想いのままに…

日々の生活の中で感じたことを、想いのままに綴りたいと思います。

優しい強制

2013-10-01 22:04:10 | 日記
時々思い返すことがあります。
そのたびに、私はクスッと笑うのですが、申し訳ないことをしたわとも思うのです。

それは、私達がまだ、会社勤めをしている時のことです。
私は、結婚以来、毎朝、主人を起こしていました。
お仕事で疲れていることは知っていましたから、主人を起こす時は、
静かに優しく起こしてあげたい…と思っていました。

結婚後、私はパートのお仕事を始めましたので、主人と一緒に出掛けていました。
パートとはいえ、10時から5時半までの勤務でした。

私は、主人よりも1時間前に起きてシャワーを済ませてから、主人を起こします。
その後、主人がシャワーをしている間に、寝室を掃除し、洗濯物を干し、朝食を作ります。
一緒にお食事をした後、お台所を片付けてから一緒にお出掛け…でした。

朝は、家の中を走り回るように動いていましたが、
主人の前ではバタバタすることがないよう、心がけていました。

主人を起こす時は、寝室に入ると、「○時よ。起きられる?大丈夫?」と静かに声を掛けます。
主人が質問に答えられるようですと、「また来るわね。」と言います。
10分後、「今、○時10分よ。2度目だからね。」と、そっと言います。

ほとんどの場合、主人はそれで起き出せるのですが、残業などで疲れて帰った翌朝には、
それでは起きられないことがありました。
朝は大忙しの私には、主人が起きなければできないことがたくさんありますので、
「○時20分だけど、まだ起きなくてもいいの?」と、一応静かに優しく言います。
すると…、
主人は急いで起きていたのです。

それから何年かして、二人とも会社を辞めて、個人事業を始めました。
その頃、主人に尋ねたことがありました。
「私って、起こしてあげる時、怒ったりしたことはないわよね。」と…。

「うん、怒ったことはないよ。でも、優しい強制はあったなあ。」と
主人はそう言いながら、昔を思い出しているようでした。

「えっ?優しい強制…。」と驚きながらも、私はそれを認めざるを得ませんでした。
『私の朝は、とても忙しいのよ。』と言う思いが、
主人を起こす「○時20分だけど、まだ起きなくてもいいの?」の中に込められていたのですね。
起きなくていいはずがないのに、そんなことを言っていたんです…、ごめんなさい。

今も、毎朝主人を起こしている私は、もう、『優しい強制』はしていません。
静かに優しく起こしてあげたいという初心の気持ちで、起こしていますが、
あの時の主人の言葉を思い出しては、クスッと笑いながらも、
申し訳ないことをしたんだわと思っているのです。
あの頃は、本当にごめんなさいね。

コメント
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