わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

教程11-2 (徳久利又は花瓶)

2008-11-15 22:37:24 | 教程 (陶芸全般を学ぶ)
前回の続きを述べます。  

ロ) 花瓶を作る。(1kgの土で、作ります。)

   ・ 同じ土の量で、より大きな作品を作る為には、上下2段に分けて作り、ロクロ上で、

     繋げて作ります。

   ・ ロクロでは、高くするのに使う土の量は、幾何級数的に増やさなければなりません。

     即ち土の量が2倍に成ったからと言って、同じ太さの筒の高さが2倍には成りません。

       例として、0.5kgで14cm前後  (ロクロの熟練度によって異なる、以下同じ)

       1kgでは、22cm前後、 2kgでは、30cm前後 となります。

      上の土を支える為に、肉厚な土が必要になるからです。

    ・ それ故 土を少量に分け、各々薄く延ばし、下部の土が乾燥した後、繋ぎ合わせて、

      同じ土の量で、より高い(大きい)作品を作る事が、出来ます。
     
  ではその方法を説明します。  やり方は、二通りあります。

① 1kgの土を、土取りする方法。

   a) 土殺しをした土の、上部約1/3を使い、内側に手が入る太さの筒を、底を抜き、

     出来るだけ、高く挽き上げます。出来た筒は、糸で切り離します。

    ・ 土が濡れているので、取上げ難いです、又円が変形して仕舞いますが、心配要りません。

   b) 残った土(約2/3)で、作品の下部を作ります。

    ・ 出来るだけ薄く、高く筒上に延ばし、形を作ります。

    ・ 口の大きさ(径)を、a)で作った筒の下部の径と、同じにします。

    ・ 下部の大きさは、形によって違いますが、全体の1/2~2/3程度ですので、

      どの高さまで作っているのかを、イメージして下さい。

   c) 下部の作品の口は、乾かない様に、濡れた布を掛けて置き、他の部分を乾燥させます。

    ・ 口が乾燥し過ぎると、上に載せた土と、上手く接着で来ません。

    ・ 又、全体を乾燥し過ぎると、上に載せた後、成型(変形)出来なく成ります。

      ある程度、形が直せる程度の乾燥にします。

   d) 下部の作品の上に、上部の筒状の土を載せます。

    ・ 繋ぎ目は、指で撫ぜ(上からした、下から上へ交互に行う)て消します。

    ・ 上に載る筒の下側の径は、下側の口の内径より、細くなっているはずです。

       この土を、下に滑り降ろし、なるべく内径を揃えます。

   e) 上下を繋げます。

    ・ 小さい布2枚を用意し、各々片手に持ちます。(水切れを防ぐ為)

    ・ ロクロを「ゆっくり」回転し、繋ぎ目の内外側の1cm上から、1cm下まで、

      濡らした布で撫ぜ、「ドベ」を出します。(3回程度)
     
    ・ 回転をやや速くし、更に内外側の手に布を持ったまま、やや力を入れ、撫ぜ降ろし、

      撫ぜ上げを行い、繋ぎ目を無くします。(数回行う)

   f) 最後に全体の形を作ります。

    ・ 上の筒が、変形していたり、傾いているか知れません。

      数度、手を下から上に移動して、綺麗な円にしてから、形を作ります。

    ・ 繋ぎ目の径を拡げても、問題有りません。

    ・ 特に上部の土は、軟らかいので、容易に形を作る事が出来ます。

   尚 花瓶の形を考える時、注意する事は、花の量の問題です。

    ・ 多くの花を生ける場合には、口(又は首)の径を大きくします。

     広い口や首に、少ない花では、花が引き立ちません。

    ・ 少ない花を生けるには、径を小さくします。

 ② 土を最初から分ける方法

   この方法は、次回の教程12(壷)で述べます。

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