前回に続き、茶の湯の、懐石道具の、焼物鉢について、述べます。
懐石料理は、普通は茶の湯の席で、お茶を頂く前に、出される物です。
茶会の席で、空腹のまま、刺激の強い茶を、飲む事を避け、茶を美味しく味わう上で、差し支えのない
程度の和食料理が、供されます。
・ 一汁三菜が、基本に成りますが、一汁三菜とは、ご飯に汁物(味噌汁)、おかず3種
(主菜1品、副菜2品)で、構成された献立です。
・ おかず三品は、膾(なます、生魚を切り刻み、酢で味付けた物)、煮物、焼き物の三品が、基本です。
・ 焼き物とは、食材を焼いて、調理したものです。
焼物には、魚の切り身を、主として用いますが、野菜、鳥肉等も有ります。
その茶事の時期にあって、最も味の良い、旬(しゅん)の物を使うのが、習いとなっています。
魚の場合は、骨を除き、大きさや形も、取り分け易く、食べや易い様に、配慮しています。
・ 懐石料理には、「旬の食材を使う」、「素材の持ち味を活かす」、「親切心や心配りをもって調理する」
と言う、三つの大原則があります。
前置きが長くなりましたが、本日の本題に入ります。
ご存知の様に、備前焼は、無釉の焼締の、陶器です。
釉薬を掛けない器は、窯の中で、燃料である赤松の灰が、自然に掛かり、胡麻(青、黄、カゼ)、
さんぎり、榎肌(えのきはだ)、等の他、火襷、牡丹餅などの装飾が、施され、窯の中の窯変と、
あいまって、味わい深い焼き物と、成っています。
・ 料理は、素材もさる事ながら、見た目の美しさも、大切です。
備前焼は、主張しすぎる事なく、料理を引き立ててくれる、器です。
・ 備前焼の手鉢は、有名で、桃山時代の、名品も残っています。
三日月型や、円形の鉢が多く、把手の断面は、丸又は、平らで、複雑な器形は、ありません。
脚を付けず、「ベタ」が特徴です。
1) 牡丹餅手鉢 桃山時代 径:20.7 X 24.6cm、高さ:5.9cm
形は三日月で、深さは浅く、轆轤挽き後に、変形した様に、見えます。
鉢の中央の縁に、やや平たい把手が、架けられています。
器の内側に、牡丹餅(ぼたもち)が6個あり、赤味が強く出ています。
2) 手桶型鉢 江戸時代 径:23.0 高さ:14.8cm
轆轤で円筒形に挽き、把手を付ける部分の、2ヶ所を残し、他の縁を切り取ります。
残した部分に把手を、差込み、形作っています。やはり、内側に牡丹餅が、付いています。
3) 備前焼の使い方
① 無釉ですので、器肌が滑らかではありません。
その為、食卓や、テーブル等に、傷が付く事があり、敷物を使用する場合も有ります。
② 電子レンジで温める事は、大丈夫ですが、オーブンで温めるのは、極力控えます。
又、直火に掛けないで下さい。急激な温度変化は、「ひび」が入ります。
③ 器を水で濡らすことにより、油分や臭いの付着を防ぎます。出来れば10~15分程、
水に漬けて置きます。
又、色が鮮やかになり、美しく見えますので、料理を盛り付ける時に、最低でも、
さっと水に濡らし、簡単に拭いてから、料理を盛って下さい。
④ 万一、器が水漏れする場合は、米ぬかに浸して1~2晩おくか、漏れの箇所に米粒を塗り
潰してみてください。
⑤ 使用後(収納前)は、洗剤で洗う必要はありません。
水洗いで、汚れをキレイに洗い流し、しっかりと乾かす事が重要です。
良く乾燥させないと、カビや嫌な臭いの原因となります。
⑥ 油もの、しつこい汚れ、嫌な臭いがする時は、洗剤又は、漂白剤を使って洗います。
これで、ほとんどの臭いや、カビを綺麗に取ることが出来ます。
⑦ 備前焼の器は、使い込む程に、表面の細かい角が取れ、色合いも、柔らかく成ります。
⑧ 尚、新品の食器を、最初に使用する時は、一度煮沸すると、器が丈夫になります。
・煮沸(湯煮)の仕方は、陶器を、水をたっぷり入れた、鍋の中に完全に沈めて、
水より焚き始めます。10分間程度沸騰させます。自然に冷ましてから、取り出します。
以下次回、(焼物鉢、古染付)に、続きます。
懐石料理は、普通は茶の湯の席で、お茶を頂く前に、出される物です。
茶会の席で、空腹のまま、刺激の強い茶を、飲む事を避け、茶を美味しく味わう上で、差し支えのない
程度の和食料理が、供されます。
・ 一汁三菜が、基本に成りますが、一汁三菜とは、ご飯に汁物(味噌汁)、おかず3種
(主菜1品、副菜2品)で、構成された献立です。
・ おかず三品は、膾(なます、生魚を切り刻み、酢で味付けた物)、煮物、焼き物の三品が、基本です。
・ 焼き物とは、食材を焼いて、調理したものです。
焼物には、魚の切り身を、主として用いますが、野菜、鳥肉等も有ります。
その茶事の時期にあって、最も味の良い、旬(しゅん)の物を使うのが、習いとなっています。
魚の場合は、骨を除き、大きさや形も、取り分け易く、食べや易い様に、配慮しています。
・ 懐石料理には、「旬の食材を使う」、「素材の持ち味を活かす」、「親切心や心配りをもって調理する」
と言う、三つの大原則があります。
前置きが長くなりましたが、本日の本題に入ります。
ご存知の様に、備前焼は、無釉の焼締の、陶器です。
釉薬を掛けない器は、窯の中で、燃料である赤松の灰が、自然に掛かり、胡麻(青、黄、カゼ)、
さんぎり、榎肌(えのきはだ)、等の他、火襷、牡丹餅などの装飾が、施され、窯の中の窯変と、
あいまって、味わい深い焼き物と、成っています。
・ 料理は、素材もさる事ながら、見た目の美しさも、大切です。
備前焼は、主張しすぎる事なく、料理を引き立ててくれる、器です。
・ 備前焼の手鉢は、有名で、桃山時代の、名品も残っています。
三日月型や、円形の鉢が多く、把手の断面は、丸又は、平らで、複雑な器形は、ありません。
脚を付けず、「ベタ」が特徴です。
1) 牡丹餅手鉢 桃山時代 径:20.7 X 24.6cm、高さ:5.9cm
形は三日月で、深さは浅く、轆轤挽き後に、変形した様に、見えます。
鉢の中央の縁に、やや平たい把手が、架けられています。
器の内側に、牡丹餅(ぼたもち)が6個あり、赤味が強く出ています。
2) 手桶型鉢 江戸時代 径:23.0 高さ:14.8cm
轆轤で円筒形に挽き、把手を付ける部分の、2ヶ所を残し、他の縁を切り取ります。
残した部分に把手を、差込み、形作っています。やはり、内側に牡丹餅が、付いています。
3) 備前焼の使い方
① 無釉ですので、器肌が滑らかではありません。
その為、食卓や、テーブル等に、傷が付く事があり、敷物を使用する場合も有ります。
② 電子レンジで温める事は、大丈夫ですが、オーブンで温めるのは、極力控えます。
又、直火に掛けないで下さい。急激な温度変化は、「ひび」が入ります。
③ 器を水で濡らすことにより、油分や臭いの付着を防ぎます。出来れば10~15分程、
水に漬けて置きます。
又、色が鮮やかになり、美しく見えますので、料理を盛り付ける時に、最低でも、
さっと水に濡らし、簡単に拭いてから、料理を盛って下さい。
④ 万一、器が水漏れする場合は、米ぬかに浸して1~2晩おくか、漏れの箇所に米粒を塗り
潰してみてください。
⑤ 使用後(収納前)は、洗剤で洗う必要はありません。
水洗いで、汚れをキレイに洗い流し、しっかりと乾かす事が重要です。
良く乾燥させないと、カビや嫌な臭いの原因となります。
⑥ 油もの、しつこい汚れ、嫌な臭いがする時は、洗剤又は、漂白剤を使って洗います。
これで、ほとんどの臭いや、カビを綺麗に取ることが出来ます。
⑦ 備前焼の器は、使い込む程に、表面の細かい角が取れ、色合いも、柔らかく成ります。
⑧ 尚、新品の食器を、最初に使用する時は、一度煮沸すると、器が丈夫になります。
・煮沸(湯煮)の仕方は、陶器を、水をたっぷり入れた、鍋の中に完全に沈めて、
水より焚き始めます。10分間程度沸騰させます。自然に冷ましてから、取り出します。
以下次回、(焼物鉢、古染付)に、続きます。
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