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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶入れ 1 (形と種類)

2010-07-14 22:02:28 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
茶陶について、述べて参りましたが、最後に「茶入れ」に付いて、お話ししたいと思います。

 ・ 茶入れとは、お濃茶用の抹茶を入れる、陶磁器製の、小さな蓋付きの、容器です。

 ・ 薄茶用の茶入れは、一般に木地物(塗り物)の、棗(なつめ)を使用します。

   現在は、薄茶が、多い様ですので、陶磁器製の茶入れが、登場する機会も、少なく

    なってきました。

 茶入れは、茶の湯発生時より、現在までも、茶道具の筆頭として、貴ばれています。

 ・ 茶入は、単に茶道具として、扱われただけでなく、一国一城に、匹敵する程の、価値を持つ、

   貴重な物であり、時には、家柄や権力の象徴を、表す物と、考えられていました。
  
 尚、茶入れの容器に、茶壷が有りますが、これは茶葉を入れる物で、葉茶壷(又は大壷)とも呼ばれ、

 現在ではほとんど、使用されず、茶会の飾りとして、見る事が有が、ある程度です。

 1) 唐物と和物、及び島物

  ① 茶入れは、古来より、和物より唐物(中国製)が、上位に置かれています。

   中国の漢の時代に作られた、漢作茶入れで、室町時代から、大名物(おおめいぶつ)の類が、

   多く知られています。

   元々は、薬味入や、香料入などに、使用されていた容器を転用して、貴重品であった、

   茶を入れた物と、考えられます。

  ② 和物茶入れには、瀬戸焼と、国焼に大別されます。

    瀬戸茶入れが、本家で、他の窯で焼かれた物は、脇の意味で、国焼きと呼びます。

   ・ 「国焼」として「高取」「薩摩」「上野」「唐津」「膳所」「志戸呂」等や「六古窯」の「丹波」

    「伊賀」「備前」「信楽」等の他、「仁清」にも名品があります。

   ・ 作陶器を指導したとされる人物の、名を取り「利休」「織部」「宗伯」「鳴海」「正意」があり、

     瀬戸茶入れには、「瀬戸十作」「瀬戸六作」と呼ばれる作家が、活躍したとも言われています。

  ③ 島物は、南蛮貿易などにより、東南アジア、南中国、ルソン、琉球などから、輸入された容器を

    茶入として、採り上げた物を言います。

 2) 唐物茶入れの種類: 形によって、名前が付けられています。

    茄子(なす)、大肩衝(かたつき)、文琳(ぶんりん=りんご型)、丸壷(首がやや長い)、

    大覚寺手(だいかくじて)、大海(だいかい=口が大きい)、内海(うちうみ、うつみ=口が広い)、

    口広手(くちひろで=大海の様で、胴が高い)、鶴首、尻膨(しりふくら)、瓢箪(ひょうたん)、

    鮟鱇(あんこう=口が大きく漏斗状)、文茄(ぶんな=文琳と茄を合わせた形)、瓶子、水滴、

    湯桶(ゆとう)、底面手(そこめんて)、寸切(すんぎり)、頭切(ずんぎり)、南瓜(あこだ)、

    瓜茶入(うりちゃいれ)、擂座(るいざ=首周りに、粒がついている)などが、有ります。

   ・ この中で、茄子、肩衝、文琳、丸壷が特に、珍重されます。

 3) 和物、瀬戸茶入れの種類(分類)

    瀬戸茶入れは、古瀬戸(春慶手を含む)、真中古(まちゅうこ)、金華山、破風窯に分類さ、

    これを、窯分と言います。更に、細かく分類されます。(この件については、後でお話します。)


以下、次回に続きます。

  茶入れ
    
   
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