わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器の絵付け 4(下絵付)

2010-01-06 23:09:40 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
④ 「絵付けの技法 」の話を続けます。

 ) 転写 : 絵柄を印刷したシート(転写紙)を、水で素地に貼り付け、絵柄のみを、転写し、

    施釉後、焼成する方法 です。

  ・ 色々の模様や、色彩の、転写紙が市販されています。

  ・ 取り扱いも簡単で、失敗も少なく、綺麗な模様を、付ける事が、可能です。

    (勿論、自分のオリジナルの模様を、印刷してくれる所も、有ります。)

  ・ 同じ模様の数物や、細かい模様、手で描くには、不可能な模様などに、使うと、便利です。

  a)  転写紙の使い方、

   イ)  転写紙を選び、鋏(はさみ)で、必要な大きさに切ります。

   ロ) 切った転写紙を、素焼した作品に当て、位置を決めます。

    ・ 注意: 印刷の濃い方を、素焼面に押し当てます。

   ハ) 緩く絞った、スポンジで、紙を押すように、全体を濡らします。

   ニ) 水気が無くなたったら、紙の端を、少しめくり、転写が出来ているかを、確認します。

   ホ) 転写が出来ていれば、ゆっくり紙を、剥がします。

      不完全な場合には、めくった端を、元に戻し、更に水を付けて、濡らします。

   尚、素地表面が粗い場合や、表面が凸凹した物には、上手に転写できません。

  b) 転写紙の取り扱いの注意

   イ) 転写紙は、貼り付ける直前までは、絶対、濡らさないで下さい。濡れた手で、触らない事です。

      濡らすと、絵柄が、紙から剥がれたり、位置がずれたりします。

   ロ) 一度貼った転写部分に、重ねて、転写紙で転写する事は、可能ですが、慎重に作業しないと、

      失敗します。

   ハ) 転写後の紙は、必ず、取り除いてください。取り忘れると、その部分に、釉が掛かりません。


 ) 和紙染め

    和紙染めとは、切ったり、千切ったりした紙(和紙)を、素焼した素地に載せ、上側から、

    呉須などを、紙を透して、下の素地に、紙の形を、色付けする方法です。

  a) 和紙染めの方法

   イ) 絵柄を考える。

      最初は、細かい模様を避け、単純な形などで、ある程度面積のある、絵柄が良いです。
                  
   ロ) 絵柄を、和紙に書き、はさみで切ったり、手で千切ったりします。

      和紙を千切ると、周囲が毛羽たち、これがそのまま、表現されます。

   ハ) 素焼した器に、切った和紙を載せます。
  
   ニ) 筆で絵具を和紙に、染み込ませます。

      絵の具が、紙を透して、素地に移ります。

   ホ) 和紙を、剥がします。
    
      この時、紙は素地に、吸い付いています。ピンセットを使って、慎重に剥がします。 
            
   ヘ) 素地に十分、絵の具が、乗っていない場合には、筆で書き足たり。逆にはみ出した場合は、

     針で掻き落として、修正します。

   尚、 切った和紙を、水に付けた後、素地に貼り付け、やや乾燥後、外から絵の具を付ける方法が、

      有ります、この方が、途中で紙が動くのを、防ぐ効果が、あります。

 「和紙染め」の話は、次回に続きます。

 転写紙の利用

 和紙染め
コメント
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