天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

中国人ガイド胡さんと語った日中文化交流こぼれ話4(故宮での伊映画『ラストエンペラー』と後宮女性編)

2010-01-09 19:47:11 | 日記
今日の日記は、私の中国旅行記・その10です。
中国人ガイドの胡さんと、旅行中にお互いに語り合った日中文化交流のこぼれ話その4です。私は12月28日午後、広大な『故宮』を観光しました。太和門をくぐって「太和殿」に参内した時、ガイドの胡さんが
『ここが映画「ラストエンペラー」で有名な「太和殿」です。映画で清朝最後の皇帝・溥儀の即位式が行なわれた場所です。』
と私たちに説明をしてくれました。私はその映画『ラストエンペラー』(ベルナルド・ベルトルッチ 監督・脚本 ジョン・ローン主演1987年イタリア製作)を見て良く知っていたので、彼の説明にそのシーンを思い出して、その時とても感激しました。とても荘厳・華麗で大掛かりな即位式のシーンは、鮮烈に今でも私の記憶に残っています。
そして、ガイドの胡さんが、当時中国政府による規制が厳しかったために国内であまり知られていないイタリア映画『ラストエンペラー』を知っているのに、私はとても驚きました。胡さんは、映画で溥儀が故宮の内廷通路で自転車の練習した場所まで私たちに教えてくれました。胡さんは意外なことに「中国最後の宮廷の様子をよく表現しています」と語り、イタリア人監督が製作した中国を舞台にしたこの映画をとてもベタ褒めしていました。
でも、外・内廷をあわせて九千室もある故宮の建物を私たちに案内した時、ガイドの胡さんは、
『この故宮には、皇帝の夜のお相手をする女性が四千人もいました』
と信じられない説明をしていました。私はその言葉に思わず不謹慎にも『四千人も!』と声を出してしまいました。そして、一人の皇帝から寵愛を受ける可能性のある女性の計算まで、その時私はしてしまいました。その様子を見ていた胡さんが、『そうです。十年以上かかります』と私に答えてくれました。
中国若手良識派知識層を代表する胡さんのこの発言ですが、私は今でもその『数字』はとても信じられません。私は日本に帰ってから、私蔵の著書からその数字を検証しました。以下にその報告をします。
故宮は明・清王朝の皇帝の住まいです。でも、中国四大美女の一人『楊貴妃』を寵愛した唐王朝の玄宗皇帝時代の都・長安の後宮女性たちなら、私は著作から良く知っています。この後宮では、一人の皇后の他、玄宗の情けを受ける愛妾たちには一人ひとり称号があり、その位階は次のようになります。
・「四夫人」:貴妃・淑妃・徳妃・賢妃(正一品)
・「九嬪」:昭儀・昭容・昭媛・修儀・修容・修媛・充儀・充容・充媛(正二品)
・「二十七世婦」:婕九人(正三品)・美女九人(正四品)・才女九人(正五品)
・「八十一御妻」:宝林二十七人(正六品)御女二十七人(正七品)綏女二十七人(正八品)
玄宗皇帝に見初められた女性は、皇后に次ぐ貴妃の位階を授かったので『楊貴妃』と呼ばれたのです。でも玄宗皇帝でさえ寵愛できた女性の数は、たった121人です。とても4,000人との数字は、成人男子がまともに相手ができる女性の数ではないです。胡さんは、間違って愛妾の世話をする下女や老女の女性たちまで含めていたかもしれません。
それにしても昔、男にとても羨ましい別世界が、中国には存在していたことだけは間違いないです。
コメント
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