倒だ。
また自分の権利を主張するのも大切だが、少しは譲歩し、近隣へも貢献しないと、周囲の協力は得られない。
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