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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

骨董入門 10 (希少価値)

2011-01-24 21:51:48 | 縄文土器の話、骨董の話
骨董品は、古い時代に作られた、日用品が主な物ですので、時代の変化によって、その物が、使われなく

成り、更には、作られなく成ります。又、残っていても、不用品として、処分される運命に有ります。

それ故、後世になれば、成る程、作品の数は、減少して行くのは、やむをえません。

 一般に、数が少ない物程、価格が上昇しますが、必ずしも、当てはまらない事も、有ります。

 当然ですが、需要と供給の関係で、需要(欲しがる人)が、少ない物は、幾ら数が少なくとも、価格は、

 高くなりません。

 又、価格が安定し、需要を喚起する為には、ある一定数の、作品の存在が、必要に成ります。

 世界に真作が、数点又は、数十点しか存在し無い物は、骨董の世界で、広く流通する事は、ありません。

 この様な作品は、限られた愛好家や、美術館などのみで、売買され、一般には程遠い、存在です。

1) そば猪口

   前にお話した様に、染付けの「そば猪口」は、長年に渡り、数多く焼かれていて、現在でも大量に

   存在している為、誰でも購入可能な値段で、選ぶ事が出来ます。

2) 北大路廬山人は、料理家と同時に、陶芸家でも有ります。彼の作品が、近年特に好まれ、以前よりも、

   骨董価値が、上昇しています。

   廬山人は、生涯に10万点を超える数の、食器類を製作したと、言われています。

   (但し、全てを一人で、製作した訳ではなく、職人を指導して作らせ物が、多いです。)

   現在、廬山人の食器は、大変人気のある作品です。この多数の作品群が、骨董を蒐集するのに適し、

   ある程度の代価で、手に入れる事が可能です。 それ故、数の多さが、彼の作品の評価を、高める

   結果になり、彼の作品の価値を、高めています。

3) 古九谷などは、作品が少なく、希少価値があり、かなりの高価で、取り引き、されていますが、

   実際には、真作でも、数万個以上、存在するそうです。それ故、骨董市場に、流通する事に成ります。

4) 板谷波山の様に、精巧な作品を、手間隙掛けて、一点一点仕上げた作品は、数も少なく、骨董市場で

   流通する事は、ほとんどありえません。即ち、需要は有っても、商売には、成らないのです。

以上の様に、作品の希少性が、必ずしも、価格を引き上げるとは、限りません。

ある量の、作品が存在する事が、価格が安定し、多くの骨董趣味の人の、需要を喚起する事に成ります。
 
又、真作の作品が、多く残っている物では、贋作する必要もなく、贋作も少ないはずです。

逆に、作品の数が少ない、作家の作品では、贋作を作っても、見破られる事が多くなり、やはり、贋作は

少ないと、思われます。

 以下次回に続きます。

 骨董の希少性
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