わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

教程13-2 (環作り)

2008-11-20 22:43:30 | 教程 (陶芸全般を学ぶ)
今回は、ロクロによる、特殊な作り方の2回目、環作り(又は管作り)に付いて述べます。

太い環を作るのは、それなりの技術が必要ですので、最初は断面の直径が、5cm程度の

太さの環を作ります。

 完全な環はそのままでは、使えませんから、どこかに穴を開けて使う事に成ります。

 又、環を寝かせたり、立てたりして使い、更に環の一部を切り開き、「Uの字」型にして使う

 事も出来、更に環を幾つかに分割して、組み合わせて使う事も可能です。

 ・ 要は、どのように使うかは、ご自分で考えて、趣のある作品を作って下さい。


では本題に入ります。

 1) 菊練した土を、ドーナツ状に作ります。

  ① 径は、自由に決めてください。

  ② 紐状にした土の両端を合わせて、ドーナツを作る場合、注意する事は、合わせ目に空気が

    入らない様にする事です。

    出来れば、一塊の土の真ん中に穴を開け、ドーナツを作る事を勧めます。

  ③ 太さを揃えた方が、後の作業が楽に成ります。

 2) ロクロ上に、このドーナツを載せ、綺麗な円を出します。

  ① ドーナツを上から軽く叩き、ロクロに密着させます。

  ② 手又は濡れた布切れで、内外上の3方向を押さえ込み。太さを揃え、綺麗な円を出します。

 3) ドーナツの太さの中央を、指で溝を掘ります。

  ① 内外の土の割合は、内側をやや多目に取る様にします。

    (遠心力が働き、環に接合する時に、内側の土を高くした方が、作業し易いです。)

  ② 底の厚みは5mm程度にし、 底の形は、「Uの字」型にします。

  ③ 溝の径は、指1、2本が入る程度にし、余り拡げ無い様にします。

 4) 内側及び外側の土を、上に延ばします。

  ① 先に内側の土を延ばします。内側から作業した方が楽です。

  ② 次に外側の土を延ばします。

 5) 形を作る

  ① 内側の土を中央(内側)に拡げ、半丸の形にします。

  ② 次に外側の土を、内側の半丸に向かう合う様に、丸く拡げます。

 6) 円を閉じる

  ① 内側の土が若干多くなっていますので、合わせ目は、やや外側に成ります。

  ② 口の周辺の内、外から、合わせる様に、土を寄せます。

    ・ 土の量にある程度余裕がないと、上手くあわせることは出来ません。

    ・ 内、外の口の高さが、凸凹していると、一箇所は接合出来ますが、全てを均等に

      接合する事は、難しいですので、高さを綺麗に切り揃えます。

  ③ 接合は、一箇所から始まり、ロクロを回転させて行くに従い、少しずつその割合が、

    増えて行き、最後に完全に閉じる事が出来ます。

    (完全に閉じる前に、環の中の水は、拭き取って下さい)

  ④ 空気を完全に閉じ込めると、形を変える事が容易に出来ます。

    ・ 環の断面が、やや高めの楕円、扁平な楕円、場合によっては、おにぎり型、三角形や

      四角形など好みの形に出来ます。

  ⑤ やや乾燥後、糸でロクロより切り離します。

    ・ 径が大きいとき糸が浮き、底に穴が開く場合があります。

      そんな時は、木綿針で環の一部の底に、糸を通し円周に沿って、切り離せば、安全です。

    ・ 適当な時に、針で空気穴を開けます。

 7) 乾燥後、環を伏せて、底の脇を削ります。

    後は、好みの形に、細工して下さい。

  

      

    
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