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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(電動轆轤7、糸切り)

2009-08-14 17:31:27 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

3) 作り方に原因がある場合

 ④ 電動轆轤による「歪み」

  Ⅵ) 作品を、轆轤上から、切り離す時、及び、取上げる際の、「歪み」

   a) 糸の入れ方に問題

   イ) 多量の土を轆轤に 据え、上から作品を作り、糸を入れて切る場合に、糸(シッピキ)の使い、

     水平に切断出来ないと、取上げた作品は、「歪み」ます。」

     特に、切り口に、段差が出来たり、斜めに切れてしまった時には、取上げて、板に置いた時に、

     作品が傾いたり、縁が歪んだりします。

     尚、大皿など、底の広い作品は、回転させて切る事は、止めた方が良いです。
    
    ロ) 回転させて切ると、作品が動いて、中心から「ズレ」たり、最悪、下の土から、転げ落ち、

      作品が台無しに成る場合もあります。回転スピードが早いと、遠心力も強くなり、

      落ちる可能性も、大きく成ります。かなり練習してから、実行して下さい。

      作業に、不安のある方は、轆轤を止めて、糸を入れる事を、勧めます。

    ハ) 回転させながら、切り離す方法。

      糸を入れる際には、「竹へら」等で、切り口を、しっかり固定します。

      即ち、切り口が、やや楔型に成る様にし、糸の「ガイド」にします。

      糸で切る方法は、 手前から入れる方法と、向こう側から入れる方法が有ります。

    ・ 手前側から切る。(右回転の場合)

      右手に糸の端(玉や、小板、布等を付けて置く)を持ち、他端を左手で持つ。

      糸を水平に張り、ガイドに当てる。次に、轆轤の回転に合わせて、左手を約半回転させ、

      手を離す、すると糸は、切り口に巻き付きます。1回転強、巻き付いたら、右手を素早く、

      横方向に水平に、引き抜きます。

    ・ 向こう側から切る。

      左手に糸の端を持ち、他端を右手で持つて、水平にした糸を、向こう側から、ガイドに当てます。

      右手を、轆轤の回転に合わせ、約90度巻き付け、手を離します。

      糸が1回転強したら、左手を素早く、左横方向に、水平に引き抜きます。

   b) 切断する底の面積が、広い場合

     底の面積が広いと、作品の、口縁が「歪み」ます。

     出来るだけ、不必要な底面脇の土は、取り除き、細くすると、「歪み」は、少なくなります。

     後で削るからと、この作業を省略しない事です。

   c) 轆轤上から、作品を取上げる際、作品の底部の脇を、じゃんけんの「ちょき」を上向きにし、

      両手で取上げます。

      その際、指は出来るだけ、水平にし、手が作品の脇や、口に振れない様に、両手で、

      挟み込みます。若干手前に倒す様にして、取上げ、板(手板)に載せます。

      挽き経ての作品は、土が軟らかいですから、注意しても、変形し易いです。

    d) 「歪み」は腰で直す。

      取り上げた作品の縁が、歪んだ場合、歪んだ縁を、直接、直すのではなく、作品の腰を、

      両手で軽く押さえて、直します。一度で直ない場合には、数度繰り返します。
   
      出来れば、手轆轤の上に載せ、回転させて、色々な方向から、見て「歪み」がない様にします。

以下、次回 Ⅶ) その他の原因(回転スピード、土の伸ばし方など) について述べます。

作品の振れ 作品の歪み
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