今日の追加日記その2は、上野動物園パンダ復活の記者会見をした石原慎太郎東京都知事の著書『生きるという航海』(2001年・海竜社刊)というエッセイ集追加編です。以下に、私が感銘を受けた名文(その2)を長文になりますが引用・掲載します。
『私には、「アキレスの腱」という言葉は、ひとつの譬えというよりももっと明確鮮烈に、闘いとしての男の人生を表象しているような気がしてならない。この世に、その大小はともかく、他に知られれば不利な弱点を持たぬ男がどこにいよう。たとい人はそれに気づかなくても、自らのみが密かに怖れる弱点を持たぬような男が一人としているだろうか。そのあるものは、隠そうとしても、すでに公然のことであることもあろうし、またあるものは、それが知れては、彼の敵を甚だ勇気づけるものに違いない。・・男としての名誉、誇り、責任感、そして今までのいつよりもぎりぎり独り切りの孤独を負うて、その綱を渡っていく時の、自分の飲み込む固唾の音を、自分独りが聞いているつらさは、所詮その人間だけ、その男だけのものでしかない。そして、男は、彼一人でそれに耐えていかなくてはならない。たとい、その挙句、一歩一歩踏みしめている生命の綱を静かに踏みはずしたにしても。』
私の今の心境を、石原さんは見事に言い表してくました。「男」を知る者だけが「男の真実」を語ることができます。
『私には、「アキレスの腱」という言葉は、ひとつの譬えというよりももっと明確鮮烈に、闘いとしての男の人生を表象しているような気がしてならない。この世に、その大小はともかく、他に知られれば不利な弱点を持たぬ男がどこにいよう。たとい人はそれに気づかなくても、自らのみが密かに怖れる弱点を持たぬような男が一人としているだろうか。そのあるものは、隠そうとしても、すでに公然のことであることもあろうし、またあるものは、それが知れては、彼の敵を甚だ勇気づけるものに違いない。・・男としての名誉、誇り、責任感、そして今までのいつよりもぎりぎり独り切りの孤独を負うて、その綱を渡っていく時の、自分の飲み込む固唾の音を、自分独りが聞いているつらさは、所詮その人間だけ、その男だけのものでしかない。そして、男は、彼一人でそれに耐えていかなくてはならない。たとい、その挙句、一歩一歩踏みしめている生命の綱を静かに踏みはずしたにしても。』
私の今の心境を、石原さんは見事に言い表してくました。「男」を知る者だけが「男の真実」を語ることができます。