まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『やさしい女・白夜』男心がわからないよぉ

2014-04-22 22:56:48 | ロシアの作家

ドストエフスキー

両方とも有名な物語ですよね。
ですが、私は共感できなかった2篇でした。

まず、ドストエフスキーに限らず、なのですが
“ 読者よ ” “ ◯◯してくれたまえ(してください) ” っていう風に書かれるのが
あまり好きじゃないのよ… これは私のワガママなのですけどね。

とりあえず2篇のあらすじをご紹介します。

『やさしい女/1876年』
ある夫が、テーブルの上に横たわっている若い妻を見つめています。
棺が来るまで、彼女との出会いから結婚まで、そして短い結婚生活の末に
彼女が死を選ぶまでを思い返します。
妻はもともと、彼が営む質屋の客で、他の客とは少し違っていました。

なんていうのかしら… 素直になりなさいよ、と言ってあげたいお話しです。
いわゆる年の差婚の夫婦で、しかも、恩を着せて結婚したような状態なのです。
恩を着せられた方は気まずいにきまってるじゃないのーっ!
独身生活が長い男性には、崩せない生活パターンがあると聞きますが
若い嫁をもらうなら、それぐらいの代償は覚悟してくれなきゃね!!

『白夜/1848年』
皆が別荘へ行ってしまって、静かになった夜のペテルブルクを歩いている時
運河で泣いている少女に出会い、また会う約束をします。
再会した彼女は、以前少女の家に下宿していた青年と結婚の約束をしましたが
家を出て行ってから音沙汰が無いと打ち明けました。

主人公の男性はかなりのロマンチストで、センチメンタリストと見ました。
私には、この人の話をずっと聞いているなんて無理です。
愛だの恋だのがわからぬまま「結婚」「結婚」と言ってるような二人だと思うの。
あんまり深刻にならない方がいいですよ、と言ってあげたいですね。
だけど女性の方は今後やり手になりそうな気がするわ…

2篇とも男性の “ 考えすぎ ” がもたらした悲劇という感じです。
『やさしい女』では、夫が “ 自分は、夫婦はこうあるべき ” という
自分なりの形式にこだわりすぎてるし
『白夜』では、主人公が自分の夢想の恋に憧れすぎだってば。

ドストエフスキーはあまり読んでいませんが
これなで男性登場人物陣にはけっこうイライラさせられてきたのよね。
ちまちま悩んで、ちょろちょろ動き回り、めそめそ嘆く… ってタイプ。
ドストエフスキーって、豪快な人だと勝手に思ってましたけど違うのかしら?
それとも、自分とはかけ離れたタイプを茶化していたのかしらね。

染色体から考えると、男性の方が気が弱いってことですよね?
だからどうでもよさそうなことにいちいち順番をつけたり、ルールを決めたりするのかな?
ちぃぃぃさなことを時間をかけて(クヨクヨ)考えて、勝手に悩める人になるのかな?
いざという時は、女性の方が思い切りがいいし、白黒ハッキリしてると思いません?
女心は複雑だとよく言われますが、男心の方がなんだか複雑に思えるのは私だけでしょうか?

ひとことドラマコーナー
韓流にはまる前はほとんどドラマを見ていなかったわたくし、あの、わざとらしく、力づくで丸くおさめる
橋田ワールドに前回どっぷりはまり、『なるようになるさ シーズン2』の放送開始にウキウキです
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ポーランド公ヘンリク4世妃 コンスタンツィア

2014-04-15 22:00:32 | ポーランド王妃
            肖像画はマネッセ写本のヘンリク4世のところに描かれていた
             女生(と思われる画)から、花持って一番目立ってる人を選んでみました


なんだか漠然としている王妃
ヘンリク4世妃 コンスタンツィア・ヴォジスワヴスカ


生年不詳~1351/在位せず

レシェク2世とグリフィナにお子様がいなくて、後継者でまたまたもめたポーランドで
最高公になったのは、文武両道の誉れ高いヘンリク4世です。

ヘンリク4世は短い生涯の中で2回結婚していて、一人目がコンスタンツィアです。
           
ただし、コンスタンツィアについては詳細に記されたものが無く
名前もコンスタンツィアではないという意見もあるそうです。

オポーレ公ヴワディスワフ・オドニツァの公女なのですが、姉妹であるマルガリェタ、
あるいはグジェミスワヴァと混同されているという説もあります。
生年月日も不明です。

結婚した年も不明で、おそらく、1277年から1280年の間だとされています。
ヘンリク4世が投獄された1277年が有力だそうですが
一説によると、コンスタンツィアの兄が「妹は若すぎる」という理由で
結婚の延期を申し入れたということで、1265年前後の生まれでは? と推測されています。

だいたい、結婚したかどうかも定かじゃないのだが
オポーレ公が、ヘンリク4世を「義理の息子よ」と呼んでいたという記録があって
それで、オポーレ公の公女と結婚してたのではないか? ということになったそうです。
でもさ、よくお気に入りの若者を「息子よ」とか「娘よ」って言う人いるじゃない?
そのパターンだったらどうするのでしょう? この説台無し…
ちゃんと記録されているということは、本当に義理の息子だったということかしら?

もちろん政略結婚なので、めんどくさいことは省きますけど
ヘンリク4世がドイツのルドルフ1世にしかけた戦争が関係しているようです。
オポーレ公はヘンリク4世支援派でした。

ところが、オポーレ公が1281年か82年に亡くなりました。
これを機にヘンリク4世がコンスタンツィアを遠ざけるようになります。
本当かどうかはわかりませんが、コンスタンツィアが不妊ということも理由になって
早々に離婚されてしまいました。
ちなみに、ヘンリク4世と再婚相手のマティルダの間にも子供はいません。

離婚された年も不明ですが、ヘンリク4世が1287年前後に再婚しているので
それまでには別れていたってことになりますね。

離婚されたのではなく、結婚後しばらくして亡くなったという説もありますが
離婚後は、兄のラチブシュ公ミェシュコ1世からヴォジスワフの領地をもらって
1351年まで暮らしていたとも言われていて… どっちが正しいのでしょうね?

1351年まで生きていた説を信じるとすると、離婚後のコンスタンツィアは
ラチブシュの統治者と見なされていて、かなり尊敬を集めていたらしいです。
言い伝えでは “ ヴォジスワフの貴婦人 ” と呼ばれていたらしく
現在では、コンスタンツィアの名がついた通り・学校・記念樹などがあり
市場にはコンスタンツィア像が建っています。

コンスタンツィアは再婚はせず、1351年に亡くなりました。
死因はペストです。
しかしながら墓所も不明。
1992年にラチブシュの修道院を発掘した際、40歳前後の女性が納められた棺が見つかり
碑文には感染症で亡くなったと書かれていました。
だからって、これがコンスタンツィアかどうかははっきりしていません。

中世初期には、完全に身元不詳の妃も多いし、伝説の粋を出ない妃もたくさんいますが
コンスタンツィアの場合、ある程度まではわかっているのに
「いや、そーじゃない、あーじゃない」という説がついてまわり、なんかモヤモヤしますね。

私としては、離婚後は立派に領土を統治して、尊敬されながら亡くなったという説を
強く推したいですね! 根拠はないけど…

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことゲームコーナー
先日始めた “ ほしの島のにゃんこ ”  買うべきものはほぼ手に入れ、今は土地を増やすのに夢中です
そのためににゃんこを不眠不休で働かせてる状態… なんだか昔の領主の気持がよくわかるっていう…
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『頼むから静かにしてくれ』チリも積もれば大きなイライラ

2014-04-07 22:59:01 | アメリカの作家
THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CAEVER I 
レイモンド・カーヴァー

先日『レイモンド・カーヴァーの子供たち』を読んで
カーヴァー自身の話をあまり覚えてないな… と思い、読み返してみました。

この本には22篇おさめられていますが、覚えていたのは一篇だけでした。
初めて読む本のような気持ちで読めて得した気分。

気になったお話しをいくつかあげてみます。

『ダイエット騒動(They're Not Your Husband)/1972年』
妻をスリムにしようと協力してくれる旦那はありがたいけど、動機が不純?

『あなたお医者様?(Are You a Doctor?)/1973年』
妻が出張中の男の家に電話をかけてきた、未知の女の、強引さがすごい!
なにが彼女をそうさせるのかが不明。

『収集(Collectors)/1975年』
失業中、郵便でくる通知を待っていたら、やってきたのは掃除機のデモンストレーターで
家に入ると、強引に各部屋に掃除機をかけました、っていう話なんですけど
私はこれと同じような体験をしたことがあるんですよね! ということで印象に残りました。

『他人の身になってみること(Put Yourself in My Shoes)/1972年』
嫌がらせ半分で他人の家を訪ねたら、逆にいや~な気分にさせられちゃう話し。

『こういうのはどう?(How About This?)/1970年』
田舎暮らしがしたい! と望んでいる人に、夢と現実の違いを突きつける一編。

とりあえずこれぐらいあげてみましたが、他の話も概ね面白く読めました。

どの話も、町中にゴロゴロ転がっていそうな事がテーマになっています。
たぶん、当事者じゃなければどうでもよくて、たいした問題じゃないエピソード。
その日のテーブルでは話題になっても、次の日には忘れていそうな事が中心で
とても共感しながら読むことができました。

反面、どの話にもちょっとイライラさせられました。
かみ合わない会話とか、いちいち気に障る人、堂々巡り
なかなか抜け出せない…ひとりだけ浮いてる…というシチュエーション、などなど…

たしかに、各々の話が面白いことは面白いのですが
22篇続けて読むと、最後の方にはイライラが大きな塊になってました。

これは、たぶん、作者がわざとそうしているんだと思うのですがどうでしょう?
そしてそれがすごく上手いの。
日々の暮らしの中にはイラつくことやムカつくことがちょこちょこありますよね。
そういう出来事の中から、面白い話になりそうな部分を上手く切り抜いて
巧妙なペンさばきで再現しているような一篇一篇でした。

カーヴァーは何冊かあるので、他の話もそうなのか読んでみようと思っています。

ひとこと漢方コーナー
高麗人参の蜂蜜づけというものを大量にいただいたのね。ものすごく体に良いのはわかっているのだが
独特の苦みがあってパクパク食べるというわけにもいかず… 食べ方をいろいろ探している今日この頃です
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『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』幻想より現実がの方が怖いかも…

2014-04-04 00:28:28 | イギリス・アイルランドの作家


以前読んだ『短篇小説日和』が面白かったので、こちらも読んでみました。

怪奇となっていますが『イギリス怪奇傑作集』でも書いたように
ただおどろおどろしいというわけではなくて、なんだかしっとり落ち着いた怖さです。
こちらの一冊には、イギリス以外の作家のものもおさめられているのですが
選者(西崎憲氏)の趣味なのか、 “ 英国流 ” が選ばれている気がする…

18篇の中から好きだったものをいくつかあげてみます。

『喉切り牧場(Cut Throat Farm)/1918年 ジョン・デイヴィス・ベリズフォード』
新聞広告を見て休暇を過ごしにやってきた農場は貧しい土地にありました。
いつも包丁を研いでいる主人もその細君も、陰気で退屈な人たちで
楽しみといえば、農場で飼われている一匹の元気な子豚だけでした。
二人は家畜をつぶして食卓に並べていたようですが、数日後、とうとう子豚が消えました。

ショッキングな題名ですね!
暗い雰囲気の話が並んでいる中にあって、この話だけは笑えました。
本当は笑っちゃいけないんですけどね。

『ターンヘルム(Tarnhelm:or the Death of My Uncle Robert)
             /1933年 ヒュー・シーモア・ウォルポール』
少年時代、両親がインドにいた頃、あるクリスマス休暇を
カンバーランドにいるロバート伯父とコンスタンス伯父の屋敷で過ごすことになりました。
ある日、ロバート伯父と伯父の召使いしか入ってはいけない塔に招かれて行くと
奇妙な僧帽を見せられました。

さすがイギリス、黒魔術的なお話しです。
本筋とはあんまり関係ないと思うのですが、私が注目したのはコンスタンス伯父。
彼が最後にどう動くのか、ものすごくものすごく気になりました。

『失われた船(The Lost Ship)/1898年 ウィリアム・ワイマーク・ジェイコブズ』
ごく静かな港町テイトビーの期待と誇りを受けて出航した船は
数ヶ月後の到着予定が過ぎても戻りませんでした。
何年もの月日がたち、夫や子供を亡くした人々たちの記憶も薄れていきました。
ある晩、ひとりの老女の家に、年をとって変わり果てた息子が帰ってきます。

これは怪奇というのかどうかわかりませんが、不思議な話ではあります。
不思議だけどすごく哀しい… お母さん、元気を出してね。

それ以外に印象に残っているものといえば…
コナン・ドイルかな? シャーロック・ホームズ以外の話を読んだのは初めてです。

それから、エリザベス・ボウエンの『陽気なる魂(The Cheery Soul)』
これを読んですぐに『優しすぎる妻』におさめられていた
ライア・マテラの『破滅の天使(Destroying Angel)』という話を思い出しました。
シチュエーションはまったく違うのですが、はめられちゃって逃げようがないという
窮地におかれた女性が哀れでねぇ…

ほとんどのお話しがハッピーエンドではなくて、人も死んじゃうという本ですが
残酷な本を読んでしまった… という気はしていないですね。
途中から“ 怪奇 ” というジャンルの意識無く読んでいました。

どちらかというと、幽霊・悪魔・妖精などが出てくる話よりは
人間だけで展開している話の方がゾッとしました。
こういうのを読み続けていると、人間不信になっちゃいそうです。

ひとことK-POPコーナー
昨日はお休みでしたが、お昼前にゆうパックが届いて、去年のクリスマスのSHINeeの思い出に浸っているうちに
一日が終わってしまった…本当に旦那さんに申し訳ないと思っています。 思っているから許してねぇぇ
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『花ざかりの森』上っ面をなぞってみました

2014-04-02 22:00:22 | 日本の作家

三島 由紀夫

これまで三島由紀夫を何冊か読んでまして、それなりに楽しく読めていたのですが
これはダメだった~ 、特に前半。
何度放り出しちゃおうと思ったか… 100円でよかった。

9篇の物語がおさめられています。

何が苦手だったかというとね…
美しい言葉を選び、単語の順序も美しく響くよう気を配り、などと
細心の注意を払って書いているのでしょうか? とてもとても綺麗な文章です。

だけど、比喩に比喩を重ね、修飾に修飾を施し、ってな感じで
くねくね曲がり、どこにつながっているのかわからない道を進んでいるような感覚?
いったい何が言いたいんだよ~、キーっ となること数知れず…でした。
私には難しくてわからなかったわけだが、こういうのが耽美派の神髄なんですかね?

なので文章の意味するところを考えるのは放棄し、綺麗な単語をひたすら目で追う、という
読み方に切り替えてみたら、物語としてはそれなりに楽しむことができました。

印象的だったのは、むかしむかし…的な話の数々でした。

『みのもの月/1942年』
女から男へ、心が離れてしまったことを責めるような手紙。
男から女へ、他に好きな女性ができたことを打ち明ける手紙。
女から男へ、未練たらたらに思える手紙。
男から女へ、音信不通をなじる手紙。

通い婚って平安時代でしたっけ? これはその通い婚の話みたいで
二人には娘がいるのに、男性が女性の家に寄り付かなくなったみたいなんですよね。
前々から、通い婚って男性が飽きたらどうするんでしょ? と思っていたのですが
そうか… こうなるか… と読んでいたら、驚きのラストでした。

『中世/1946年』
25歳にして世を去った足利義尚の父義政は、深い悲しみに暮れていたが
儀式を行わせた美しい巫女を侍らせることにする。
義尚の寵愛を受けていた猿楽の菊若は、霊海和尚を訪ね剃髪を願いでたが
菊若の美しさに魅了された和尚が拒む。
義政の前に、どこからか大きな亀が現れる。

室町時代の話? 
悲しみを紛らわせる良薬が、若い女性たちをとっかえひっかえ
寝所に入れることだという発想といい、性欲に溺れる高名な聖職者といい
君主の絶対的権力といい、洋の東西を問わない中世的な内容になっております。

『軽皇子と衣通姫 -かるのみことそとおりひめ-/1947年』
皇后が、亡くなった前天皇の陵を訪ねようとしていた夜道で
妹であり前天皇の愛妾でもあった衣通姫に出くわす。
姫は天皇の死後、天皇と皇后の長男である軽皇子と愛し合っていた。
それがもとで、軽皇子は後継の座を弟に奪われ、伊余へ流されていた。

旦那も息子も奪った妹は憎かろう… というわけで
姉と妹の壮絶バトルが繰り広げられれば面白かったのですけどね、違います。
ただ、最後の最後に勝ったのは、姉の皇后だったような気がしました。
行いの立派な人の言うことが正しい! と言っているような印象を受けました。

ノスタルジックな話が多く、面白くないテーマじゃなのですが
なにしろ読み通すことに疲れてしまいまして…
誰か削りに削った簡単な文章で書き直してくれないかなぁ、と考えたほどでしたが
三島文学、だいなし…ってことになっちゃいますよね?

ひとこと消費税コーナー
5%から8%になるっていうんで買いだめ… はしなかったんですけど、店の値札替えが死にそうだったさ!
来年また上がるんでしょー こっちの苦労も考えてよね!言ったとおり景気が潤わなかったら許さないからね!!
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