わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉の話 29 (顔料2)

2010-04-02 21:35:29 | 釉薬の調合と釉を掛ける
顔料の話を続けます。

 ③ 黄色系顔料

   )黄色

     酸化ジルコニウム:87.0  酸化チタン:1.5、 水酸化バナジウム:11.5 (湿式、SK-8~9)

   )卵黄色

     鉛丹:66、 酸化アンチモン:27、 酸化錫:7、(湿式、1000℃)

 ④ 赤色、ピンク色系顔料

   ) 赤色

     a) 酸化錫:78、 石灰石:20、 重クロム酸カリ:1.9

     (酸化錫と石灰石を、乾式混合後、熱水に溶かした、カリ溶液を添加し混合後、1000℃で焼成し、

     焼成物は、黄色水が出なくなるまで、水洗い)

     b) 酸化錫:60、石灰石:40の白色顔料に、下記の)暗赤色顔料を、1:1の割合で

      湿式、1000℃で焼成

    ) 暗赤色 

      酸化錫:63.3、 石灰石:31.7、 重クロム酸カリ:5.0

      (混合方法は、上記と同じ)

    ) ピンク色

     a) 上記)-b)の白色顔料1に対して、上記)暗い赤色を8:2の割合で、湿式1000℃焼成

     b) アルミナピンク

        水酸化アルミニウム:48、 亜鉛華:46、 重クロム酸カリ:6

        (前者二種を乾式混合後、カリを熱水に熔かし、混合後1000℃で焼成)

 ⑤ 白色系顔料

    ) 酸化錫:40、 石英:40、 石灰石:20、(湿式、1000℃)

    ) 酸化ジルコニウム:60、  石灰石:40、 (乾式、1180℃)

 ⑥ 菫(すみれ)色系顔料

    ) 菫色

       酸化錫:89.9、 硼酸:8.9、 酸化コバルト:0.9、 クロム酸鉛、赤色:1.9

      (乾式、1150℃)

    ) 暗菫色

       酸化錫:44.3、 石灰石:27.7、 石英:19.9、 硼砂:4.4、 重くロム酸カリ:1.1、

       炭酸コバルト:2.6 (カリを除き、乾式混合、カリの熱水溶液を混合後、1200℃)

    ) 薄紫色

     a) 酸化錫:99.1、 硼酸:9.0、 クロム鉛黄色:0.9 (湿式、濡れた状態で、1000℃)

     b) 酸化錫:62.4、 石灰石:31.2、 硼酸:6.2、 クラム酸鉛赤色:0.15
       (処理は、上記と同じ)

     c) 酸化錫:88.9、 硼酸:8.9、 クロム酸鉛黄色:1.3、 酸化コバルト:0.9 

       (処理は、上記と同じ)

 ⑦ 緑系顔料

   )クロム緑: 酸化クロム:66.7、 カオリン:33.3 (乾式、1,200℃)

   )緑青: カオリン:66.7、 酸化コバルト:27.7、 酸化クロム:5.6(湿式、1050℃)

   )青緑: 酸化クロム:50.6、 炭酸コバルト:9.9、 亜鉛華:13.6、水酸化アルミニウム:25.9

     (湿式、1,200℃)
   
   ) 葉緑色: 酸化ジルコニウム:65.0、 石英:18.5、 水酸化バナジウム:15.0、 

      酸化チタン:8.3、(湿式、1,200℃)

 ⑧ 灰色系顔料

   ) 灰色: 酸化錫:95.9、 酸化アンチモン:4.1 (乾式、1250℃)

   ) 灰緑: 酸化錫:90.55、 酸化マンガン:4.32 、酸化鉄:3.23、 酸化銅:1.60、

      酸化コバルト:0.30 (乾式、1000℃)

尚、原材料が、手に入り難い物も、あるかも知れません。

細かい数字は、各自試験(テスト)を繰り返して、決めて下さい。  

以上で顔料の調合例を、終わります。

以下次回に続きます。
   
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