わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

教程10-5 (急須の組み立-2)

2008-11-13 23:17:59 | 教程 (陶芸全般を学ぶ)
教程10(急須)の最終回になります。

 前回までに、注ぎ口を付けました。 今回、取っ手及び、蓋に付いて説明します。

 イ) 取っ手を付ける。

   取っ手にも、その用途によって、幾つかの、種類(形)が有ります。

   ・ 一般的な急須の形で、注ぎ口と約90度の角度に付ける、筒状の物。

   ・ 水差しやティーポット等、注ぎ口と180度の角度に付ける物。

     この場合、取っ手はロクロでは作らず、手捻りで、板状又は丸状に作った物で、

     形状が「耳型」の物が多いです。

   ・ 土瓶など、蓋の真上を横切る様に、付ける物。

     この場合、本体の注ぎ口の方向と、その180度の位置に、取っ手を付ける(差し込む)べき、

     紐状の物を、半円形又は、おむすび型に作り、接着します。

     尚 取っ手(持ち手)は、籐(蔓)と金属を組み合わせた物が、市販されています。

  ここでは、一般的な急須の取っ手(筒状)を付ける事にします。

  ① 取っ手の長さを決める。

    ロクロでは、やや長めに作ってあります。好みの長さに切ります。

    但し、本体の大きさに比べ、長さが長すぎる場合、お湯を入れないと、取っ手側に傾いて

    しまいます。逆に短すぎると、お湯の入て重くなり、持ち難くなります。

  ② 本体に、取っ手の取り付け位置を決める。

    一般に急須は右手で持つ様に、作られています。(市販品の大多数の物)

    即ち、右手で持った場合、注ぎ口が、左側に来ます。

   ・ もし、左利き用に作りたければ、そのように作る事も可能です。

     注ぎ口が右側に来る様に、取り付けます。

   a) 取り付け高さを決める。 やや下目にします。

   b) 注ぎ口と取っ手の角度を、鋭角(80度程度)にし方が、使い勝手が良いと言われています。

  ③ 取っ手の接着部分を斜めにカットする。

    取っ手の先端を斜め上にして、取り付けます。それ故斜めにカットします。

    斜め具合は、取り付ける前に、取っ手を持ち、注ぎ易い角度を、イメージしてください。
   
  ④ 取っ手を接着する。

   ・ 上記の事が、満足する状態に成ったら、本体の取り付け位置に、印しをつけます。

   ・ 両取り付け部分に、針で刻みを付け、「ドベ」を付けて、仮止めします。

   ・ 色々な方向から見て、調整し、良ければ接着します。

    (斜めではないか、左右対称か、角度は良いか等を、正面、側面、上から見る)

   尚 良く出来た(バランスの取れた)作品は、取っ手の先端を下にして、縦に立てた時、

    安定して自立出来ると、言われています。

 ロ) 蓋の調整

   ・ 蓋の径と、蓋受けの径を合わせる様に、現物合わせで、調整します。

    やや大きく作りましたので、削る方向で調整します。

   ・ 本体側に、蓋受けに無い場合、蓋の底の高台状の、滑り止めの径を本体口の内側の径と、

     合わせます。

   尚 この場合、本体口にも、釉薬を掛ける為、本焼きで、本体と蓋を別焼きにします。

     それ故、本焼きで、本体口が変形しても、蓋が出来る様に、やや余裕を待たせます。

 ハ)最後の調整

   手回しロクロ上で、作品を回転させ、色々な方向から見て、微調整して下さい。

  尚 本焼きが終わるまで、取っ手を持つて、作品を持ち上げ無い様にした方が安全です。


 以上で「急須の作り方」を終わります。
   
     
コメント
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