まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『三色すみれ・水に沈む』清き乙女のための小説

2009-09-30 01:26:43 | ドイツの作家
VIOLA TRICOLOR.AQUIS SUBMERSUS 
テオドール・シュトルム

シュトルムも岩波文庫『大学時代・広場のほとり』新潮文庫『みずうみ』 に続き
3冊目ですが、内容はともかく文章は美しいなぁ、やっぱり。
収められているのは2篇です。

『三色すみれ(Viola Tricolor)/1873年』
幼い娘ネージーがいるルードルフへ後妻として嫁いだ若いイーネスは
ネージーが死んだ母親の影を引きずっていることにショックを受けました。
それどころかルードルフまでが前の妻の肖像画を見つめたりして…
イーネスは自分の居場所がないと嘆きます。

そりゃあ仕方がないでしょうよ、と思ってしまいますが
若き後妻としてはなんとか自分の立場を確立したいものかもしれませんね。
会社でも、あまりにも輝かしい実績がある前任者の後がまというのは
ちょっとつらいもの… 頑張りすぎがかえってマイナスになっちゃったりしてね。

『水に沈む(Aquis Submersus)/1875年』
少年の頃友人宅の教会で見かけて気になっていた牧師と溺死した子供の肖像画。
長い時を経て、田舎の下宿屋でその絵と画家の覚え書きが見つかりました。
画家ヨハネスは恩人の娘カタリーナに恋心を抱いていましたが
彼女は横暴な兄ヴルフから大嫌いな男との結婚をせまられていました。
ヨハネスとカタリーナは密かに結ばれ、ヴルフから逃げようとしたのですが…

今まで読んだシュトルムの中では情熱的でドラマティックな物語でした。
物語の題材としてはありがちなものがちりばめられているのですが
ベテランならではの落ち着いた筆運びで安心して読めました。
新鮮さはありませんけどね…

シュトルムはリアリズム作家のひとりに数えられるそうなのですが
私はものすごくロマンティストだったんじゃないかと思っています。
女性の方が見落としがちなセンチメンタリズムと
夢のようにメロドラマティックな恋心の描き方。
これは男性ならではの、愛し合う男女の偶像なのではないかと…

シュトルムには、木陰で恋物語を胸にため息をつき涙を浮かべるお嬢さんが似合うわ。
ボンネットと白い衿のドレスが似合うって感じね。
修道院系の女学校を出たばかりで、使用人の息子なんかにときめいたりしているとGood!

あぁ、美しい恋物語を読んでハラハラと涙が流せたあの頃にもどりたいわ
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オラニエ公ヤン・ウィレム・フリーゾ妃 マリーア・ルイーゼ

2009-09-30 01:21:50 | オランダ王妃
家系図しかありませんけど・・・
ヤン・ウィレム・フリーゾ妃 マリーア・ルイーゼ
               ファン・ヘッセン=カッセル


1688~1765/在位 1709~1711

王妃メアリ-2世との間に子供がいなかったウィレム3世は
後継者に甥のヤン・ウィレム・フリーゾを指名しました。

この継承にはプロイセン王フリードリヒ1世が異議を唱えます。
なぜならばフリードリヒ1世にも母方からオラニエ公フレデリク・ヘンドリクの
血が流れているからです。 家系図をどうぞ。

      

結局継承問題は長引き、息子の代まで持ち越されます。
この時にオラニエ公の力はぐんと弱まったものと思われます。

マリーア・ルイーゼについては、夫の死後6週間でウィレム4世を生んだ意外に
なにも書くことがないのです。
夫が急死したためマリーア・ルイーゼの在位も短いものでした。
エピソードがないところみると、可もなくなく不可もなく… という
平凡な公妃だったのでしょうね。

夫と敵対するプロイセンと実家が婚姻関係で繋がりを強化しているのが興味深いので
家系図をのせておきますね。
        

(参考文献 Wikipedia英語版)
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『夜はやさし』作者のことを知りすぎて・・・

2009-09-27 23:30:50 | アメリカの作家
TENDER IS THE NIGHT 
1935年 スコット・フィッツジェラルド

私は作家の生い立ちや境遇にはあまり興味がない読者ですが
それでもフィッツジェラルド&ゼルダについては知っていますね。

最大の理由は村上春樹氏のエッセイに凝ったことでしょうか。
それにフィッツジェラルドの小説の解説には必ずといっていいほど
二人の享楽的で奔放な生活ぶりと、後年の不遇なフィッツジェラルドについて
書かれていますからね。

『夜はやさし』はそんな私生活を反映した、なかば自叙伝的小説だそうですが
フィッツジェラルドはこの物語を書いたことで、少しは肩の荷がおりたのかしら?
それともさらに哀しみを抱え込んでしまったのでしょうか?

物語は、有望な医学博士としてスイスにやってきたディック・ダイヴァーが
友人フランツの患者であった富豪の娘ニコルと恋に落ちて
結婚してから別れるまでの13年間を書き記したものです。

その間にはニコルの金にものを言わせたリヴィエラの家、パリでのばか騒ぎ、
パーティー、ドレス、買い物といった贅沢で豪奢な暮らしがあり
若い女優との恋愛沙汰があり、という華やかな日々がありました。
ディックはそんな暮らしを謳歌しているのかと思ったら…

どうやらディックは人生を無駄にしたという焦りを感じていた様子。
専門書を数冊出版したり、フランツと共同で立派な精神病院を設立したものの
常に発狂の危険をはらむニコルの側で、自分を消耗してしまったと思っていたようです。

本は思うように書けない、老けていく、ニコルの状況は良くない…
そんなことから酒が増えていき、とうとう病院経営からも手を引きます。

もとの怠惰な生活で顔をつき合わせていくうちに夫婦間の亀裂は大きくなって…

ヘミングウェイが『移動祝祭日』 の中で “ フィッツジェラルドは傑作を書けるのに
ゼルダのせいで書けない ” 的なことを書いていたような気がします。
彼女のことを “ スコットの前に横たわるハンデ ” とまで言っていますが
フィッツジェラルド自身もそう思うようになっていたのかしら?

物語ではディックとニコルはあっさり別れてしまいますが
フィッツジェラルドとゼルダは別れることなく、各々不幸な最後を迎えています。
クライマックスの別離はフィッツジェラルドの願望だったのでしょうか?
だとしたら、この物語を読んだ時のゼルダの気持ちはどうたったでしょう?

本当に自伝的小説だったとしたら、フィッツジェラルドは自分の思いを
外の世界に向けて吐露できたことになるけど、ゼルダの方はそうじゃないわけでしょ?
ゼルダの抱えていた問題だって、かなり彼女を圧し潰していたのではないかと
と思うんですけどね、気楽でわがままそうに見えるけど。

純粋にフィクションだと思って読んだ方が面白かったのかもしれません。
でも、どうしても重ね合わせてしまってねぇ…

夜はやさし ホーム社


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こちらですと1冊で。
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オラニエ公ウィレム3世妃 メアリー2世

2009-09-27 01:32:10 | オランダ王妃
イングランド女王でもありました
ウィレム3世(イングランド王ウィリアム3世)妃 メアリー2世


1662~1964/在位 (イングランド女王)1689~1694
          (オラニエ公妃)1677~1694

イングランド女王メアリ-2世のところで紹介したので簡単に…

父王ジェームズ2世はカトリックだったために国を追われることになったのですが
メアリーは妹アン(後の女王)とともにプロテスタントとして育てられました。

伯父のチャールズ2世は、メアリーとフランス王太子ルイを結婚させようとしましたが
フランスはカトリックだったので議会の反対にあい破談に。
オランダ方面と関係を強化したかったチャールズ2世が次に選んだのが
オレンジ公ウィレム2世の公子ウィレムだったわけですね。

      

その後はイングランド女王のところに書いてありますが
私はひとつ勝手な想像をしてました。

それは、ウィレム3世が亭主関白でメアリーは弱々しかったんじゃないかしらね~
付き従っているだけの女王じゃないかのか? と思っていたのですが
どうやら違ったみたいです。

夫に従順ではあったみたいですけど、統治者にも相応しい人物だったらしく
戦争で留守がちだった夫にかわってイングランドを守りました。

ウィレム3世はなかなかの名君だったようで、イングランドでも政治改革をし
フランスの侵攻も阻止して、ネーデルラントの勢力維持に努めました。

夫唱婦随で会社を大きくしていく社長夫妻みたいね。
鳩山&幸も今のところはそんな感じに見えますが…

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)
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『パーカー・パイン登場』不幸を統計で解決する、だって

2009-09-26 11:38:56 | アガサ・クリスティ
PARKER PYNE INVESTIGATES 
1932 - 1933年 アガサ・クリスティ

パーカー・パインという紳士が35年間の統計収集の仕事を活かして
人々の悩みを、統計学・分類学の見地から解決するために事務所を開きます。
そんなパイン氏が扱ったケースがつまった短篇集です。

不幸は人それぞれという意見に真っ向から反論する、不幸は分類できると言う持論。
なかなか面白いものがありましたよ。

パイン氏の宣伝文句は
“ あなたは幸せ? でないならパーカー・パイン氏に相談を ”
なんだかミステリアスで相談したくなってしまいません?

途中からだんだん推理が多くなってきてしまうのですが
それはアガサ・クリスティだから仕方がないってことで…

主に悩みを解決するという内容の3篇をご紹介します。

『中年夫人の事件(The Case of the Middle-Aged Wife)』
夫が若いタイピストに夢中になっていることが我慢ならないパキントン夫人。
パイン氏のいうとおりに美容院へ行き、エステに通い、ドレスを新調して
パイン氏に紹介された若い美男子とダンスに出かけます。
ある晩出かけたクラブで若い女と一緒の夫に会った夫人は、夫が可哀想に見えました。

『不満な夫の事件(The Case of the Discontented Husband)』
妻が芸術家気取りの若い男と結婚したいと言い出して困り果てたウェード氏は
自分がスポーツにしか興味がないことを嘆きパイン氏に相談します。
後日パイン氏からウェード家に魅力的なスポーツウーマン、ミス・ド・サラが送り込まれ
妻はだんだんと不機嫌になっていきました。

『富豪婦人の事件(The Case of the Rich Woman)』
金がありすぎてつまらないという未亡人ライマー夫人の相談を受けたパイン氏は
彼女にある東洋の治療を受けさせました。
目がさめた時、夫人は農家の一室で寝かされていて、ハンナという名で呼ばれました。
どんなに違うと言っても聞き入れてもらえないし、自分はハンナだと言い張るライマー夫人が
入院させられたというニュースを目にしてしまいました。

上2篇は簡単ですよね?
追えば逃げるし、逃げれば追ってくるしという男女の法則を取り入れた解決法ですよね。
こんなにうまくいくものか? というチャチャはこの際抜きにして楽しんじゃいましょう。
上手くいきすぎて困っちゃったな… という事態にもなるのですけどね。

『富豪婦人~』は話しがちょっと大仕掛けになりすぎちゃったきらいはありますが
言いたいことはシンプルです。
人は自分が持っていない物を欲しがるということと、お金が全てではないってこと。
でも私なら富豪になっても「退屈だ」なんて言わないと思うんだけど…
どんなもんだか、なってみたいな~!

パイン氏のところへやってくる人たちは赤裸々に心の声を吐露しちゃってますが
知らない人の方が相談しやすいことってありますよね?
だから電話相談とか、ラジオの相談なんか人気なんじゃないのかな?
相談するだけでも気が楽になるものね。

パイン氏の手際よさをお楽しみください
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『五匹の子豚』今なら科捜研があるからね

2009-09-25 01:58:04 | アガサ・クリスティ
FIVE LITTLE PIGS 
1942年 アガサ・クリスティ

これは… かなり無理があると思うんですけどねぇ…

16年前におこった毒殺事件の真相を探ってほしいという
カーラ・ルマルションの依頼を引き受けちゃったポアロ。

被害者はカーラの父で画家のアミアスでした。
有罪になったカーラの母カロリンは獄死しています。

当時彼らのまわりには、アミアスの浮気相手でモデルのエルサがいたし
カロリンを忌み嫌っているアミアスの友人のフィリップ
振り向いてくれないカロリンを崇拝しているメレディス
子供の頃カロリンに片目をつぶされた冒険家の異母妹アンジェラがいました。

けれど証拠は全てカロリンが犯人だと示していました。
彼女は裁判中もほとんど反論しませんでした。

いくらポアロでも、って思うでしょ?
16年前の事件ですもの、今ならキムタクや沢口靖子が解決しちゃうかもしれん…
しかし、当時は科学捜査が発達していたわけではありませんから。

確かにポアロは当時の関係者に話しを聞いて、事件を再構築していくのですが
やはり自白に頼る結末にはこじつけっぽさが漂いますよね。
特にこの物語の犯人はぜったい自供しなさそうなタイプなんだもの。

絶壁の上で延々と自供させるドラマの探偵じゃあるまいし
ポアロなら “ グウの音もでない ” という証拠をつきつけて
頑な犯人を落としてほしいものです。

過去の難事件を見事解決!
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オラニエ公ウィレム2世妃 マリーア・ヘンリエッテ

2009-09-25 01:55:21 | オランダ王妃
故国を捨てられなかった公妃
ウィレム2世妃 マリーア・ヘンリエッテ・スチュアート


1631~1660/在位 1647~1650

マリーアはイングランド王チャールズ1世の王女なのですが
イングランドで初めて“ プリンセス・ロイヤル ” の称号を与えられています。
母であるフランス王アンリ4世王女アンリエッタ・マリア
「フランスの “ マダム・ロイヤル ” みたいのがほしいわ~」と言ったそうです。

チャールズ1世はマリーアをスペイン王フェリペ4世と結婚させたかったのです。
それから従兄弟のプファルツ選帝候カール・ルドヴィクからも
しつこく求婚されていました。

母后アマリエの押しの強さに負けたのか、結局オラニエ公子ウィレム(後の2世)と
9歳の時に結婚しました。 9さいって!
実際にお嫁に行ったのは10歳になってからです。
でも小学校5年生でしょぉ?10歳って… お母様と一緒に海を渡りました。

      

1647年に、夫ウィレムが若くして父の後を継いだのですが
3年後に天然痘で亡くなり、その後を継いだのはマリーアのお腹の中にいた
ウィレム3世、父の死から数日後に生まれました。

マリーアは母親ですから後見人になったのですが、19歳という若さだったので
同時に義母アマリエも後見人になりました。
たぶんアマリエに仕切られてたと思うよ…

マリーアは実家に対する愛情が深いってことでオランダで不人気でした。
イングランドではピューリタン革命から王党派と議会派の争いがおこり
チャールズ1世が処刑されてしまいます。

兄のチャールズ2世やヨーク公ジェームズ(後の2世)たちが亡命して来たので
マリーアは、そりゃあ受け入れますよね? 兄弟姉妹ですもの。
でもその歓待ぶりが国民の怒りを招き、ついには家族との関わりを禁じられてしまいました。
さてはチャールズったら豪遊しちゃった? たくさんの女に手を出したとか?

マリーアは1654年から3年間、オランダを離れてすごしました。
1657年、国に戻ってウィレム3世の摂政に就きましたが
アンリ4世がオラニエ公国をフランスの直轄領にしようとやいのやいの言ってきて
幼い領主を抱えたマリーアの立場は厳しいものになりました。

1660年、イングランドが王政復古になり兄のチャールズ2世が即位すると
マリーアの立場は俄然高まりましたが、そんな思いも束の間
イングランドに帰ったマリーアは天然痘で亡くなりました。

              
                 お輿入れした当時のマリーア
                       The 王女って感じですか


幼い頃に家族と離れて…どんな理由であれ家族が訪ねて来るというのは嬉しくて
おもてなししたい気持ちは分かりますよね。
ただ、当時は些細なことが戦争の口実になってしまうから
巻き込まれたくないという気持ちも分かる…
フランスなんか手ぐすねひいて待ってたでしょうからね。

(参考文献 Wikipedia英語版)
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『死の猟犬』もうひとつのクリスティ

2009-09-24 00:40:06 | アガサ・クリスティ
THE HOUND OF DEATH AND OTHER STORIES 
1933年 アガサ・クリスティ

どちらかというと、ミステリーよりはオカルトに特化した短篇集。

表題『死の猟犬』は不思議な力を持ったシスターとその力を狙う男の話しです。
今で言う超能力者の壮絶な人生が描かれています。

他に好きだった物語をいくつか…

『ランプ(The Lamp)』
ランカスター夫人は父と幼い息子のジェフとともに古い屋敷に引っ越します。
その屋敷には子供の幽霊が出ると聞かされていましたが気にしませんでした。
しかしジェフは悲しそうな男の子が家にいると言い出します。

若い頃友人があるアパートで「幽霊が出るんだ」と言って四隅に盛り塩をしてました。
気にしなきゃ平気みたいね…
実は私は若い頃幽体離脱を経験したんですけど、夫は夢だと言います。
幽霊って思い込みなのかしら? 超常現象かしら? 謎は解けませんね。

『ラジオ(Wireless)』
心臓の弱いハーター夫人のために甥のチャールズがラジオをとりつけてくれました。
しかしそのラジオからは亡くなった夫の声が聞こえてきます。
ある晩、夫人は恐怖のために命を落とします。
その手から遺言書が滑り落ち暖炉の中へ…

悪事は報われないのさ、という教訓。
お分かりですね? チャールズは遺産を手にすることはできません。
自分が仕掛けた罠で窮地に陥ってしまったからね。

『検察側の証人(The Witness for The Prosecution)』
殺人容疑をかけられた青年の無実を信じたメイハーンは弁護を引き受けます。
しかし青年の妻は夫が犯人だと言いきり、裁判で不利な証言をしました。
そんな時、メイハーンは妻の証言を覆す貴重な手紙を手に入れました。

裁判で嘘の証言をしてはダメなのですよ!
でも相手が愛する人だったらどうしましょう?
人間の正義をとるか、愛を尊重するかは究極の選択で迷いますね。
のり◯ーの旦那はやっぱり薄情に思えちゃうものね。 いくら真実でも。

クリスティの今後の幅広さが垣間見える一冊です。
ミステリー、サスペンスにオカルト、スパイ小説もありますよね。
さらには恋愛小説まで…

オカルトとはいえ、きれいでジーンとくる話しが書かれています。
恐ろしさより人間の哀しさや儚さが印象に残りますよ。

クリスティの幅広さがうかがい知れる一冊
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オラニエ公フレデリク・ヘンドリク妃 アマリエ

2009-09-24 00:34:28 | オランダ王妃
義兄の意志を継いだ公妃
フレデリク・ヘンドリク妃 アマリエ・ファン
                  ソルムス=ブラウンフェルス


1602~1675/在位 1625~1647

フレデリク・ヘンドリクの前には、それぞれ母親の違う兄がオラニエ公を継いでいました。
フィリップス・ウィレムはコンデ公女エレオノールと結婚しましたが嫡子無し
マウリッツは生涯独身で庶子はいたのですが嫡子はいませんでした。

ソルムス=ブラウンフェルス伯の娘だったアマリエは、ブラウンフェルス城で育ち
ボヘミア王フリードリヒ5世妃エリーザベトの侍女になります。

      

フリードリヒ5世が皇帝争いに敗れてプファルツが攻められると
アマリエは妊娠中のエリーザベトと一緒に逃げることになりました。
けれどもハプスブルク家のフェルディナント2世からお達しが出ていたため
どこもフリードリヒ5世一家を受け入れようとしません。

やっと受け入れてくれたのがオラニエ公マウリッツです。
マウリッツの保護を受け度々宮廷を訪れている間に
弟のフレデリクがアマリエを見初めました。
侍女ですから愛人になっちゃうのが普通なのですが、アマリエは拒み続け
あくまで結婚を主張しました。

そんなふたりを端で見ていたマウリッツは、亡くなる時に結婚を約束させます。
というわけで1625年、フレデリクとアマリエは結婚しました。

マウリッツは着々と領土を拡大し、軍部を強化してスペインと争っていました。
この意志を継いだのはどちらかというとフレデリクよりアマリエで
ふたりは引き続き公国を拡大していきました。
ハウステンボスを含むいくつかの宮殿もこの時期に建設されています。

それからアマリエは縁談にとても熱心で、娘たちをドイツの王族たちに嫁がせ
息子のウィレムとイングランド王女メアリーとの結婚をまとめました。
もしかすると、仕えていたエリーザベト(イギリス王室出身)の口添えが
あったかもしれませんね。

フレデリクが1647年に亡くなリ、後を継いだ息子ウィレム2世が若くして亡くなると
アマリエは孫であるウィレム3世の後見人を務めています。

スペイン王フェリペ4世は、80年戦争終結後の1649年に
トゥルンホルト一帯をアマリエに譲渡しました。 領土はさらに拡大です。

マウリッツはアマリエの能力を見抜いていたのかもしれないですね。
愛人にはおしい!! と思って義弟に結婚を踏み切らせたのかもしれません。
アマリエもよくその期待に応えましたよね。

ちなみに、日本とオランダの交易はマウリッツの時代に始まっています。

(参考文献 Wikipedia英語版)
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『クロイツェル・ソナタ 悪魔』真面目な夫ゆえの悲劇?

2009-09-22 18:36:49 | ロシアの作家
КРЕЙЦЕРВА СОНАТА、ДЬЯВОЛ 
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ

表題2篇が収載されている1冊です。
物語に共通しているのは良き夫になろうと誓った男性を襲う悲劇。
パターンは違えど男性が抱える不変の苦悩ではないでしょうか?

『クロイツェル・ソナタ(Крейцерова Соната)/1891年』
夜汽車で愛について語りだした乗客たちの中に妻を殺したポズドヌイシェフがいました。
彼が雄弁に語る、妻を殺してしまった理由とは?
ある女性を愛して結婚したというのに、ふたりにはハネムーンから喧嘩が絶えず
結婚生活は敵対と憎悪の連続でした。
お互いがうんざりしていた頃、妻はモスクワ帰りの音楽家に心を奪われたようでした。

ボズドヌイシェフの女性観、結婚観はかなり偏ったものに思えないでもありません。
そんな男性が妻の心変わりに気がついた時… ああ恐ろしや。
しかし妻は本当に浮気していたのでしょうか?
その根拠は夜中に一緒に食事をしていたという事実しかないのですが…

『悪魔(Дьявол)』
借金だらけの領地を継いだエヴゲーニィは、軽い気持ちで村の人妻ステパニーダと
度々関係を持ちました。
町で出会ったリーザと恋に落ちて結婚した後は、ステパニーダのことは忘れていたのに
1年後に屋敷の手伝いに来ていた彼女を見た時から、エヴゲーニィの頭から
ステパニーダのことが離れなくなります。

昔の女が目の前に… どうします?
これは実話がもとになっている上に、トルストイ自身の体験談でもあるそうです。
妻のことは愛しているけど、他の女性も手に入れたいというジレンマ。
浮気癖のある男性の皆さん、浮気前にそんなに悩むものでしょうか?

ボズドヌイシェフとエヴゲーニィは、結婚前には女性問題があったとはいえ
それは独身男性ならば “ 健康維持のために当然のこと ” と認識していて
結婚後は妻一筋の家庭生活を送ろうと誓った男性です。

打算ずくで体面重視の人身売買もどきの結婚がまかり通っていた当時からいえば
ピュアな物語ですが、あまりにも夫婦のかたちに理想を求めすぎたのではないかしら?

ボズドヌイシェフはその理想を壊したのは妻だという思いが強すぎたために
エヴゲーニィはその理想を壊すまいと苦悶したために
悲劇的な最後を迎えるまでに自分を追い込んでしまったような気がします。

浮気… バルザック的フランス人なら後先考えずにやりそうな気がするし
モーパッサン的フランス人なら笑い話にしちゃうでしょうね。
その点主人公二人はかなり真剣に、生死をかけて考え込んじゃってます。
恋愛ぐらいで死ぬほどのことはないと思うがね…

夫婦なんてさ、愛なんてさ… と結婚前から考える必要はないと思うが
現実って甘美なものばかりじゃない、厳しいものなのよ

浮気をしようかどうしようかと悩んでいらっしゃるあなた!
解決への手がかりのひとつにはなるかもしれませんよ。

クロイツェル・ソナタ/悪魔 新潮社


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ミニチュア さらに家具を・・・

2009-09-21 00:11:28 | クラフト
友人に頼まれて作りかけのまま放置されているサーファーの部屋
気に入っているラタンの家具です。
麻のランチョンマットを使っています。

              
              アロマショップの丸テーブルです。
      石けんは百均の消しゴムをカット、バスオイルはまち針のアタマです。

           
               ウィンザーチェアのつもりです…
                つまようじを活用しています。

            
                  お茶用のテーブルです。

           
     シンプルな椅子ですが、これは初めて背もたれや脚にカーブをつけたものです。
        お湯で煮てからカーブさせ、固定したまま2日ほど乾かします。

最初の頃に作った家具は大きかった~
それからニスの塗り過ぎでベカベカしちゃってましてね…
可愛いデザインの物もあるのですが、惜しいことをしました。

環みかこ/ドールハウスのミニチュア小物―家具の本 日本ヴォーグ社


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この本は参考になりました


サーファーの部屋
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ミニチュア お気に入り家具

2009-09-21 00:09:40 | クラフト
ミニチュア家具の続きです。
一度カントリーな家具に凝って作ったもののひとつが上のサイドボードです。

              
        こちらは貴婦人の文机(のつもり)… 寝室なんかにあるやつね。

              
          これはワゴンのつもり、キャスターつきで動きます。

               
      以前本づくりに凝りまして、 何冊本の表紙をスキャンしたことやら…
             今思えば光沢紙で作ればよかったなぁ…
           その本を並べるのに本棚を作ったしだいです。

家具は主にインテリアショップや通販のカタログを参考にしています。
載っているサイズを12分の1にして、制作図を作り、板を切ったりヤスリをかけて…
本物の家具と行程は同じです。
使うのはノコギリでなくカッターナイフですけどね

ものによってはサンドペーパーをかけたり、淀んだ色の絵の具を塗ったりして汚します。

関美代子/ドールハウスを習う―部屋と家具づくりから オクターブ


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私の参考書のひとつです
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ミニチュアの無印良品 (⌒-⌒)

2009-09-21 00:07:56 | クラフト
「もっとミニチュアをのせなよ~」というSちゃんのアドバイスにこたえて
今日はミニチュア家具をアップしようと思います。

しかしめんどくさいんだよね
ミニチュアの写真撮るのって…小ちゃい白ホリスタジオ(椅子だけど)を用意し
デジカメで撮った後(一応)レスポンスして…でもあまり良くない出来映え…
お見苦しいけど許してくださいな。

上はおなじみ無印良品のキャスター付きの棚でございます。
ファイルや書類ホルダーも作ってみた。 色鉛筆はつまようじです。

             
          こちらは私もお化粧品を入れているチェストです。
            抽き出しもちゃんと開くようにしました。
             ゴミバコにはゴミも入れてみました。


          
                 テーブルと椅子です。
           ティッシュはなんだか気に入っていくつか作りました。
             椅子が低い気がする… 設計図書いたのにな…

ミニチュアワークの世界―小島隆雄のドールハウス小島 隆雄
学習研究社


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ミニチュア好きにおすすめの1冊、すごいですよ!
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オラニエ公ウィレム1世妃 シャルロッテ

2009-09-20 11:24:21 | オランダ王妃
看病疲れで命を落とす
ウィレム1世妃 シャルロッテ・ド・ブルボン


1546~1582/在位 1575~1582

シャルロッテは少女の頃、サン・バルテルミーの大虐殺を経験しています。
宮廷にも、サン・バルテルミーに賛成した父モンパンシェ公にもショックを受けて
1572年にカルヴァン派に改宗しました。
そして、両親の手が及ばないプファルツ領に行くと宣言したそうです。
         

だからネーデルラント方面に嫁に来たのかしら?
ウィレムもプロテスタントだし、当時ネーデルラントではスペインを追われた
プロテスタントの移民を大量に受け入れておりました。

シャルロッテは1582年に亡くなったのですが、どうやら暗殺未遂にあった
ウィレム1世の看病疲れが原因のようです。




              
夫の死を予期していた?
ウィレム1世妃 ルイーズ・ド・コリニー


1555~1620/在位 1583~1584

ウィレム1世は4度目の結婚をしますが、ルイーズは初婚でなく再婚でした。
ルイーズは17歳でシャルル・ド・テリニーと結婚したのですが
彼女の父親とともにサン・バルテルミーで殺されてしまいました。
         

1583年に結婚したルイーズは、バルタザール・ジェラールに注意するよう
再三ウィレムに警告していたと言います。
彼女には、バルタザールが邪悪な人間に思えたのです。
1584年、ウィレム1世はそのバルタザールに暗殺されました。

ルイーズは自分の息子と、シャルロッテが遺した6人の子供を教育し
プロテスタントの擁護者として人生を送りました。

奇しくもサン・バルテルミーで人生が変わってしまったふたりの女性が
ウィレム1世の公妃になっています。
片や虐殺者の娘、一方は犠牲者の娘で妻、まるでドラマのよう…
カトリックとプロテスタント、お互い違う立場で経験したのですが
いずれにしても心に深い傷を負ったにちがいありませんね。

(参考文献 Wikipedia英語版)
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『青い城』痛快! 生まれ変わった女の強さ

2009-09-18 01:04:29 | カナダの作家
THE BLUE CASTLE 
1926年 ルーシー・モード・モンゴメリ

あまりにも出来すぎた話とはいえ、少女マンガ気分で楽しめて
とっても面白かったですよ。

“ 青い城 ” というのは主人公のヴァランシーが思い浮かべるもうひとつの家。
そこではヴァランシーは美しいドレスを着て素敵なナイトに求婚されたりするのだが…

本当のヴァランシーはというと、威圧的な母や口うるさい従姉と息苦しい家で暮らし
専横で体裁ばかりのスターリング一族に取り囲まれて何一つ自由にできないうちに
29歳の誕生日を迎えてしまいました。
恋人いない、友達いない、好きな服も着れず勝手に出かけられず
許されているのはジョン・フォスターの本を読むことだけです。

ある日、胸の痛みに耐えかねてこっそり医者の診断を受けたヴァランシーは
心臓病でもう長くないと告げられます。

死を前にしたヴァランシーは、もう何も怖くないと心機一転!
口答えはするし親族をバカにするしで皆を呆れさせた上に
飲んだくれの大工の家の可哀想な娘を世話するため女中になって住み込みます。
さらに、前科者でならず者と評判のバーニィ・スネイスと結婚まで
どうなっちゃうの? ヴァランシー …

モンゴメリらしく、空想好きな女性の夢溢れる物語です。
しかも皮肉がたっぷりで笑えます。
途中から物語の展開は読めてしまいますが、セリフや人物描写が愉快で飽きませんでした。

モンゴメリはかなり多い登場人物のパーソナリティーを
数少ないセンテンスで存分に表現しています。
セリフひとつでその人柄がありありと浮かんでしまうほど… 感嘆です。

しかし『赤毛のアン』 のリンド夫人や『アボンリーへの道』のヘティ・キングといい
『青い城』のアメリア・スターリング(母親)といい、絶対にモデルがいると見たね!
モンゴメリがうんざりするほどのやかまし屋がいたはずよ。
作家になってからこんなに役に立って良かったですね

ヴァランシーはあまりにも抑圧されていたゆえに、空想の城に逃げ込んでいます。
現実逃避も度を超えると、ちょっとアブナイことになっちゃうかもしれないけど
できたらそんな満ち足りた場所を心の中に持っておきたいですね。

完全に “ 白馬の王子を待っていたらやって来た ” タイプの物語で
男性には面白くないかもしれませんが、字面を追っているだけでウキウキする
こんな本もたまにはいいんじゃないでしょうか?

ひとつクレームをつけるとするならば…
ヴァランシーが親族に、やけにオールド・ミスよばわりされることかしら?
29歳なんてまだまだ若いじゃないのっ! って言いたいわ。

青い城 篠崎書林


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私のは角川文庫です。こちらはモンゴメリ・シリーズがあるらしい。
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