ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

また出た!責任も羞恥もゼロ市長「同意はしていない。リスクは考えなくてもいい。責任は国が持つべき」

2014年10月31日 | 日本とわたし
3日前に出された二つの号外。






そして以下は、10月28日に行われた、薩摩川内市・岩切秀雄市長による記者会見を、岩上安身氏がレポートし、140文字以内にまとめて連続ツィートで流してくださったものです。

鹿児島の現場からのレポート!

川内原発を抱える、鹿児島県薩摩川内市の岩切秀雄市長が、10月28日に開かれた臨時市議会で、原発再稼働への同意を表明した。
傍聴席や会場外では、市民らが再稼動反対を訴え、会場は一時騒然とした。

市議会の原発対策調査特別委員会が、先週20日に、早期の再稼働を求める陳情を、賛成多数で採択した。
これを受けてこの日に、臨時議会が招集され、議長と退席者1名を除く24名中、19対4(棄権1)の賛成多数で、再稼働を求める陳情を採択した。

市議会の判断を受けた岩切市長は、臨時市議会後の全員協議会で、
再稼働を進める政府の方針を理解する」と発言し、川内原発の再稼働に、同意を表明。
その後、市役所で記者会見した。

会見では、再稼動について、「私は同意しておりません」という驚きの発言も。
この期に及んでもなお、主体性を持って再稼働に臨もうとしない市長の姿からは、
まるで責任感といったものが感じられず、さらに原発再稼働への不安は高まった
以下、会見の模様を報告する。

記者:
川内市は、全国ではじめて、新基準のもとで、再稼動の同意を表明しました。
現在のお気持ちは、どのようなものでしょうか。
また、19回も(説明会を)市議会で開いた理由について、どのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。


岩切市長:
大変緊張しながら、再稼動問題に取り組んできました。
かねてから、まずは厳しい安全性を身に着けていただきたい、十分対策を作ってほしい
そのうちに、この基準を作った人に来ていただき、市民に説明会を開いてほしい、ということを、お願いしていました。

そのうちに、市議会の反応を得たのちに、自分が最終的に判断したということです。
今日も、本会議のなかでやはり、慎重論をいわれる人たちの気持ちを考えると、まだまだ厳しい状況をこらえなければならないのかな、ということを思います。

九州電力には、再稼動が認可されたのであれば、十分に気をつけていただきたい、というのが今の気持ちです。
また、議会のなかで、特別委員会が何回も議論して、時に対応してくれたのは、
原子力発電所に対する議員の認識が、高かったからだと思っています



記者:
薩摩川内市にとって、川内原発はどんな存在なのでしょう。


岩切市長:
歴代の市長がそれぞれ、薩摩川内市の発展のために尽力してきました。
昭和30年代、本市は、財政再建団体という厳しい状況にあり、市長、議会は、地域活性化、振興のため、原発を誘致しました

歴代の市長、議会が、原発に対し、厳しい安全性を心がけてきました。
30年間、大きな事故なしに続けてこられたのはやはり、市長、議員が勉強しながら、九州電力に安全性を求めてきたからであり、
私もそれを引き継いでいかなければ、と思っております。


記者:
審査書が正式に出されてから、50日での再稼動の同意、ということとなりました。
この日に同意をしたということの意味とは、どのようなものでしょう。


岩切市長:
許可がなされたということで、安全性を国がきちっと確認した、と思っています。

原子炉の設置の変更が、一番大事なことであり、議会の判断を仰ぎながら、地元での説明会も本市に限り
市民に理解してもらうためにも、50日は、大事な時期であったと思っています。


記者:
反対派に対して、どのようにお考えですか。


岩切市長:
今日の傍聴席から、もうちょっと冷静に話ができないかな、と思いました
川内原発一号機、二号機も、当時の状況からすると、そう厳しい批判はありませんでしたので、ほっとしています。


記者:
地震、津波への対策を進めてこられましたが、規制委員会は、『リスクはゼロにはならない』と言われています
もし災害があった場合、福島同様、広い範囲が汚染され、多くの人の生活が奪われるというリスクについて、どう認識されているのでしょうか

こうしたリスクがあるにもかかわらず、再稼動に同意をするということで、
もし事故が起きた場合、なんらかの責任をとる、ということについて、どう考えておられますか


岩切市長:
まず、私は、同意はいたしておりません
法的に、なにも、私のほうで手続きするということはないわけです。
(臨時会が)終わってから、県知事とエネルギー庁官に、『議会が終わりました、こうしたことで表明しました』ということは、お伝えはしました」

私は、同意という言葉を、一切使っていませんし、
今回のエネルギー基本計画では、なにか重大なことが起きたとき、責任は、第一義的には事業者にあるのでしょうけど、
最終的には、国が責任をとる、ということを言ってらっしゃいます

ですので、手続き上は、私はなにもしないつもりで、お二人には電話でお話しただけです

規制庁は、『100%リスクがないとはいえない』と言いますが、
福島で起きたような津波、地震、原発事故が起こった場合ならば、もう十分、100%といっていい、と私は信じています。
これについてのリスクは、考えなくてもいいのでは


福島のように、立ち入り禁止区域ができたりする、という状況は、現在では考えなくてもいいのではないでしょうか。
(旧基準では)火山の噴火と連動する、複合的な災害を考慮に入れていなかったので、『100%リスクがない』」と言えないとも思っています。


記者:
九州電力の社長とお会いされた、とのことであったが、どこで、何分ぐらいの会合でしょうか。
また、再稼動したい、と要望があったのか、またそれならば、市長はなんと答えたのか、お聞きしたいと思います。


岩切市長:
22日、社長とお会いし、『ちゃんと再稼動をする心構えがありますか』ということを聞いて、
30年間(の大規模事故のない期間)を引き継ぎます」ということで、15分ほどで済みました


記者:
再稼動の最終判断は、国が持つべきであり、その後の責任も国が持つべきである、とお考えなのか、お聞きしたいと思います。
また、県と国に要望したいことがあれば、具体的にお聞きしたいと思います。

また、今回、日本が原発に依存する社会に戻る、という大きな決断をしたわけですが、
日本と世界に対するお考えがあれば、うかがいたいと思います。


岩切市長:
責任問題は、このとおりだと、私は信じています。

また、私自身、原発依存ということでよいとは思っていません
将来的には、廃炉という形に持っていかなれば、と考えています。
私は、次世代エネルギーに力を入れてきてもいます

原発を(現在の)基幹エネルギーとするならば、次の時代のエネルギーについてどんどん研究して、
国にも、そのための施策を、要望していかなければ、と思っています。


記者:
市民アンケートに、1133通の回答が寄せられ、85%が、川内原発再稼動に反対していることがわかりました。
地元でも、反対の声が多数であるということが、はっきりとしましたが、こうした民意を、どのようにお考えでしょう。


岩切市長:
アンケート調査にはいろいろなものがあり、私は、一つ一つの結果には、考え方を示すことはいたしません


記者:
この数日間で、県内外の、市民の活動家が、鹿児島県にこられました。
市民に対して、どう理解を求めていきたいか、お考えはありますか。


岩切市長:
市民への説明会は、他市に負けないくらい、実施しております
今後も継続していきたいと思います。


記者:
今日の判断に、迷いはありましたか。
今後、もう一度定期検査があって、再稼動になると思うのですが、その際にも、同様の手続きが必要だと思いますか。


岩切市長:
まだそこまで話は聞いていませんが、そのときはまた、(反対派の市民の声を)聞きたいと思います。


記者:
国の方針に沿うのが大事だ、とお考えですか。


岩切市長:
原発政策は国策だと思っているので、国がしっかりとしてもらわなければ
(国から)言われて、『わかりました』と言ってする、というのではなく、何をお願いするのかを考えるのが当然だ、と思います


↑以上、転載おわり


↓続いて以下は、赤旗が報じた、鹿児島県議の実態です。
転載させていただきます。

川内再稼働迫る自民鹿児島県議
親族企業が原発工事

兄・妻が役員 自身も大株主

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-28/2014102801_04_1.html

原発が停止していることを、「国富の流出」といい、「再稼働はいつの日になるか」などと、
九州電力川内原発の早期再稼働を、鹿児島県議会で、再三主張している自民党の外薗勝蔵県議の親族会社が、
同原発関連の工事を、多数受注していることが、27日までに、本紙の調べでわかりました。

外薗氏の兄が、代表取締役を務め、同氏の妻も取締役の親族企業は、
クレーン作業工事を手がける、「外薗運輸機工」(薩摩川内市、資本金2200万円)です。

外薗氏自身も、同社の県への届け出書類などによると、同社の発行済み株式77株(17.5%)を保有する大株主です。

同社は、下請けとして、
「九州電力川内原子力発電所RCP/M機器搬出搬入工事」
「川内2号機低圧給水加熱器取換工事」
などの、九電の関連工事を受注。
2011年以降、少なくとも5件を受注しています。

外薗氏は、12年9月の県議会で、
このような国の方針では、再稼働はいつの日になるかわかりません
(中略)
知事の、再稼働に対しての考え方を、再度教えてください」と、
再稼働に熱心な、伊藤祐一郎知事の後押しをしています。
13年6月の県議会では、
原発を代替している火力発電所の燃料費が膨らみ、国富の流出と電気料金の値上げが止まりません」とのべています。

川内原発の安全対策を審議する、県議会原子力安全対策等特別委員会の委員です。

本紙の取材に、外薗運輸機工は、外薗氏への株主配当などの有無について、
「お答えできるものがおらず、回答できない」としています。

外薗氏の事務所からは、27日までに、回答がえられませんでした。


県民の声ではない

さよなら原発いのちの会の代表、堀切時子さん=薩摩川内市在住=の話 
九電と自分の利益が一致する人が、川内原発の再稼働を、“県民の声”かのようにいうのはおかしい
県内の住民説明会では、再稼働推進派の、企業ぐるみの動員疑惑があがっています
こうした推進派の組織に負けず、反対の声を広げていきたい。

↑以上、転載おわり


いやほんと、寒気がするほどの無責任っぷりと、顔が赤らむほどの癒着っぷり。
原発事故が起こった後でも、こんなことが堂々と続けられてる社会って、ほんとに間違っていると思います。

米国『わびさび』事情

2014年10月31日 | 米国○○事情
そろそろ終わりに近づいてきた紅葉です。


散った落葉を吸い込む巨大ホース付きのトラックが、通りのあちこちに止まっています。


今年は紅葉し切れずに散ってしまう木が多かったので、こんなふうに色づいてくれる木を見ると、ありがとうと言いたくなります。


気功瞑想のクラスがあるミリアムの家までの途中で、車を停めては撮り、また停めては撮りした町中の紅葉です。











今日は、滅多に人を入れないという、スチュアートの家に行ってきました。
スチュアートは建築デザイナーで、うちの2階の、めちゃくちゃ狭い浴室の、改装のための図面を描いてくれている人です。
彼は長年、旦那の友人アードリーと組んで、米国はもちろん、海外のファンであり顧客である人たちの家に関わってきました。
海の向こうの仕事をする時はいつも、客が飛行機代を払ってまで頼みたい、という人なのですね。
なので、うちのような、1人が使うのでいっぱいいっぱいという小さな、しかも極めて低い予算しか出せない改装というのは、
仕事というより、友だちだからまあ…という感じの、こちら側から見ると「申し訳ない」感いっぱいの、とても珍しい作業なわけで、
けれどもアードリーいわく、どういうわけか彼は、この仕事がとても気に入っていて、かなり熱心に取り組んでくれているのだそうです。

で、今回取り替えることになったのが、彼の一押し、というか、彼が実際に家で使っているものと同じで、
アメリカでは滅多に注文されないタイプの、ほぼ正方形に近い、小型の深い浴槽なのでした。
湯船に浸かると首のところまでお湯がくるというので、わたしは大喜びだったんですが、
旦那はもちろんのこと、わたしでさえも、体操座りをしなければ座れない上に、
こちらの浴室は、浴槽の外で体を洗うことができないので、その三方がすべて壁になり、それはちょっと閉塞感があるのではないかと心配になりました。
日本だと、洗い場があるので、浴槽そのものが小さくても息が詰まるような感じはしないのですが、
こちらは浴槽そのものがすべてなので、三方の壁とシャワーカーテンで仕切られた空間というのを想像するたびに、多分わたしの眉間にシワが寄っていたのでしょう、
家族か、よほど親しい友人でないと家に入れないというスチュアートが、うちに来て実際のを見れば?と誘ってくれたのです。

とても腕の良い人気者の設計士で、独身でとなると、大体の予想はついていたのですが、
彼いわく、自分なりに『わびさび』を表現しているつもり、というお家の中を、見せてもらいました。

玄関に入って目に飛び込んでくるのがこれ。ニッと笑った顔がとてもいい。


タウンハウスの1階から3階まで、各階に一部屋ずつの、なんともお洒落なお家には、部屋の照明もやっぱり…。


このランプは、人がその下を行き来すると、ひら~ひら~と舞い始めます。


スチュアートがデザインをして、作ってもらったというつい立て。


椅子のミニチュアがいっぱいの部屋。






これは3階の浴室。なんとまあ、洗い場がある日本式!


なんかもう、ありとあらゆる壁がお洒落で。






シンプルがベストだと、いつも言ってる彼は、特にお風呂にこだわっているそうな。


1階の部屋は、オーディオ鑑賞室&車のミニチュアがいっぱい。






窓の向こうには、彼がせっせと丹誠込めて作った庭が続いています。




日本人の画家が書いた、ちょっと不思議な鯉の絵。


物置場の向こうにあるトイレの中でさえ…、


階段から見下ろすと、


2階にあった不思議な岩。


絵のひとつひとつに個性があって、バラバラなんだけれども、そのスポットで活き活きしています。


器もたくさん集めているようで、これはその中のほんの一部。


これはいったい?…と思ってたら、なんと、ロウソクの炎そっくりの電灯。


ピンぼけだけども、幾何学な体がすてきでした。


タウンハウスの中庭ですが、すべてスチュアートが管理しているのだそうで、ご近所さんに大好評。


ツタの紫陽花は初めて見たかも。




建物の横もやっぱり彼が、せっせと世話をしています。


で、お風呂は実際に見てみてどうだったのかというと、正直言うとやはり、狭いなあという感じがしました。
日本のお風呂とよく似た浴槽だから、余計に、日本のお風呂場みたいなものを求めてしまうのかもしれません。
けれども、例えば壁を二方にして、シャワーをする際の後ろ側をシャワーカーテンなどで塞いだとしても、
水はけや床などへの防水を考えると、やはり後々の手入れが大変だという、プロの考えに従うことにしました。


いやもう、目と心が満腹しました。
彼んちのような、アメリカン侘び寂びの世界は、もちろんわたしの暮らしには実現しないでしょうけれども、
物を極力減らす。
どうしても持ちたいなら、絶対にこれだけは持ちたいと思う物だけにする。
すぐ使うかもしれないからと、雑多な物をダラダラと目の前に出しておかない。
という、彼のポリシーを、わたしなりにアレンジして、部屋の中から、そして頭と心の中からも、雑多な物を取り出していこうと思います。

Thank you for having us Stuart!