茶入れは、小さな陶器の蓋物ですが、鑑賞する部分も多く、それが価値の源に、なっています。
貴重な茶入れは、宝物の様に扱われ、一般には、触る事は勿論、目で見る機会も、少ない様です。
茶道具の中に「大名物」「名物」「中興名物」と言った物があります。
・ 「大名物」は利休以前、ほとんどが「東山御物」と呼ばれる、足利義政ごろの道具で、
「対明貿易」をしていた時代で、「唐物」とされています。
・ 「名物」は時代が下り、「利休」の「目利(めきき)」により、「唐物」とされ見い出された物が
多い様です。
・ 「中興名物」は、小堀遠州が見い出した物と、言われていますが、瀬戸茶入を初めとする
「和物茶入」の方が、多く取り入れられています。
これらの詳細は、後日述べる予定です。
前置きが、長くなりましたが、今日の本題に入ります。
茶入れの名称
鑑賞する部分が多い、茶入れには、見所の各部分に、名前が付けられています。
① 口造り: 口縁部分が、外側に反った形をしています。これを捻(ひねり)り返しと、言います。
② 首から肩: 首の部分を甑(こしき)と言い、首と肩の境を、甑際(こしきぎわ)と、呼びます。
③ 肩、胴、胴筋(胴紐): 首の下から、順に肩、胴と呼び、胴の中ほどに、凹んだ筋(胴筋)や、
凸状に、細い紐が巻かれた、胴紐が有ります。
④ なだれ: 釉薬が二重に掛けられ、上釉が垂れている様子を、「なだれ(釉)」と言います。
⑤ 釉際(くすりぎわ): 掛けられた釉の、最以下段を、釉際と呼びます。
⑥ 露: 釉際の垂れた、釉溜まりを、露(つゆ)と言います。
⑦ 土見: 釉が掛かっていない、釉際以下の部分を、土見(つちみ)又は、単に土と、言います。
⑧ 畳付: 茶入れの、底の部分の事で、盆付(ぼんつき)と呼ぶ事も、有ります。
・ 底には、板起し底と、糸切底が有ります。
) 板起し底(大名物底): 手捻りで、紐造りによる、成形の物です。
挙げ底で、底が「ざらつき」、底周りが削られています。大名物に、多く見られる形です。
) 糸切り底: 轆轤成形後、轆轤上で、回転させながら、糸で切り離した物です。
底面に、切った痕が出来ます。ここも鑑賞の、ポイントと、成ります。
底の糸切は、右に流れている物を、順糸切、左に流れている物を、逆糸切と呼びます。
原則として、和物は右、唐物は左です。
(これは、轆轤の回転方向で、決まります。即ち、我が国では、右回転、中国では、左回転の為、
切り口に、差が出ます。) その他、輪糸切、渦糸切などがあります。
⑨ 景色: 釉の垂れや、釉の変化など、変化や面白味の有る所を、景色(又は、単に景)と言い、
珍重されます。 景色の良い部分を、茶入れの、正面にします。
以下、次回に続きます。
茶入れ 各部の名称
貴重な茶入れは、宝物の様に扱われ、一般には、触る事は勿論、目で見る機会も、少ない様です。
茶道具の中に「大名物」「名物」「中興名物」と言った物があります。
・ 「大名物」は利休以前、ほとんどが「東山御物」と呼ばれる、足利義政ごろの道具で、
「対明貿易」をしていた時代で、「唐物」とされています。
・ 「名物」は時代が下り、「利休」の「目利(めきき)」により、「唐物」とされ見い出された物が
多い様です。
・ 「中興名物」は、小堀遠州が見い出した物と、言われていますが、瀬戸茶入を初めとする
「和物茶入」の方が、多く取り入れられています。
これらの詳細は、後日述べる予定です。
前置きが、長くなりましたが、今日の本題に入ります。
茶入れの名称
鑑賞する部分が多い、茶入れには、見所の各部分に、名前が付けられています。
① 口造り: 口縁部分が、外側に反った形をしています。これを捻(ひねり)り返しと、言います。
② 首から肩: 首の部分を甑(こしき)と言い、首と肩の境を、甑際(こしきぎわ)と、呼びます。
③ 肩、胴、胴筋(胴紐): 首の下から、順に肩、胴と呼び、胴の中ほどに、凹んだ筋(胴筋)や、
凸状に、細い紐が巻かれた、胴紐が有ります。
④ なだれ: 釉薬が二重に掛けられ、上釉が垂れている様子を、「なだれ(釉)」と言います。
⑤ 釉際(くすりぎわ): 掛けられた釉の、最以下段を、釉際と呼びます。
⑥ 露: 釉際の垂れた、釉溜まりを、露(つゆ)と言います。
⑦ 土見: 釉が掛かっていない、釉際以下の部分を、土見(つちみ)又は、単に土と、言います。
⑧ 畳付: 茶入れの、底の部分の事で、盆付(ぼんつき)と呼ぶ事も、有ります。
・ 底には、板起し底と、糸切底が有ります。
) 板起し底(大名物底): 手捻りで、紐造りによる、成形の物です。
挙げ底で、底が「ざらつき」、底周りが削られています。大名物に、多く見られる形です。
) 糸切り底: 轆轤成形後、轆轤上で、回転させながら、糸で切り離した物です。
底面に、切った痕が出来ます。ここも鑑賞の、ポイントと、成ります。
底の糸切は、右に流れている物を、順糸切、左に流れている物を、逆糸切と呼びます。
原則として、和物は右、唐物は左です。
(これは、轆轤の回転方向で、決まります。即ち、我が国では、右回転、中国では、左回転の為、
切り口に、差が出ます。) その他、輪糸切、渦糸切などがあります。
⑨ 景色: 釉の垂れや、釉の変化など、変化や面白味の有る所を、景色(又は、単に景)と言い、
珍重されます。 景色の良い部分を、茶入れの、正面にします。
以下、次回に続きます。
茶入れ 各部の名称
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