まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『とんがりモミの木の郷』贈り物のような物語

2019-12-04 18:36:50 | アメリカの作家
THE COUNTRY OF THE POINTED FIRS 
1890年 セアラ・オーン・ジュエット

相変わらず新しいパソコンが使いこなせずにおります・・・

セアラ・オーン・ジュエットは『レズビアン短編小説集』に収められている
『マーサの愛しい女主人』しか読んだことがないのですが
すごく気になっていました。
それで書店で見つけた時、嬉しくて嬉しくてダッシュ買いです。

この本には他に5篇の短編が収められているんですけど、この『とんがりモミの木の郷』が
半分以上を占めていますし、なにより素敵だったのでまずこちらだけ紹介します。

作家と思われる主人公の女性が、以前訪れて心惹かれた海辺の町
ダネット・ランディングを再訪したところから物語が始まります。
彼女は一夏をその町で過ごすため、ミセス・トッドの家を下宿先に選びました。

物語は21章から成り立っていて、各章に魅力的な人物やエピソードが登場します。
全部紹介できると良いのですが日が暮れてしまふ・・・ということで
ものすごく好きだった章をいくつか書いてみます。

8章の『グリーン島』
ミセス・トッドの母が暮らすグリーン島をボートで訪れます。
86歳の魅力的なミセス・ブラケットとの素敵な一日が始まります。
グリーン島でのエピソードは、11章の『老いた歌い手たち』まで続きます。

13章の『気の毒なジョアンナ』
ミセス・トッドの夫のいとこで、恋に破れて貝塚島という無人島で
独りでで暮らして生涯を終えたミス・ジョアンナ・トッドのエピソード。
15章の『貝塚島で』まで続きます。

20章の『海岸に沿って』
人気のない海岸を歩いていて出会った老漁師イライジャ・ティリーの家を訪ね
八年前に亡くした妻がいた時と同じように暮らしている老人から
亡き妻の話を聞きます。

お話は21章で女性が汽船で島を発ち、島影が見えなくなるところで終わります。
ミセス・トッドでなくても泣けてくるね・・・

大事件がおこるわけではないけれど、島独特の日々の出来事が
とても優しく穏やかで、ついこの島を訪れてみたくなります。

大勢の親戚・姻戚たち、不思議な言い伝え、海風を読む人々
平穏な日々と厳しい自然、冬の間靴下を編む漁師たち・・・

モームが描く南洋の島も魅力的ですが、北方の島の人々の寡黙さと勤勉さは
なんだか心にジーンとくるものがありますね。
そんな島の人々の暮らしを、愛おしい目で見つめながら描いた
日記と呼ぶには美しすぎる作品でした。

解説を読んで驚いたよ!この作品の舞台は(モデルはあったかもしれませんが)
架空の島だそうです。 すごいですね。
しかも連作があるらしい・・・早く翻訳がでないかしら。

とにかく、2019年の今、セアラ・オーン・ジュエットを発行してくださった
河島弘美さまと岩波書店に深謝です!!

新たな翻訳本を心待ちにしております
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね




ひとことお笑いコーナー
アンタッチャブル!! 嬉しかったよぉ 何度も見ちゃったよぉ 完全復活といっていいのでしょうか?
むかし柴田さんの動物ブログをフォローしてたんだけど、今はやっていないのかしら? おもしろかったよね
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『スーラ』誰が主人公か悩むわ・・・

2019-10-25 21:47:20 | アメリカの作家
SULA 
1973年 トニ・モリスン

トニ・モリスンは数冊しか読んでいないので大きなことは言えませんが
『スーラ』はいつになく身近な内容に思えました。
もちろんありがちな話ではないのですが、突拍子もない設定や
時代が何代も遡るという流れではなくて、日常的な展開の物語でした。

ただ日常的とはいっても、何度も盛り上がりのあるドラマティックなストーリーです。
けっしてありふれた町の暮らしの話ではありません。

メダリオンのボトムという黒人が多く住む集落が舞台で
スーラ・ピースとネル・ライトという少女が親友になり、大人になっていくお話です。

ドラマで女同士の友情が描かれていると、たしかに、途中でけんかしたり
同じ人を好きになって気まずくなったりするものですが
だいたい「やっぱり友だちが最高よね!」てな感じで終わるものですよね。

この物語の中でも同じようなエピソードがあるのですけど、かなり激しいです。
うーん・・・説明するのもあらすじを書くのも難しい・・・

何人かの女性が登場しますが、みなキャラクターが強くて
誰が主人公でも物語が一冊書けそうです。
とりあえずその人たちを紹介してお茶を濁しちゃおうかしら・・・

まずエレーヌ・ライトが登場します。
ネルの母で、クレオール人の娼婦を母に持ち、祖母に娼館から連れ去られて
母親から隠されて育ちました。
完璧な妻でと母であろうと務め、ネルを愛情というよりは義務として厳しく育てます。

エヴァ・ピースはスーラの祖母で、家族の絶対的権力者です。
夫に捨てられ極貧の中三人の子を育てていましたが、子供を隣人に託して出て行き
一年半後に戻って来た時には、片足を失い、大金を携えていました。

ハナはエヴァの次女で、スーラの母。
夫に先立たれエヴァの世話をしながら暮らしています。
地味で飾り気のない女性ですが、とにかく男好きする女性で
町中の妻たちの怒りを買っていました。

そしてネル、スーラの親友です。
「友だちを作るな」という母親に初めて反抗してスーラと友だちになりました。
激しい気性のスーラと対照的ですが、実はスーラを支配するところがあります。

スーラは大家族の中でほったらかしにされて育ちました。
人の死に立ち会ってもを表情を変えないようなところがありますが
ネルのために自分のからだを傷つけるような激しさを持っています。

女性陣だけでもエピソード満載なのに、さらに一癖も二癖もある男性陣が多数
スーラやネルに絡んできます。

結果的に言うと、スーラとネルの友情は壊れます。
スーラは町中の人たちに嫌われ、病気になっても薬代にも事欠き亡くなります。
しかしスーラが亡くなったことで、町の人たちに大きな悲劇が起こります。

とにかく事件がいろいろありすぎて書けないんだけどね。

おもしろかったのは、なんだかんだいってスーラもネルも
あまり愛情を抱けなかった母親のような女性に成長していたみたいな気がしたことです。

トニ・モリスンが女同士の友情を描きたかったという物語ですが
正直ヘヴィだった気がする・・・
ただ「やっぱり友情よね!」ドラマよりリアルな気はします。
多感な時期をずっと一緒に過ごしたからといって、何があっても友だちでいられる訳はなく
全てを分かり合えていたと思っていても、いつか相違点がさらけ出される・・・

できたら友だちとはそういうことにはなりたくないですね。

毎回引き込まれてしまうトニ・モリスンの世界
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


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『模造記憶』文系なものでね…

2019-08-23 17:29:03 | アメリカの作家
WE CAN REMEMBER IF YOU WHOLESALE AND 11 OTHER STORIES 
フィリップ・K・ディック

フィリップ・K・ディックは『ウォー・ゲーム』『人間狩り』『地図にない町』
読んだことがあります。
SFが苦手なわたしでもとても楽しめたのですが、『模造記憶』はぜんぜんダメでした。

なぜか?
わたしは、科学と化学の違いもわからず数学もダメで、高校2年の時に
“ 私立文系 ” という進路を選んでから一切関わりを持たずに生きてきました。

これまでの三冊と違って『模造記憶』は、なんていうの?
“ 法則 ” とか “ 仮説 ” とか、そういう科学っぽい内容が多いのよ。
それが本当にある法則なのか嘘なのかもさっぱりわかりませんが、読んでいて
苦しかった科学・化学の授業が思い出され、感情移入するどころじゃありませんでした。

だから、わかる人が読んだらすごくおもしろいのかもしれません。
大爆笑ものの法則とか「あ〜、ありそう!」なんて現象があるのかもしれない…

あと、メンタルな病系の話しが多くて、ちょっとドンヨリしましたね。

そんなわたしでも楽しめたお話しをいくつか…

『あんな目はごめんだ(The Eyes Have It)/1953年』
ある日、誰かがバスの中に忘れて行ったペーパーバックを読んでいたわたしは
他の惑星の生物による地球侵略を知ることになった。
その生物は好き勝手にからだをバラバラにしたり顔のパーツを取り外したりできるらしい。

これは単純に笑える!! これを読んで以来いろんな描写が気にかかる…

『囚われのマーケット(Captive Market)/1955年』
土曜日、バーセルスン夫人は、自分だけが商売できるその場所へオンボロトラックで出かけ
一方、放射能灰で侵されたキャンプ地では、夫人の荷物を心待ちにしていた。
今回の荷物が届けば、地球を脱出することができる。

夫人はたぶん、核戦争で荒廃した未来に商売をしに行ってるんだと思うんだけど
商魂逞しい人でなくて、未来のことを案ずる政治家なんかが行ってれば
状況は変わるんだろうか? そうも思えない気がするんだけどね…

『ミスター・コンピューターが木から落ちた日
    (The Day Mr.Computer Fell Out of its Tree)/1977年』
ジョー・コンテンプタブルが目覚めた時からコンピューターの具合がおかしく
出てくる朝食も揃えられた洋服もメチャクチャだった。
国中がそうなっていて、ミスター・コンピューターのイタズラをやめさせるため
地中深くで暮らしているミズ・シンプソンが呼び出された。

笑い話っぽいラストだけど… だからわたしはAIは恐ろしい!! って思ってるわけよ!
人間よりはるかに知識量が多い物が、人間の操作を待たずに自分で行動しはじめたら
世の中はどうなっちゃうんだよぉぉ!

てなことを言ってる時点で科学弱すぎ!! なんでしょうね。

コメント (2)
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『なんでもない一日』ローリー大活躍

2018-06-22 22:15:52 | アメリカの作家
THE SMOKING ROOM AND OTHER STORIES:A COLLECTION 
シャーリィ・ジャクスン

まだ長篇を読む勇気は出ないんだが『くじ』が面白かったので手を出してみました。

なんでもシャーリィ・ジャクスン没後に、息子さんと娘さんが納屋で見つけた
未発表原稿や、単行本未収載など54篇をおさめてアメリカで出版された
短篇集『Just on Ordinary Day』から、30篇を選び出したものらしいです。

未発表ということは本人が気に入っていなかったということかしら?
それとも、若くして亡くなっているので短篇集を編纂する時間がなかったのかしら?
いすれにしても『くじ』と比較しても遜色を感じませんでした。

30篇のお話しは、ものすごーくざっくり3パターンにわけることができると思います。
ちょっと背筋が寒い感じの恐ろしさを孕んだストーリー。
日常的な人々の会話や行動が、読み進むにつれてもやもやもや…としてくるストーリー。
(ブラックめな)ユーモアを描いたストーリー。

印象的だったお話しをいくつかご紹介しますね。

『悪の可能性(The Possibility of Evil)/1966年』
祖父の代から町で暮らしているストレンジワース家の、71歳になるミス・アデラは
町の人々に目を配り、人々からも一目おかれている。
その日も買物に出かけ人々と会話を交わし、帰宅するといつものように手紙を書き始めた。

ミス・アデラ… すごく立派な婦人なんですよ、見習いたいです、と言いたいところですが
善行がいきすぎて困った人になってしまってます。
こういう人はわりといそうな気がするけどね…

『レディとの旅(Journey with a Lady)/1952年』
心配性の母を振り切り、ひとりで列車に乗っておじいちゃんの家に向かう9歳のジョセフ。
せっかくの旅が、隣に座った若い女性のせいで台無し… と思っていたら
列車に警官が乗り込んで来た。

内容はありがちですぐ展開が見えてくるんですけど、面白かったなぁ。
ジョセフと女性の会話がね、 “ どっかで読んだ感 ” を補ってあまりある、って感じかしら。
そして爽快な読後感… 褒められた話しじゃないんですけれどもね。

『車のせいかも(Maybe It was the Car)』
いろいろな事が原因かもしれないが、夫の生徒が言った一言も気にかかり
車に乗ると40マイルほど走り、コロニアル風のホテルに泊まった。
翌日ホテルを出ると、町外れで売りに出されている田舎家に目をとめた。

結局奥さんは一泊して家に帰るんですけど、どうやら家族は慣れっこみたいです。
主人公は作家ということで、もしかしたら本人たちがモデルになってたりするのかな?

他にいくつか印象に残っているお話しがあるのですが、どう説明してよいのやら…
とにかく “ 延々と ” というイメージのストーリーで、例えばね
『メルヴィル夫人の買い物(Mrs.Melville Makes Purchase)』というのは
クレーマーっぽい夫人が百貨店でずーっとイライラさせられて文句タラタラ、ていうのを
『S・B・フェアチャイルドの思い出(My Recollection of S.B.Fairchild)』は
買い物した商品が不良品で、代金払わん! 代金払え!! というのを
なんのひねりもなく書き続けているんですよ、最後はオチるけどね。

つまらなそうでしょ? それが面白いんですよね。
リアルバラエティで誰かを追っかけてる感じかなぁ? 
でも映像にしたらつまらない気もしますけど… 不思議なんだけど読むと面白い。

それから最後の方は、ローリーという少年が大活躍です、あまり良くない感じで。
ローリーというのは、作者の息子さん(ローレンス)と同じ名前なのよね。
思春期の息子を抱えたママの不安と不満を見事に表しているんだろうか?

いろいろな意味で読み応えがある一冊でした。

私が勝手に描いてたシャーリー・ジャクスンのイメージをぶち壊す!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね




ひとことテレビコーナー
『孤独のグルメ 韓国出張編』おいしそうだったですね〜 あぁぁ…行って食べたい! 小皿ワールドに埋もれたい!! 
ソン・シギョンさんの人柄の好さが炸裂! 今ちょうどKstyle LIVEで見えるラジオやってらっしゃいますね


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『Front Row アナ・ウィンター』伝記だけど…褒めてんの?

2017-09-07 19:51:55 | アメリカの作家
FRONT ROW ANNA WINTOUR 
2005年 ジェリー・オッペンハイマー

わたしは自己啓発本とか、成功した人のバイオグラフィーとかはほとんど読まないのですが
旦那さんが仕事がらみで購入してたので、せっかくだから読んでみました。

アナ・ウィンターと聞いてピンとこない方も、『プラダを着た悪魔』の
編集長のモデルと聞けば、なんとなく想像がつくのではないでしょうか?
もっとも、アナモデル説は、作者(ローレン・ワイズバーガー)が否定してるらしいです。
でも作者はアナの下でしばらく働いたことがあるのよね〜

で、内容はというと、アナの生い立ちが、両親の出会いから書かれていて
編集者になるまでとなってから、ヴォーグのエディターになって編集長になるまで
あとは恋愛を含む私生活のこととか、スキャンダルのことなどなど…です。
しかし、本人はこの本の出版をOKしたのかしら? 謎だわ。

もちろん、アナ・ウィンターは成功しているわけで、どのように登りつめたかというのが
最大のテーマだと思うんだけど… うーん、よくわかんない、何が言いたいんだろうか?

アナは、有名なジャーナリストの娘さんで、子供の時からファッションと美容に熱心でした。
小学生の頃からお肌とヘアケアのエステに通って自分磨きをしてました。
高校生になると、最先端の服を着て、有名人が集うクラブ通いをしてました。
制服がイヤだからと転校したり、制服をオシャレにリフォームして退学になりました。
つまり、スジがね入りのファッション・フリークなのね。

だから高校中退で大学も専門学校にも通わなかったのですが
ではなぜ一流紙のエディターになれたのでしょうか?

とりあえずは、父親のコネで雑誌業界に飛び込んだアナは「いつかはVOGUEに!」という
野望を胸につきすすんでいきます。

いいところはあるのよ。
効率よし・仕事熱心・ひらめきがすごい・人脈づくりが上手い… etc

その一方、とりあえず、お若い(下っ端の)頃からワガママです。
嫌いなヤツはいびり出す・ミーハーで・男性(特に上司)に取り入るのが上手らしい。
他人は怒り倒しても、自分が人前で怒られるとボロボロ泣く。
人のアイデアは盗むし、人の出世は邪魔するし、ってなわけで、やなヤツじゃない?

褒めといてけなす、持ち上げて落とす、褒めたたえる人のコメントがあってからの
「ヒドい目にあわされた」というコメント、の繰り返しで、だんだん飽きてきた。
けっこう分厚い本だったのよね。

どちらかというと、悪口の方が多かった気がします。
ふつう、こういう本って主役を褒めるもんじゃないの?

一番の驚きは、アナ・ウィンターって文才がないんですってさ!
あと、自分の企画や構想をプレゼンする能力がないんですと!! よく編集者になれたもんだ。

それでも雑誌業界・ファッション業界の女王になれたのは◯◯◯だからだ! という
説得力がないのよね。

美人でスタイルがよくて、オシャレへの関心は誰にも負けない!
でも文才とプレゼン能力がなく、高学歴でもないんだけど
どんな手を使ってもファッション雑誌の編集になりたい…という方には
なんらかの教訓が含まれているかもしれません。 おすすめはしませんけど…

おすすめはしないんだが・・・
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ひとことK-POPコーナー
キソプ、大丈夫でしょうか? U-KISSペンのKちゃんもとても心配してましたが…
だいたい、なぜそんなに危険な撮影をアイドル本人にさせちゃうかしら? 美しい顔に傷が残ったらどうするのよ〜!!


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『ウォー・ゲーム』想像がふくらむ一冊

2017-08-23 19:01:19 | アメリカの作家
WAR GAME 
1952~1959年 フィリップ・K・ディック

以前『人間狩り』を読んで、腹一杯警告されたわたしですが
本棚でもう1冊見つけたので読んでみました。

『人間狩り』の作品と、ほぼ同時期に発表されている作品のようですが
こちらは少し幅広い内容になっているみたいです。
わたしたちに警告を与えようとしているような物語から、純粋にSFと感じられるもの
そしてオカルトっぽいお話しまで収載されています。

印象に残ったお話しをいくつかご紹介しますね。

『偉大なる神(Great C)/1952年』
今年もまた、グレートCに3つの質問をするために選ばれた青年メレディス。
一年がかりで考えた質問に全て答えられてしまうと、戻って来ることはできない。
グレートCに会いに行き、戻って来た者は今までいなかった。

グレートCとは、どうやら自分で進化してしまったコンピューターみたいです。
でもって、人間はものすごーくおバカさんになってしまっているようなのね。
一年がかりで長老が考えた質問の内容が… 小学生並み… 検索に頼りすぎるとこうなるのか?

『有名作家(Prominent Author)/1954年』
ヘンリー・エリスは、会社で開発中の、瞬間移動できるジフィ・スカットラーの研究のため
毎日ペンシルヴァニアからニューヨークへの通勤に利用している。
ある朝、ヘンリーはトンネルの中に三人の小さな小さな人々がいることに気づく。

これは、見方によっては壮大な話しに展開していくんですけど、とにかく
小さな人々の行動を想像すると可愛くってね!
ヘンリーが一生懸命になるのがわかる気がします。

『スーヴェニール(Souvenir)/1954年』
最近発見された、三世紀前にウィリアムスンが移り住んだとされる星を訪れたロジャースは
ウィリアムスンの子孫たちに出迎えられ、14世紀の地球さながらの暮らしぶりを目にした。
ロジャースは銀河系社会に加わるように説得するが、ウィリアムスンたちは拒否する。

読んでいる時は、自分たちで好きなように暮らしてる人々を無理に誘わなくてもねぇ…
大国の横暴だ!と思いましたが、それがゆくゆくは宇宙戦争とかに発展しまうのでしょうか?
たしかに、国連決議をものともせず我が道を行ってる国は恐いものね…

とりあえず三話あげてみましたが、他のストーリーも興味深かったです。
オカルトっぽい2篇は苦手でした。

『ジョンの世界(Jon's World)』という話しは『人間狩り』のスピンオフみたいで
2話併せて読むと面白さが増すのではないかな?

さすが文章が上手い!というか、読んでいていろいろな想像がしやすかったです。
目の前に、宇宙空間や農耕時代の草原や戦地の風景が広がり
変な神さまや小さな人々やゲームの兵士たちが動きだしました。

今回この本を読んで思ったんだけど、P・K・ディックという作家は
宇宙とか最先端テクノロジーみたいなことを書いてますけど
実は、どんどん進化して変わっていく景色やライフスタイルがあまり好きになれず
「このままがいいなぁ」なんて考えながら暮らしてた人じゃないかしら?
すごく勝手な想像でございます。

それから、スーパーコピューターや人工知能とも言えそうなアイテムが登場するのに
やっぱり(スマホどころか)携帯電話はでてこないんだよね。
電話を持ち歩く… という発想はいったいどこから生まれてきたのでしょう?

想像・妄想大好き!という方
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ひとことK-POPコーナー



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『ヘミングウェイ全短編1』後半汗臭いぜ!

2017-07-18 22:21:26 | アメリカの作家
THE COMPLETE SHORT STORIES OF ERNEST HEMINGWAY 
アーネスト・ヘミングウェイ

うーんと、ヘミングウェイはずっと読まず嫌いだったのね。
それで『キリマンジャロの雪 他12篇』で少しいいかもと思い
『ヘミングウェイ短篇集』で慣れた気になって手を出した一冊ですが
また当分読まないかもしれない…

『われらの時代(IN OUR TIME)』と『男だけの世界(MEN WITHOUT WOMEN)』の
二部構成に、他一編がおさめられている一冊ですが、男らしいわぁ…

私は、けっして男性目線の物語がキライというわけではありませんが
登場人物が(むさくるしそうな)男ばっかり… というのは、やっぱり苦手かもしれないです。

『われらの時代(IN OUR TIME)』は、ニックという男性を主人公にした連作みたいです。

31篇という多くの物語の中から、好きかなぁ… と思えるものをしぼり出してみました。

『兵士の故郷(Soldier's Home)/1925年』
クレブズが故郷に戻った時には、すでに兵士への歓迎ムードは終わっていた。
武勇伝を語る日々も終わり、クレブズは読書や散歩をして過ごす。
ある日、母親からやんわり働くように促される。

親や近所の人たちも、最初は生きて帰って来てくれただけで… って思うのでしょうが
喉もと過ぎれば… で、いつまでもブラブラされてたら、イラつくかもしれませんね。
そのうち「怠け者」なんて言われたりして… 今みたいにPTSDとか無かっただろうし。

『エリオット夫妻(Mr. and Mrs. Elliot)/1925年』
ヒューバート・エリオットは25歳で、40歳のコーネリアと結婚してから
できるだけのことをして子づくりに励んでいるが、上手くいかない。
コーネリアはひと夏シャトーを借りたトゥレーヌへ、ボストンから女友達を呼び寄せた。

なんだか主旨がうまく掴めない話しなんだけど、キライじゃないですね。
ちなみにコーネリアは大金持ちとか、そういうことではないです。
どっちかっていうと男性の方が裕福… そうか! 夢がふくらむ話しだから好きなのか!

『北ミシガンで(Up in Mishigann)/1925年』
ジム・ギルモーは、カナダからホートンズ・ベイへやって来て、鍛冶屋を買った。
食事はD・J・スミスの店でとった。
スミスの店で働くリズは、ジムが大好きだったが、ジムはつれなかった。

ある夜、ジムはどうしてもリズが欲しくなっちゃって… って話しなんですけど
これまでのつれなさはフェイクか、それとも出来心かは謎です。
リズはいい娘さんみたいだし、上手くいくといいですね。

文章とか、話しの流れとかは決して嫌いじゃないんだけど、どうしてかなぁ…?
テーマがダメなのかなぁ、背景かな、登場人物かな?
自分でもさっぱりわかりませんが、ヘミングウェイ・ファンにはなれないみたいです。

ただ、女性が出てくる話しは比較的好きでしたね。
男らしさを描いているようで、「しかたないわね… 」目線で男性を許しちゃう
女性陣の方に強さを感じられたりしました。

ひとことワイドショーコーナー
もう、あの動画を地上波で流すのやめません? 朝起きたらどこつけてもあの動画… 一日が台無し気分
どこにいたっていいじゃん、だいたい。 見たい方はYouTubeで思う存分見ていただくってことで…


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『夢の涯てまでも』忙しい…

2017-06-28 19:41:08 | アメリカの作家
UNTIL THE END OF THE WORLD 
1992年 ヴィム・ヴェンダース、ピーター・カーレイ、蒔岡雪子

えーっとね、この『夢の崖てまでも』は、映画化された小説ではなくて
映画を小説化したものだそうです。
ただ、映画をそのまま文章化したものではなくアレンジが加えられているらしいです。

いわゆるロード・ムービーというジャンルの映画で、あっち行ったりこっち行ったりと
すごく目まぐるしいわけね、落ち着いて読めやしない。

書かれたのは1992年ですが、舞台は1999年です。
世紀末って、なんだかいろいろなことが起きそうな予感がしますよね。

物語では、インドが打ち上げた核衛星が軌道を外れて、いつ・どこで核爆発をおこすか
わからないということで、世界中が恐怖におののいている状態。

しかし、(ここからめちゃくちゃはしょりますけど)主人公のクレアは
そんなことに関係なく、3ヶ月過ごしたヴェネチアを後にして
パリにいる恋人ユージーンのもとに帰ることにします。
そして南フランスで出会ったトレヴァという男性に惹かれまして
彼を追いかけてパリからベルリンを経てリスボンへ。
さらに、クレアをおいて逃げた彼を追ってモスクワから北京へ。

やっと東京で再会したクレアとトレヴァ=本名サムは箱根で英気を養い
サンフランシスコへ飛んで、用事が済んだら船でオーストラリアへ。

ね、忙しいでしょ?

サムは訳あっていろいろな人に追われているのね。
さらには世界中をまわらなけらばならない理由もあるわけです。
それで本名を隠し、クレアの手を振りほどき、あっちこっち移動するわけなのですが
それをクレアが追っていくんですよ。

クレアはすごく美人でファッショニスタで人目を惹く女性です。
しかも(物語では)誰がどこにいるかコンピューターですぐわかっちゃうんですよ。
クレアを追えばサムの居場所がわかるわけで、すごく迷惑な話しよね。

結局サムはクレアを深く愛してしまって、両親が待つオーストラリアに
クレアを連れて行きます。
そこではサムの父親であるファーバー博士が、息子とともにある物を待ちわびていて…

まだまだ先は長いんですが、ここらへんでやめときますね。

近未来のことを描いているので、例えばベルリンの壁崩壊が1999年になっていたり
(映画のシナリオはベルリンの壁崩壊の1989年以前に書かれていました)
朝鮮半島は統一されてて、金一族ではない一族が支配してたり
ストーンズの日本公演が武道館(実際は東京ドーム)で行われてたりしてます。

ただIT関連のことでいうと、パソコンでお互いの顔を見ながら電話できる…とか
ムービーが送れる…とか、あんまり先を行ってる感がないのよね。
そのわりに携帯電話がないのよ、みんな公衆電話使ってるんですけど…

恐ろしいのは、あるソフトを使うと、誰が(あなたもわたしも)どこにいるのか
瞬時にしてわかってしまうことね! そういうの、現実になりつつありますよね。

そして、ファーバー博士はノーベル賞もののメカを開発中なのですが
もしかしたら、もう開発されちゃったかもしれないわ… おそろしい…

とにかく、ハンサムなサムが逃げ美しいクレアが追い、二人をハンサムなユージーンが追い
オシャレな探偵ヴィンターが追い、黒づくめの殺し屋バートが追い…

いちいちファッションにも言及してくれるので、想像するとフォトジェニックだと思います。
逃げ回るところは観光地だし、旅行気分が膨らみますね。
映像で観たら楽しいと思うよ。

ヴィジュアルを想像するだけで楽しい
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



映像はこちら モノクロ版もあるようです


ひとこと飛行機コーナー
わたしは、原理はわかっているんだが、飛行機が苦手で、いつも決死の覚悟で乗ってるのよね
「乗務員も着席させていただきます」だけでドキドキなのに「祈って下さい」なんてアナウンスされたら、もう…


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『ホーム』男は帰る、女は守る

2017-06-15 19:45:12 | アメリカの作家
HOME 
2012年 トニ・モリスン

説明するのがとても難しいのですが、ものすごく個人的なストーリーでありながら
大きなテーマを考えさせられたような物語でした。

それから、けっこう暗く重いエピソードがちりばめられていたのですが
一冊読み終えると清々しい読後感が残りました。

主人公は、朝鮮戦争からの帰還兵フランク・マネー。
彼が、捕まって入れられた精神病院から逃げ出すところから物語が始まります。

フランクは、見知らぬ女性から、妹のイシドラ=通称シーが死にかけているという
手紙を受け取り、恋人のリリーと別れてアトランタへ向かおうとしているところでした。

フランクとシーは、不幸な子供時代を過ごしました。
シーにとってフランクは、親よりも誰よりも頼れる人物で唯一の救いでした。
フランクが親友二人と志願して出兵した後、シーは都会から来たプリンスという男に
誘われるまま故郷を捨ててアトランタへ向かい、すぐに捨てられました。

あとはダダッと説明するけど、シーは助手として住み込んだ家のボー博士から
怪しげな実験を施されていました。
それを、クビを覚悟でフランクに報せたのは、女中のサラでした。

フランクは博士の家へ乗り込み、瀕死のシーを救い出します。
そして、忌み嫌っていた故郷ロータスへ兄妹で帰って行きます。

物語はここからも続くのですが、それはおいといて…

フランクの旅は、最初につまづきを見せましたが、その後はわりと順調に進みます。
もしかすると、ストーリーにはそんなに関係ないのかもしれないのですが
この旅の間にフランクが出会った人々が、やけに印象に残っています。

なんの見返りも求めずに、もう二度と会わないかもしれない赤の他人に
どうしてそんなに優しくできるんだろう? 信仰心がそうさせているんだろうか?
特にジョン・ロック師夫妻とビリー・ワトソンは、ほんの一場面にしか
顔を出さない人物でしたが、この物語にいなくてはならない人物に思えました。

また、シーを助けたミス・エセルをはじめとする故郷の女性たちも印象的でした。
黙々と家事・農作業・信仰に身を捧げてきた女性たちが、男性にはできない奇跡をおこす…
科学的根拠も医学の心得も無く、昔から伝えられてきたやり方で…
彼女たちは奇跡だなんて思わずやってるんだけど、いざという時頼りになるのは女性だな、と
思い知らされました。

物語は、フランクとシーの生い立ち、リリーとの出会いと別れ、アトランタでのシー
シーをいじめ抜いた祖父の三番目の妻レノーア、朝鮮で戦死した親友マイケルとスタッフ
フランクが抱え込んでいる朝鮮での出来事など、コロコロ場面が変わります。
でも、さすがトニ・モリスン! どのエピソードにもどんどん引き込まれていきました。

故郷へ戻った二人は、故郷を出る前の二人とは、人格も関係性も違っていました。
そして、今後も変化していきそうです。

作中、長年の仕事を失うかもしれないサラ、大金を渡した上にフランクと別れたリリーは
清々しそうにしっかり前を見つめています。
ラストのシーもそうでした。

どうなっていくのか少し謎が残るラストでしたが、わたしは、この女性たちの未来も
そしてフランクも、ポジティブに変わっていくと信じています。

自分も強くなれたような… そんな一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
INFINITE まだ再契約してないって? なんでなんで? どうして〜? 誰が迷っているのかしら?
すごく気になってるんですけど…


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『ヴェルサイユ』シーズン1でしたか・・・

2017-04-24 08:39:51 | アメリカの作家
VERSAILLES-LE REVE D'UN ROI 
2015年 エリザベス・マシー

表紙からみて、映画化された小説かと思ってたんですけど…

読んでいて、なんだか細切れだなぁ、と思っていたんですよね。
場面がコロコロ変わって、各章の中でもブツブツ文章が切られて
なんか読みづらいわぁ、とブリブリ(心の中で)言ってたら…

フランス・カナダ・イギリス共同制作のドラマのノベライズなんですって!
しかもシーズン1… 今シーズン3を撮影中らしいっす。

1667年春から1670年の冬までが、10章にわけられて描かれています。
ルイ14世が、王家の狩猟の館がある片田舎のヴェルサイユに宮殿を建てよう!と
決心したあたりから物語が始まっています。

以前テレビで、ヴェルサイユ建設が至難の業だったというような特集を見た事があります。
それは主に立地や材料の調達などの面をクローズアップしていました。
こちらの物語では(もちろん)それ以外の問題がテーマになっています。

「ヴェルサイユ〜? 不便じゃん!!」と反対する貴族が多数いる中、ルイは建設を強行。
さらに、戦争とか市民の不満とかいろいろな事が重なり、ルイを消そうとする不穏な動きが
ヴェルサイユを中心に加速していきます。

登場人物は、ルイと弟オルレアン公フィリップ他、数十人規模で覚えられないさ!
誰が実在の人物で、誰が架空の人物なのかはわかりません。
もしかしたら日本の大河ドラマと同じで、実在したけど史実とは違う、あるいは
おおいに脚色されている役をふられた人もいるかもしれないですね。

女性陣で実在したと確認できたのは、ルイ14世の母アンヌ・ドートリッシュ
王妃マリー・テレーズ、愛妾ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール
オルレアン公妃アンリエッタ、愛妾モンテスパン夫人です。
かなり重要な役まわりのクレルモン夫人という女性は、調べてみたけどわかりませんでした。

実在組の女性たちは、わたしが以前から受けていた印象に近く描かれていると思います。
見てないからわからないけど、制作陣は、他の女性たちにくらべると
モンテスパン夫人にあまり良い印象を持ってないみたい… 悪女感たっぷりです。

あとね、ルイ14世を、すーごーく男前に描いちゃってるんだけど
何もかもお見通し、って豪語してるわりには事の真相を見抜けなかったりして…
暴君ぶりもハンパなく披露されてまして、どういう人物に見られたいのか
いまひとつわかりません。

ヴェルサイユ宮殿で撮影しているそうですし、衣装も美しいんじゃないかしら?
登場人物もたーくさんいるし、舞踏会や晩餐会のシーンもあって豪華絢爛そうですね!

そうですね… 陰謀:愛:ルイ14世とは? が、5:1:4 ぐらいの割合で
描かれているかしら?

ラストが唐突でビックリ! しましたが、シーズン1だもんね… あたりまえ…
王太子ルイが誘拐されるんだけど、史実? 調べてみたけどわかりませんでいた。
知っている方がいらっしゃったら教えて下さい。

で、感想ですけど、このドラマ、長引きそう…
続きが出たらどうしようかという問題ですが、今のところ買う気はないっす。

たぶんドラマで見る方が面白いと思ふ…

日本では放送されてるんでしょうか?
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



DVDはあるらしい、日本語音声字幕無し… 吹き替え版ですかね?
見てみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
ただいま! 
 SHINee WORLD 2017 ~FIVE~ 広島グリーンアリーナ から帰ってきましたよ!
もちろん、テミンもジョンヒョンもミノもキーもステキでしたが
オニュが… オニュが… あまりにも可愛くて代々木まで眠れそうにありません
時間が無くて、しかちゃんが見られなかったのが心残りです
広島護國神社で引いたおみくじが大吉でした。 代々木が良い席でありますように…


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『ナイト・ソウルズ』エイリアンさえいなきゃ…

2017-03-21 21:59:01 | アメリカの作家
THE BEST OF MASQUES 
1988年 J・N・ウィリアムスン編

わたしは疎くてさっぱり… なんですけど、このアンソロジーの作家陣22人は
SF・ホラー・オカルト分野の作家・脚本家のそうそうたる顔ぶれらしいです。

知っている作家はスティーヴン・キングとレイ・ブラッドベリ
そして以前『厭な物語』で『赤』を読んだリチャード・クリスチャン・マシスンだけでした。
なぜ持ってるんだろ? スティーブン・キングに凝った時に買ったのかしら?

作家陣のほとんどが脚本を手がけていると知ったせいかもしれませんが
映像になったら… ということをしっかり見据えて書いてらっしゃるという気がします。

エイリアンとか、怪物っていうか…あんまり突拍子もないものが登場する話は
やっぱり苦手でしたが、面白く読めたお話しもあったので紹介しますね。

『ソフト病(Soft)/F・ポール・ウィルソン』
人々がソフト病で息絶えている中、わたしと娘のジュディは進行が脚で止まっている。
感染せずピンピンしていて、いつも家の用事を引き受けてくれるジョージと
3日間連絡がとれないので、向いのアパートへ様子を見に行くことにする。

骨がとけていく病気で、原因もわからず治療法もないらしいです。
死に絶えた町に取り残されてしまう恐怖が、ひしひしと伝わってきます。
ソフト病でなくても、こんな状況に陥ったら… ギャー! 想像したくないですね。

『モーリスとネコ(Maurice and Mog)/ジェームズ・ハーバート』
モーリスが近所の人々にバカにされながら、5年間かけてつくった自宅の庭の地下シェルター。
いよいよ閉じ籠らなければならなくなった日、隣人たちを払いのけハッチを閉めたが
なぜか一匹のネコが入り込んでいた。

核爆弾が落ちたみたいんなんですけど、果たして地下にいれば助かるものなのだろうか?
モーリスの準備は完璧だったように思えるのですけどねぇ… ツメがあまかった〜
このネコのせいでどうこうというわけではないんだが、絶妙な役割を演じてます。

『夜は早く凍てつく(The Night Is Freezing Fast)/トーマス・F・モンテレオーネ』
祖母に言われて、ブリザードの中しぶしぶ買物に行く祖父に、10歳のアランがついて行く。
途中、雪の中立っている男を車に乗せてやると、男は地獄のことを話し出す。
あまりにしつこく話すので、祖父は男に、車から降りろと言う。

子供や若者にはピンとこないことに、恐怖を感じる老人…
年をとればとるほど、ふとしたことに怖れおののく瞬間が増えていくのかなぁ…
なんて思えまして…

あのね、『大きな岩のある海辺で/ジョー・R・ランズデール』と
『死からよみがえった少年/アラン・ロジャーズ』という話があって
始まり方がすごく好きだったのですが、エイリアンが出てくるのよね〜
出てこなければなぁ… 別の感じの恐い話しにしてくれたらなぁ…

たしかに、こんなことあるはずがないじゃんか! という話が多かったのですが
人間の心にある恐怖を、引っ張り出して手を加えていくと、ホラーやSFになるのかな?
孤独とか、後悔とか後ろめたさ、死を意識し始めた時とか、見知らぬ人の視線とか…

そういうところから、個性あふれる物語が書ける想像力がすごいですよね。
でもやっぱり苦手なんだけど… ごめんなさい。

錚々たる作家たちの競演!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことWBCコーナー
今日はお休みで、プエルトリコ VS オランダの試合見てましたが、あらためてメジャーリーガーばっかりじゃん!
こうなったらメジャーがひとりしかいない日本に優勝してもらって、世界をアッ!!と言わせてほしい…


    ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
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『青い眼がほしい』Morrison World Started

2017-03-16 21:24:41 | アメリカの作家
THE BLUEST EYE 
1970年 トニ・モリスン

この小説はトニ・モリスンのデビュー作だそうで
『ビラヴド』『パラダイス』のようなファンタジー色はないものの
フォーカスを当てる人物の入れ代りや、過去へのさかのぼりなど、絶妙な展開で
後年の作品にまったく見劣りしないものでした。

主な語り手は、クローディアという小学生の少女で、彼女は身のまわりのこと
姉のフリーダや母さん、間借り人のミスター・ワシントンのことを
少女らしい観点から語ってます。

もうひとりの主人公はピコーラという少女とその両親です。
ピコーラは醜いと思われていて「青い眼がほしい」と切実に願っています。
父親チョリーは大酒飲み、母親ポーリーンは白人の家で働いています。

物語冒頭で、ピコーラがチョリーの赤ん坊を宿したことがわかります。
でも、なぜそうなったかは最後までわかりません。

ピコーラは、チョリーが自分の家に火をつけてしまい行き場が無くなった時
郡の依頼で一時クローディアの家で預かったことがありました。

物語は、大きく秋・冬・春・夏にわかれていて、ある時はクローディア、
ある時はピコーラ、ある時は過去… という具合に、順序や起承転結などなく
デタラメに進んでいきます… が、まったく違和感はありません。
後年の作品の、もっと入り組んだルーツ辿りよりは明快で、すいすい読み進めました。

ラストはちょっと論理的になっちゃっているような気もしますが
すごく正直な独白のようにも思えます。
とにかく、ハッピーなラストでないことはお伝えしておきます。

どう言ったらいいのかわからないんだけど、上手く言えないかもしれないんだけど…

トニ・モリスンの物語はまだ4作品しか読んでないんですが、皆黒人が主人公でした。
どうしても人種差別に目がいきがちなんだけど、なんだか違う気がしてきた。

もちろん、差別を描写している部分もあるんだけど
それよりも、もっと純粋なテーマが各々の作品にあるんじゃないかな?

どの作家にも、その人ならでは… という “ 核 ” みたいなものがありますよね?
それが、彼女の場合は黒人の登場人物であり、日常生活であって
差別そのものを訴えたいわけではないんじゃないかと…

うぅぅ…泥沼にハマってますね

とにかく、私が読んだトニ・モリスンの4作品は、同じようなテーマを持っていそうで
まったく印象が違っていました。
人種・差別・過去という同一のファクターを抱えつつ
一辺倒にならず多彩な表現方法で、どの物語でも楽しませてもらえました。

これ以上書くと泥沼に沈んでしまいそうなのでもうやめときます。
とにかく、彼女の作品をもっともっと読んでみたい! と思いが強くなりました。

少女の切実な願いが哀しい…
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことWBCコーナー
(失礼なことに)今回は盛り上がれそうにないなぁ…と思っていたWBC、すごく盛り上がっちゃってるんですけど!!
わたしはアンチ・ジャイアンツなんですが、試合を重ねるごとに小林が素敵に見えてきてしまっている〜 どうしませう…
侍ジャパンのみなさま、準決勝、ガンバってね!!


    ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
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『人間狩り フィリップ・K・ディック短篇集』これは警告だ!

2017-03-01 22:35:00 | アメリカの作家
SECOND VARIETY 
1953年〜1955年 フィリップ・K・ディック

地球人が住めそうな星が見つかった! というこの時期、偶然読んでました。
そして、そんなに喜んでる場合じゃない! と思いました。
人間には、新天地が見つかると所有権を賭けて争うという歴史がありました。
村、国、島、大陸… 星だってその対象になるかもしれない。

P・K・ディッックは、『地図にない町』という短篇集を読んだことがあります。
『人間狩り』は『地図に〜』より、宇宙でドンパチ感がありますが
(わたしにしては)深く考えさせられた内容の話が多かったです。
特に印象に残ったお話しをあげてみます。

『ナニー(Nanny)/1955年』
完璧に仕事をこなし、子供たちを守ってくれるフィールズ家のナニー。
ある夜中、ナニーはこっそり家を抜け出し、隣家のナニーと戦った。
しかし、サーヴィス・インダストリー社のグリーン・ナニーは
隣家の新型で大きなエコ社のブルー・ナニーに勝てるはずがなかった。

他社よりも高性能、他人よりも高品質… を追い求めていくと、最後には…
それから、ロボットにいろいろな機能を持たせるのもどうか? と思った物語でした。

『火星探査班(Survey Team)/1954年』
汚染され荒廃した地球の人類たちが移住できるかどうか、火星に探査に向かう。
しかし、火星はすでに資源が使い尽くされ、町の残骸しか残っていなかった。
残された文書から、火星人が火星を脱出したのは約60万年前だとわかった。

移住できる星を探してる場合じゃないんですよ! 地球を守らねば!!

『人間狩り(Second Variety)/1953年』
目の前でクロウたちに殺られたソ連兵が持っていた書簡を見て、話し合いの要請だと考えた
連合軍から、ヘンドリックス少佐が志願して出向くことになった。
彼が灰だらけの地上を歩いていると、テディベアを抱いた少年がたたずんでいた。

荒廃しつくした風景より、同じものがゾワゾワいる光景を想像するだけで恐ろしい…

どうして人類が移住しなきゃいけないかとか、地上が灰だらけなのかというと
放射能なんですよね、原爆や水爆、さらにはもっと威力がある武器を… と争った結果
地球は死の星になってしまったみたいです。
そんな中でも人類は、相手をもっと打ちのめせる武器を創り出し続け…

『ナニー』はちょっと視点が違いますが、結局は他人より優位に立とうとする
人間が招いた結果だということになります。

気になったお話しをもうひとつ

『展示品(Exhibit Piece)』
歴史局に務めるジョージ・ミラーは、200年前の20世紀中期の文化をこよなく愛している。
ある日、物音を耳にしたミラーは、忠実に再現された展示品の1950年代の住宅に入っていく。

江戸東京博物館の長屋とか明治村の建物で暮らしてる人がいる、って想像すると
なんだか心和みません? とジャック・フィニィ気分で読んでたら、ラストは…

この短篇集には、他にも戦争や競争、人間の驕りが高じていくと
こうなってしまうのではないかという恐ろしい話がいくつもおさめられています。
どれもグロテスクですが印象的です。

わたしは、これらの物語を、(もしそうだとしても)作家のイマジネーションが生んだ
ファンタジーだとは思いたくないです。 小説の名を借りた強烈な警告だと思う。

SFはあまり得意ではないのですが、ちょっとだけ見方が変わった気がします。

SFの読み方が変わるかもしれない… そんな一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
2PMのJun.Kがステージで負傷したと聞いてビックリしました。 大事に至らなければいいんですけど…
ステージがだんだん派手になって、高く上がるしグルグル回るし前後左右に動くし割れるし… たまにハラハラします
アーティストたちは一生懸命で、ステージギリギリのところで踊ったり走ったりしてくれるから、ホント心配
コンサートは中止だそうですが、からだのことだけ考えて、一日も早く良くなってくださいね


   ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
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『くじ』恐いもの見たさで…

2017-02-13 22:10:00 | アメリカの作家
THE LOTTERY OR,THE ADVENTURES OF JAMES HARRIS 
1949年 シャーリィ・ジャクソン

表題の『くじ』は『厭な物語』で読んで、かなりの衝撃を受けました。
短篇集を見つけたものの、あんな話がずら〜っと並んでいたらと思うと
なかなか手に取る勇気が出なかった… でも、出してみた…

結果から言うと、『くじ』ほどインパクト大の話はなく
もやもやするものしないもの含め、一冊穏やかに読み通すことができました。
22篇ありまして、けっこう印象に残った話が多かったです。

いくつかご紹介します。

『魔性の恋人(The Demon Lover)』
彼女は、彼が夜中に帰ってから、二人の結婚式のために迎えに来る10時まで落ち着かない。
しかし、12時になっても彼は来ない。
彼女は行ったことのない彼のアパートを訪ねて行くことにする。

ダマされてんでしょうけどね… 信じたい気持ちはわかる… わかるけどしつこい
女性が必死に男性を探しまわる姿は、人から見れば滑稽に映ってしまうんでしょうね?

『背教者(The Renegade)』
忙しい朝、家族を送り出している最中に電話が鳴り、ウォルポール夫人が出てみると
女性の声で、ウォルポール家の犬が、彼女の家の鶏を何羽も噛み殺したと言う。
夫人が買物に出ると、皆がそのことを知っていて声をかけてくれた。

この夫人は人に会って話すほどに、だんだんある考えに傾いてしまいそうで不安なのね
すーぐに広まっちゃう、小さな町でのできごと… 迂闊なことはできませんね

『人形と腹話術師(The Dummy)』
ウィルキンズ夫人とストロー夫人が、上品で人気があるレストランで食事をしていると
派手なグリーンのドレスの女と、猿のような小男が現れた。
男は腹話術師で、ステージを降りると女と口論を始めたが、ほとんど人形にしゃべらせた。

スカッとしたね〜!! こんなばあさんになりたいわ!

あとはね、本屋さんを舞台にした『曖昧の七つの型』とか好きでした。
モヤモヤ度ナンバーワンは『ジミーからの手紙』と『大きな靴の男たち』が甲乙つけがたい。

あと、原題に出てくるジェームズ・ハリスという男性が何話かに登場しますが
この人がどんな人なのか掴みどころがなく、モヤモヤしました。

わりと普通の日常の様子から始まるんだけど、読んでいるうちに落ち着かなくなってくる…
いうパターンが多かった気がします。

そうですねぇ… のどかそうに見えて難しい近所付き合いとか
どうにも人に強く出れない、なんか言いくるめられちゃうというお人好しさんたちの行動が
読んでいて、少し居心地の悪さを感じた要因だったでしょうか?

できたら言いくるめちゃうサイドの人間になりたいが、主人公に肩入れしながら読んでると
あぁ、負けるタイプだな…わたしは… と見せつけられたような気がします。
でも、『くじ』から膨らんだ恐ろしい妄想に反して、おもしろく読めた一冊でした。

何かに不安にさせられてる…そんな一冊
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ひとことK-POPコーナー
ヒョンスンが復帰して、BEASTが再結成ってどういうこと? 今の5人のBEASTは? 名前変えなきゃいけないの?
てっきりBEASTで活動すると思ってたのに… 予期せぬ展開にビックリしてます 


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『猫語の教科書』うちの子は違う! と誰もが思うはず

2017-01-17 19:36:43 | アメリカの作家
THE SILENT MIAOW 
1964年 ポール・ギャリコ

この本はかなり前から持ってて、『ジェニィ』を読んだ時に、読まねば!と思ったのに
忘れてました… で、読んでみたけどさぁ…

ギャリコ氏は24匹も猫を飼っていた猫好きということで、けっして悪意があるわけでは
ないんだろうけど、猫嫌いが「だからキライなんだよ!」って言いそうな気がする。

ある編集者の家の玄関に置かれていた、意味不明な原稿。
編集者の友人で暗号解読が得意なライターである書き手が訳したところ
どうやら猫の手によってタイプされたもののようです。

内容は、どうやって人間の家に入り込み、のっとり、人間を教育するかってことを
若い猫に説いたものでした。

これがさぁ…
猫のかわいいしぐさがオンパレードで書かれてるんだけど、なにもかもに意味というか
作戦・目論みがあるのか…と思うと哀しくなっちゃうよぉ

たとえば、原題の『THE SILENT MIAOW』ですけど、これは、声を出さずに
“ ニャーオ ” と鳴く仕草で、著者(雌猫)は、これを、おねだりする時の
最大の武器・最終兵器と位置づけてます。

ベッドの上で寝たい時、座り心地の良い椅子を自分のものにしたい時、
高級そうなおかずをわけてもらいたい時、旅行に連れてってほしい時、
誰に、どんな手順で、どんな仕草でうったえれば成功するかを詳しく解説!
まずは一家の長である夫(父親)を落とせ! ということらしいです。

ミステリアス・気まぐれ・マイペースという猫らしさを維持しつつ、時と場合に合わせて
甘えたり服従したりして、捨て猫にならないように生きる術もレクチャーしています。
まさに教科書なんでしょうね?

でもイヤだーーー!
猫は何もしなくても可愛いんだもん!! 自分勝手でいいんだもん!!!
飼い主を “ 教育 ” してるつもりでやられちゃたまりませんよぉ…

たぶん、自分ちの猫の可愛さに「やられちゃったなぁ…」と、嬉しさ半分、反省半分の
ギャリコ氏が、いたずら心で書いたんだと思うんですけど
したたかさとかズル賢さが目立っちゃってる気がします。

奇しくも、さきほど高橋 克実さまが出ている午後のニュースショーを見ていたら
“ 夫と妻に叱られた時の表情があまりにも違う猫 ” のことやってまして
専門家によると、雌猫は基本的にどんな雄にも(人間でも犬でも)可愛がられたいらしい…
克実さまに「このメス猫!っていうのは、あながち間違いじゃないんですね?」とか
言われちゃってんじゃないよ〜!!

でも、それが本当だとしても、人間を癒してあげようという気持ちがある、
飼い主に愛を感じている… と著者(雌猫)が書いてくれてるだけで嬉しいです、わたしは!

それでもネコが好き!というみなさま
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね

 

ひとことドラマコーナー
『下克上受験』に要潤さまと小林薫さまが出る!ってことで見ようと思ってたのに見そこねた〜! 
要潤さまはエリートの御曹司役ですってね!!  どんな役だろう? 
韓国ドラマだと主役のツンデレか恋のライバル(ほぼヒール)って役どころなんだが…


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