釉薬は、焼成するとガラス質に成ります。 それ故、原料はガラスを構成する物質に成ります。
灰を使った釉薬は、変化が大きい(一定しない)為、工業(量産)的な作品には、余り使用さず、
その変化が、逆に面白味となる為、陶芸作家と言われる方が、好んで使う傾向に有ります。
1) 釉薬の起源である灰釉の原料、灰(草、木灰)から、お話したいと思います。
灰は、木を焼いた灰と、草(特に稲科の植物)を焼いた灰に、分かれます。
① 木灰類について
・ 灰の種類は、非常に多く、木の種類、産地、生育する場所、伐採した時の季節、
部位(幹、枝、葉、樹皮、根)、木の老若などによって、その性質(成分)が、違います。
・ 幹には、珪酸が、枝、葉、樹皮には、石灰分が、根には、燐酸が比較的多く含まています。
・ 木灰は、木の種類によって、松、杉、樫、楢、椚(くぬぎ)、栗皮(樹皮)、椿、橙、いす灰、
などが有り、更に、囲炉裏や、昔の「かまど」にある雑木の灰=土灰(どばい)が、有ります。
・ 木灰は、石灰成分が20~50%含まれ、珪酸が30%前後、他に鉄分、マグネシュウム(M g)
マンガン(M n)、カリウム(K)、燐(P)酸など、各種アルカリ類を多く含んでいます。
・ 自分で灰を作る事も出来ますが、各種灰が市販されています。
・ 市販の灰も、自然の灰と、合成灰があります。
前述の様に、同じ木灰でも、色々な条件によって、品質が一定(安定)しません。
それ故、常に安定した釉薬を作りたい場合、合成の灰が適します。
(勿論、合成灰の方が安価です)
・ 灰を自作する場合:
草木を焼くと、かなりの量の炭素分が、残ります。なるべく白くなるまで燃やして下さい。
良く炭化した物を、乳鉢(少量の場合)や臼(大量)で、細かくし、何度も水に浸して、
アルカリ分(水溶性)捨て、乾燥後、篩に掛けて燃えカスや、不純物を取り除きます。
・ 当然ですが、灰を作るには、その元と成る材料が、大量に要ります。
元の量の1/1000以下に成る事も有ります。材料を手に入れるだけでも大変です。
② 草灰について
・ 藁灰など稲科の植物の灰は、70~80%程度の珪酸を含みます。
それ故、この釉薬は乳濁し易く、藁白、糠白など白い釉薬を作る際使用します。
・ 藁灰の他に、籾殻(もみがな)灰、糠(ぬか)灰などがあります。
・ 蛇足ですが、藁灰などは、生の灰は真っ黒です。焼成すると真っ白に焼き上がります。
③ その他の灰について
基本的には、どんな灰でも、釉薬の材料に成ります。
(それが、使い物に成るかは、別にしての話ですが・・)
・ 茶の木、柚子(ゆず)の木、みかんの木、古材の灰など
・ 緑茶(葉)の灰、コーヒーの灰、線香の灰、火山灰、新聞紙や古紙の灰など
・ その他、邪道ですが、素焼した物に、直接マヨネーズや、靴墨などを塗り、焼成しても
それらが灰なり、薄く色が出ます。
以下次回に続きます。
灰を使った釉薬は、変化が大きい(一定しない)為、工業(量産)的な作品には、余り使用さず、
その変化が、逆に面白味となる為、陶芸作家と言われる方が、好んで使う傾向に有ります。
1) 釉薬の起源である灰釉の原料、灰(草、木灰)から、お話したいと思います。
灰は、木を焼いた灰と、草(特に稲科の植物)を焼いた灰に、分かれます。
① 木灰類について
・ 灰の種類は、非常に多く、木の種類、産地、生育する場所、伐採した時の季節、
部位(幹、枝、葉、樹皮、根)、木の老若などによって、その性質(成分)が、違います。
・ 幹には、珪酸が、枝、葉、樹皮には、石灰分が、根には、燐酸が比較的多く含まています。
・ 木灰は、木の種類によって、松、杉、樫、楢、椚(くぬぎ)、栗皮(樹皮)、椿、橙、いす灰、
などが有り、更に、囲炉裏や、昔の「かまど」にある雑木の灰=土灰(どばい)が、有ります。
・ 木灰は、石灰成分が20~50%含まれ、珪酸が30%前後、他に鉄分、マグネシュウム(M g)
マンガン(M n)、カリウム(K)、燐(P)酸など、各種アルカリ類を多く含んでいます。
・ 自分で灰を作る事も出来ますが、各種灰が市販されています。
・ 市販の灰も、自然の灰と、合成灰があります。
前述の様に、同じ木灰でも、色々な条件によって、品質が一定(安定)しません。
それ故、常に安定した釉薬を作りたい場合、合成の灰が適します。
(勿論、合成灰の方が安価です)
・ 灰を自作する場合:
草木を焼くと、かなりの量の炭素分が、残ります。なるべく白くなるまで燃やして下さい。
良く炭化した物を、乳鉢(少量の場合)や臼(大量)で、細かくし、何度も水に浸して、
アルカリ分(水溶性)捨て、乾燥後、篩に掛けて燃えカスや、不純物を取り除きます。
・ 当然ですが、灰を作るには、その元と成る材料が、大量に要ります。
元の量の1/1000以下に成る事も有ります。材料を手に入れるだけでも大変です。
② 草灰について
・ 藁灰など稲科の植物の灰は、70~80%程度の珪酸を含みます。
それ故、この釉薬は乳濁し易く、藁白、糠白など白い釉薬を作る際使用します。
・ 藁灰の他に、籾殻(もみがな)灰、糠(ぬか)灰などがあります。
・ 蛇足ですが、藁灰などは、生の灰は真っ黒です。焼成すると真っ白に焼き上がります。
③ その他の灰について
基本的には、どんな灰でも、釉薬の材料に成ります。
(それが、使い物に成るかは、別にしての話ですが・・)
・ 茶の木、柚子(ゆず)の木、みかんの木、古材の灰など
・ 緑茶(葉)の灰、コーヒーの灰、線香の灰、火山灰、新聞紙や古紙の灰など
・ その他、邪道ですが、素焼した物に、直接マヨネーズや、靴墨などを塗り、焼成しても
それらが灰なり、薄く色が出ます。
以下次回に続きます。