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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(手捻り)

2009-08-05 22:58:31 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

原因として、「土の記憶性」、「乾燥の仕方」以外に、以下の事が、考えられます。

 3) 作り方に原因が、ある場合

  ③ 手捻りによる「歪み」

    前にも書きましたが、手捻りで作った作品は、歪みが有って当然です。

    歪む事により、温か味のある作品と成ります。又指跡なども、あえて残す場合も有る程です。

    しかし、見て嫌悪感を、与える「歪み」は、なるべく無くしたい物です。

    手捻りで、作る代表的な方法は、玉造りと、紐造りです。

   ) 玉造り: 比較的小さな作品の、作り方です。

     一塊の土を、団子状に丸め、手轆轤に据え、中心を、両手の親指で、穴を開け、底を作ります。

     底が出来たら、両手の、親指と、人差し指、中指を向かい合わせて、強く摘み、肉厚を薄くし、

     土を上に伸ばします。 「歪み」が出来る原因は、

    a) 穴お開ける際、中心がずれる。 

     団子状の塊の中央に、穴を掘る際、中心がずれると、周囲の土の量(厚み)が、バラツキます。
     
     その結果、作品の壁が、厚い部分と、薄い部分が出来てしまい、乾燥で、歪みが発生します。
 
    b) 土を薄く伸ばす際、土の厚みに、差が出る

      土は下から上に、手轆轤をゆっくり回転させながら、摘む力を強くして、薄くしていきますが、

      摘む力に「むら」が有ると、土の厚みも、「むら」に、なります。

    c) 径を拡げない

      摘んで薄く伸ばすと、径はどんどん、広がります。

      径が開く事は、「歪み」易くなる事ですので、径を拡げない様に、土を締めます。

   ) 紐造り: どんな大きさの作品や、どんな形にも、対応出きる、万能な作り方です。

    a)  紐の太さを揃える。紐の軟らかさを揃える。

      紐は、丸く同じ太さで、長めに作ります。(慣れないと、紐作りも、難しいです。)

      紐の太さが、極端にバラツクと、土を積み上げた時、最上段に高低差が出来ます。

      これも「歪み」の原因に成ります。

      紐の柔らかさに、差が有ると、土の乾燥度に差がで、作品が「歪み」ます。

    b) 紐を積み上げる段数を、多くしない。

       紐の太さによりますが、段数を多く取ると、重量オーバーで、下段の土が、潰れます。

       その結果、形に「歪み」が出ます。

    c) 空気を閉じ込めない事。

       段と段又は、紐と紐を繋げる際に、空気が入り易いです。

      閉じ込められた土は、「ヒビ」「割れ」「歪み」の原因に成ります。

    d) 予定外の肉厚の差、高低差は、なるべく、削り取るか、切り取ります。

      又、作品が不安定な場合は、スペ-サー等を入れて、安定化させます。

    e)  その他、透かし彫りや、大きな穴を、壁などに開ける場合、残す部分は、半分以上にします。

       又、連続して、穴を開けない事です。穴と穴の間隔は、出来れば1cm以上必要です。

以下 次回に続きます。

陶芸失敗と対策
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