茶陶について、述べて参りましたが、最後に「茶入れ」に付いて、お話ししたいと思います。
・ 茶入れとは、お濃茶用の抹茶を入れる、陶磁器製の、小さな蓋付きの、容器です。
・ 薄茶用の茶入れは、一般に木地物(塗り物)の、棗(なつめ)を使用します。
現在は、薄茶が、多い様ですので、陶磁器製の茶入れが、登場する機会も、少なく
なってきました。
茶入れは、茶の湯発生時より、現在までも、茶道具の筆頭として、貴ばれています。
・ 茶入は、単に茶道具として、扱われただけでなく、一国一城に、匹敵する程の、価値を持つ、
貴重な物であり、時には、家柄や権力の象徴を、表す物と、考えられていました。
尚、茶入れの容器に、茶壷が有りますが、これは茶葉を入れる物で、葉茶壷(又は大壷)とも呼ばれ、
現在ではほとんど、使用されず、茶会の飾りとして、見る事が有が、ある程度です。
1) 唐物と和物、及び島物
① 茶入れは、古来より、和物より唐物(中国製)が、上位に置かれています。
中国の漢の時代に作られた、漢作茶入れで、室町時代から、大名物(おおめいぶつ)の類が、
多く知られています。
元々は、薬味入や、香料入などに、使用されていた容器を転用して、貴重品であった、
茶を入れた物と、考えられます。
② 和物茶入れには、瀬戸焼と、国焼に大別されます。
瀬戸茶入れが、本家で、他の窯で焼かれた物は、脇の意味で、国焼きと呼びます。
・ 「国焼」として「高取」「薩摩」「上野」「唐津」「膳所」「志戸呂」等や「六古窯」の「丹波」
「伊賀」「備前」「信楽」等の他、「仁清」にも名品があります。
・ 作陶器を指導したとされる人物の、名を取り「利休」「織部」「宗伯」「鳴海」「正意」があり、
瀬戸茶入れには、「瀬戸十作」「瀬戸六作」と呼ばれる作家が、活躍したとも言われています。
③ 島物は、南蛮貿易などにより、東南アジア、南中国、ルソン、琉球などから、輸入された容器を
茶入として、採り上げた物を言います。
2) 唐物茶入れの種類: 形によって、名前が付けられています。
茄子(なす)、大肩衝(かたつき)、文琳(ぶんりん=りんご型)、丸壷(首がやや長い)、
大覚寺手(だいかくじて)、大海(だいかい=口が大きい)、内海(うちうみ、うつみ=口が広い)、
口広手(くちひろで=大海の様で、胴が高い)、鶴首、尻膨(しりふくら)、瓢箪(ひょうたん)、
鮟鱇(あんこう=口が大きく漏斗状)、文茄(ぶんな=文琳と茄を合わせた形)、瓶子、水滴、
湯桶(ゆとう)、底面手(そこめんて)、寸切(すんぎり)、頭切(ずんぎり)、南瓜(あこだ)、
瓜茶入(うりちゃいれ)、擂座(るいざ=首周りに、粒がついている)などが、有ります。
・ この中で、茄子、肩衝、文琳、丸壷が特に、珍重されます。
3) 和物、瀬戸茶入れの種類(分類)
瀬戸茶入れは、古瀬戸(春慶手を含む)、真中古(まちゅうこ)、金華山、破風窯に分類さ、
これを、窯分と言います。更に、細かく分類されます。(この件については、後でお話します。)
以下、次回に続きます。
茶入れ
・ 茶入れとは、お濃茶用の抹茶を入れる、陶磁器製の、小さな蓋付きの、容器です。
・ 薄茶用の茶入れは、一般に木地物(塗り物)の、棗(なつめ)を使用します。
現在は、薄茶が、多い様ですので、陶磁器製の茶入れが、登場する機会も、少なく
なってきました。
茶入れは、茶の湯発生時より、現在までも、茶道具の筆頭として、貴ばれています。
・ 茶入は、単に茶道具として、扱われただけでなく、一国一城に、匹敵する程の、価値を持つ、
貴重な物であり、時には、家柄や権力の象徴を、表す物と、考えられていました。
尚、茶入れの容器に、茶壷が有りますが、これは茶葉を入れる物で、葉茶壷(又は大壷)とも呼ばれ、
現在ではほとんど、使用されず、茶会の飾りとして、見る事が有が、ある程度です。
1) 唐物と和物、及び島物
① 茶入れは、古来より、和物より唐物(中国製)が、上位に置かれています。
中国の漢の時代に作られた、漢作茶入れで、室町時代から、大名物(おおめいぶつ)の類が、
多く知られています。
元々は、薬味入や、香料入などに、使用されていた容器を転用して、貴重品であった、
茶を入れた物と、考えられます。
② 和物茶入れには、瀬戸焼と、国焼に大別されます。
瀬戸茶入れが、本家で、他の窯で焼かれた物は、脇の意味で、国焼きと呼びます。
・ 「国焼」として「高取」「薩摩」「上野」「唐津」「膳所」「志戸呂」等や「六古窯」の「丹波」
「伊賀」「備前」「信楽」等の他、「仁清」にも名品があります。
・ 作陶器を指導したとされる人物の、名を取り「利休」「織部」「宗伯」「鳴海」「正意」があり、
瀬戸茶入れには、「瀬戸十作」「瀬戸六作」と呼ばれる作家が、活躍したとも言われています。
③ 島物は、南蛮貿易などにより、東南アジア、南中国、ルソン、琉球などから、輸入された容器を
茶入として、採り上げた物を言います。
2) 唐物茶入れの種類: 形によって、名前が付けられています。
茄子(なす)、大肩衝(かたつき)、文琳(ぶんりん=りんご型)、丸壷(首がやや長い)、
大覚寺手(だいかくじて)、大海(だいかい=口が大きい)、内海(うちうみ、うつみ=口が広い)、
口広手(くちひろで=大海の様で、胴が高い)、鶴首、尻膨(しりふくら)、瓢箪(ひょうたん)、
鮟鱇(あんこう=口が大きく漏斗状)、文茄(ぶんな=文琳と茄を合わせた形)、瓶子、水滴、
湯桶(ゆとう)、底面手(そこめんて)、寸切(すんぎり)、頭切(ずんぎり)、南瓜(あこだ)、
瓜茶入(うりちゃいれ)、擂座(るいざ=首周りに、粒がついている)などが、有ります。
・ この中で、茄子、肩衝、文琳、丸壷が特に、珍重されます。
3) 和物、瀬戸茶入れの種類(分類)
瀬戸茶入れは、古瀬戸(春慶手を含む)、真中古(まちゅうこ)、金華山、破風窯に分類さ、
これを、窯分と言います。更に、細かく分類されます。(この件については、後でお話します。)
以下、次回に続きます。
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