SHORT STORIES OF D.H.LAWRENCE
D.H.ロレンス
なんだかんだ言ってロレンスの短編は好きで、福武書店版、新潮文庫版、岩波文庫版など
何冊か読んでますけど、この一冊が一番まとまっていない気がします。
作品の幅広さを見せたかったのかしら?
だとしても、どうも不発に終わってるんじゃないかしら?
既読の短篇集で読んだ時には気にならなかった物語が浮いて見えてしまったんです。
生意気言ってすみませぬ…
でも単品で考えれば好きな物語が多かったので、いくつかご紹介します。
『ストライキ手当(Strike-Pay)/1912年』
ストライキ手当をもらってノッティンガムにくり出した男たちの中に
新婚のイフレイムもいました。
手当を落としてしまったイフレイムは仲間からカンパしてもらい、少し飲んで帰ります。
家では新妻の母親が待ち構えていました。
内容は好きですよ、好きですけどそれはさておき、どうして方言を訳すと
関西弁や、「~だべ」「んだんだ」みたいな言葉になっちゃうんだろう?
言葉によって話しの雰囲気が大きく左右されちゃうのがイヤなんだし、
何もしないでいてくれた方が読み易いんだけどな…と思いませんか?
『薔薇園の影(The Shadow in the Rose Garden)/1914年』
ある夫婦が休暇で海辺の町を訪れています。
そこは妻が以前暮らしたことがある場所でした。
妻はひとりで薔薇園を訪れ、ある男性に会ってしまいました。
それはとても残酷な再会でした。
後半、妻に対する夫の質問が延々と続きます。
最初は遠回しに、そしてだんだん細部まで、そして嫌味たらたら… 予測通りの展開。
ジョイスの『ダブリン市民』の『死せる人々』もこんな感じでしたよね。
もう!ムカつくなら過去なんか聞かなきゃいいじゃない! と言いたくなっちゃう。
『英国、わが英国 -1915年版-(England,My England-1915 Version-)』
イーヴリンはまったく生活力のない男性でした。
働かないでも入ってくる収入の他は、妻ウィニフレッドの父親まかせです。
お互いの気持が離れつつあった時戦争が始まり、イーヴリンは兵士に志願します。
ウィニフレッドも義理の父親も大賛成でした。
愛国的なお話しなのかと思いきや、とても自分本位でエゴイズム溢れた物語に思えました。
でも庭仕事しかしなかった人がいきなり入隊するというのは、やはり愛国心ですかね?
モデルがいるらしいんですけど、書かれた方はたまらないんじゃないかしら? なんて
心配になったりして…
『薔薇園の影』や『英国~(別バージョン)』は既読でしたが訳はこちらの方が好きでした。
ロレンスっぽい、はっきりしないこの気持をどうしたら…という雰囲気は
そこはかとなく漂ってましたよ。
まったく個人的な好みですが、ロレンスの短篇は女性が主人公の方が好きです。
男性が主人公のお話しが多かったのが馴染めなかった原因でしょうか?
D.H.ロレンス
なんだかんだ言ってロレンスの短編は好きで、福武書店版、新潮文庫版、岩波文庫版など
何冊か読んでますけど、この一冊が一番まとまっていない気がします。
作品の幅広さを見せたかったのかしら?
だとしても、どうも不発に終わってるんじゃないかしら?
既読の短篇集で読んだ時には気にならなかった物語が浮いて見えてしまったんです。
生意気言ってすみませぬ…
でも単品で考えれば好きな物語が多かったので、いくつかご紹介します。
『ストライキ手当(Strike-Pay)/1912年』
ストライキ手当をもらってノッティンガムにくり出した男たちの中に
新婚のイフレイムもいました。
手当を落としてしまったイフレイムは仲間からカンパしてもらい、少し飲んで帰ります。
家では新妻の母親が待ち構えていました。
内容は好きですよ、好きですけどそれはさておき、どうして方言を訳すと
関西弁や、「~だべ」「んだんだ」みたいな言葉になっちゃうんだろう?
言葉によって話しの雰囲気が大きく左右されちゃうのがイヤなんだし、
何もしないでいてくれた方が読み易いんだけどな…と思いませんか?
『薔薇園の影(The Shadow in the Rose Garden)/1914年』
ある夫婦が休暇で海辺の町を訪れています。
そこは妻が以前暮らしたことがある場所でした。
妻はひとりで薔薇園を訪れ、ある男性に会ってしまいました。
それはとても残酷な再会でした。
後半、妻に対する夫の質問が延々と続きます。
最初は遠回しに、そしてだんだん細部まで、そして嫌味たらたら… 予測通りの展開。
ジョイスの『ダブリン市民』の『死せる人々』もこんな感じでしたよね。
もう!ムカつくなら過去なんか聞かなきゃいいじゃない! と言いたくなっちゃう。
『英国、わが英国 -1915年版-(England,My England-1915 Version-)』
イーヴリンはまったく生活力のない男性でした。
働かないでも入ってくる収入の他は、妻ウィニフレッドの父親まかせです。
お互いの気持が離れつつあった時戦争が始まり、イーヴリンは兵士に志願します。
ウィニフレッドも義理の父親も大賛成でした。
愛国的なお話しなのかと思いきや、とても自分本位でエゴイズム溢れた物語に思えました。
でも庭仕事しかしなかった人がいきなり入隊するというのは、やはり愛国心ですかね?
モデルがいるらしいんですけど、書かれた方はたまらないんじゃないかしら? なんて
心配になったりして…
『薔薇園の影』や『英国~(別バージョン)』は既読でしたが訳はこちらの方が好きでした。
ロレンスっぽい、はっきりしないこの気持をどうしたら…という雰囲気は
そこはかとなく漂ってましたよ。
まったく個人的な好みですが、ロレンスの短篇は女性が主人公の方が好きです。
男性が主人公のお話しが多かったのが馴染めなかった原因でしょうか?