わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

教程12-1 (壷)

2008-11-17 22:51:12 | 教程 (陶芸全般を学ぶ)
今回の教程では、壷を作ります。

 壷と花瓶の違いは、花瓶が花を生けると言う、目的が有ります。即ち花に対して脇役です。

 壷は昔は物を入れる、貯蔵する役目が有りましたが、現在では、置物や飾り(美術品)として、

 壷自身、独立した存在として、生活の場に置かれる事が多くなりました。

 又、壷の形は、胴の部分が膨らみ(張り)、一度径を手の入らない程細くします。

  口が狭い形の物と、首を作り、その上の口の径をやや大きくした物があります。

・ 今回は、初めてですので、1kgの土で、壷1個を作りますが、この程度の土では、

  小さな壷しか出来ません。

 小さな壷で、練習したら、ある程度見栄えのする壷にする為に、少なくとも1.5kg、

 出来れば2kg以上で作る事をお勧めします。

では本題に入ります。

 前回の教程で、限られた土の量で、大きな作品を作るには、上下二個に分る方法の一つを

 説明しましたが、今回は別の方法で作ります。

 イ) 壷を作る (土の量1kg使用)

  ① 菊練した土を、最初から2つに分けます。

    上に載せる土の量は、300g~350gにします。残りは下の部分を作ります。

  ② 先ず下の部分から作ります。

   a) 亀板を使う。下の部分に上の部分を載せる際、下の部分がロクロの中心に載っていると、

     上部を上手に繋げる事が出来ます。

     ロクロが2台あれば良いのですが、無い場合は、下部を亀板上で作り、作陶後亀板ごと、

     ロクロより取り外し、ロクロを空けます。

   b)  土を亀板上に据え、いつもの様に土殺し後、土を出来るだけ筒状に、高く挽き上げます。

   c)  更に、胴を膨らませ、その上をやや狭めた形に成型します。

     ・ 注意 胴の一番膨らむ(張った)位置で、上下を繋げる様にすると、繋げた部分の土が、

      上の土の重さを支えきれず、外に張り出し易く、形も崩れ易くなります。

   d) 口の肉厚をやや厚くし、糊しろ部分を多く取ります。

     口径を測り、亀板をロクロから取り除きます。

     口が乾かない様に、濡れた布切れを掛け、その他は乾燥させます。

     ・ 亀板から作品を、切り離さない事。

  ③ 上の部分を作る。作り方は二通り有ります。

     口を上向きに作る方法と、口を下向き(逆さま)に作る方法です。

   a) 口を上向きに作る。

     利点は、底の部分が肉厚になり、糊しろ部分が十分出来る事と、載せた時の形のイメージが、

     つかみ易い事です。

     欠点は、底の径を同じ寸法に、しずらい事です。

    ・ 繋ぎ合わせる寸法と同じ、又はやや大きめの底を作ります。
    
    ・ 底を完全に抜いてから、筒状に土を延ばし、形を作ります。

      形は上に行く程湾曲させ、径を徐々に細くしていきます。

      繋ぎ合わせた後に、再度形作りを行いますので、大よその形に留めます。

      口は手が入る様な大きさにします。(繋ぎ合わせる時、必要です)

    ・ ある程度(手がべた付か無い)乾燥したら、糸で亀板から切り離します。

  b) 口を下向きに作る。

    利点は、繋ぎ合わせの寸法に作り易い事です。

    ・ 土殺しをした土の中心を掘り込み、底を抜きます。

      底の大きさは、反対側から手が入る大きさにします。

    ・ 土を薄く延ばしてから、お椀型に形作ります。

    ・ 口の大きさは、下部の作品の径と合わせ、指で押さえて、肉厚にします。

    ・ 口(繋ぎ合わせ部)が乾燥させない様にし、他の部分を少し乾燥させ、切り離します。
      
   c) 下の部分に、上の部分を載せ、繋ぎ合わせる。

以下次回に続きます。
   
コメント
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