ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『心無い政府』の埋め合わせをする、目覚めた人々による『心ある政府』

2011年06月28日 | 日本とわたし
ダイヤモンド・オンライン「災害ユートピア」著者レベッカ・ソルニットさんへの、インタビュー記事からの一部です。

電力会社の、大株主によって粗方のことは決まっていた株主総会、政府が決定する様々な案件、変更し放題の基準値などなど。
このところ特に、がっかりしたり凹んだりのわたしには、彼女の言葉が心にしみました。



災害が起こってはじめて、人々は政府とは何か、いったい政府に何が期待できるのかを知ることができるし、深く考えることになる。

民主主義における政府の質の向上は、何といっても国民の圧力の大きさいかんにかかっている。

たいていの民主主義社会では、人々が積極的に政治参加していないので、国民のことを眼中に入れず自己利益の追求に走る政治家が多くなるものだ。
その意味でも、政府の過失を指弾し、国民への責任遂行を求める災害時の人々の怒りは極めて生産的なものだと言える。
また、機能不全に陥った政府のひどい姿を見て、一体政府とは何かを考えるようになることも悪いことではない。

政府は官僚制度で成り立っており、よくオバマ大統領がオーシャンライナー(スケジュール通りに大洋を渡る船)にたとえるように、大きくて動きが鈍い。
方向を変えるだけでも、計算とやりとりに大変な時間がかかる。

それに対して、災害時の最初の救援者は、市民社会、コミュニティ、近所の住民、あるいは、そこにたまたま居合わせた人々だろう。
普通の人々は、自己組織化に長けている。

ところが、政府は、地震や二次災害の火事が起こると、そのすべてに対応するリソースを持たない。

サンフランシスコ市は1906年と1989年に大地震に襲われ、その経験から非常に美しいことを言っている。
つまり、救済者は市民であって政府ではない、と。
だから、市民を管理すべき対象や敵としてではなく、協力者とみなし、彼らに訓練をほどこして必要な道具も与えている。
訓練を受けた市民の数はまだまだ十分ではないが、救援や消火、トリアージ(災害時の治療優先順位分け)を市民が自分たちで行えるようにしているのだ。

つまり、こういうことだ。
政府や企業など公式の組織は冷徹で、貧困を生み出し、食糧や医療や住まいに恵まれない人々を生み出す。
だが、非公式な組織がその埋め合わせをし、ホームレスの人々を助けたり、病院でボランティア活動をしたりしている。
目覚めた人々がいて、彼らが非公式な制度として、隠れた「心ある政府」として機能しているのだ。

災害は、彼らの存在を求めるだけでなく、顕著に光をあてるのだ。
この世は資本主義だと言われるが、こうした非公式な制度が多くの生命の持続を可能にしていることを忘れてはならない』


彼女は他にも、いろいろと気づかせてくれる言葉を、たくさん述べておられます。
上記の彼女の名前をクリックして、記事の全文を読んでみてください。
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