まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

スペイン王アルフォンソ13世王女 ベアトリズ

2017-02-21 22:14:41 | スペイン王妃・王女
初恋がかなわなかった長女
アルフォンソ13世王女 ベアトリズ・デ・ボルボン
チヴィテッラ・チェージ領主アレッサンドロ・トルロニア夫人


1909〜2002

スペイン王女編、最終回ですよぉ…
今まで読んでいただきありがとうございました。

アルフォンソ13世と王妃ビクトリア・エウヘニアには、五男二女のお子様がいました。
ベアトリズは三人目の長女です。
       
ベアトリズと妹のマリア・クリスティナは、他の王侯子女と一緒に
普通の学校に行きたいと熱望していましたが、許してもらえず
ロイヤル・パレス内で英国風の教育とマナーを受けていました。

英語とフランス語を学び、父とはスペイン語、母とは英語で会話しました。
歴史や宗教とともにピアノ、ダンスを習い、スポーツも大切ね!ってことで
水泳・テニス・ゴルフ・乗馬も習いました。
すごい… おけいこばっかりで疲れちゃいそう…

また度々姉妹で英国を訪れ、母方の祖母ベアトリスが暮らすケンジントン・パレスに
滞在して、動物愛護や赤十字の活動に参加しました。

18歳の時に社交界にデビューしたベアトリズは、20歳の時恋に落ちました。
相手はスペイン首相リヴェラの息子ミゲルです。
若い二人は幸せ一杯で、一緒に乗馬を楽しむ姿を見られたりしていました。
ビミョウね… これは身分違いの恋なの?

どうやら身分違いらしい… リヴェラ首相は二人の恋愛に気づくと「問題外!」と
息子を海外に行かせちゃったらしい。
中世だったら、これを機に王家にくい込んじゃおう! と考える親もいたでしょうが
冷静な人だったのか、スペイン王座はおいしくなかったか…

アルフォンソ13世は、伝統にしたがいカトリックの王子たちから婿選びを開始します。
イサベル2世王女エウレアリアの孫にあたるオルレアン家の三兄弟が有力で
長男アルヴァロが候補と思われました。
しかし、この縁談は、スペインの難局の中で中断されました。

1931年、王一家は国外へ逃亡します。
王妃ヴィクトリアと子供たちは、なんと、列車でパリに向かいました。
でも、さすが王一家ね、パリではサヴォイ・ホテルに落ち着いたそうですよ。

もともと不仲だったアルフォンソ13世とヴィクトリアの別居は確実なものとなり
ヴィクトリアと姉妹二人はまずロンドン、その後ローザンヌへ向かいます。
そこで母親と過ごしていましたが、1933年に父アルフォンソ13世に同行して
ローマに向かいました。

1934年、ベアトリズはチヴィテッラ・チェージ領主アレッサンドロを紹介されました。
当時のスペインの状況では、王子たちとの結婚は難しいと考えたアルフォンソ13世は
二人の結婚を承諾しました。

1935年に行われた二人の結婚式には52人の王侯貴族が参列し
千人にのぼるスペイン人がかけつけ、当時アルフォンソ13世と最悪の関係だった
母ヴィクトリアと兄アルフォンソもやって来て、一大イベントになりました。

アルフォンソ13世が1941年に亡くなり、第二次世界大戦が始まると
イタリアで暮らしていた一家はローザンヌへ疎開し、母ヴィクトリアと仲直りしました。
戦後はイタリアに戻って余生を過ごしました。
90歳の時に、雑誌のインタビューで逃亡時代などについて語っています。

お子さんは四人です。
孫のアレッサンドロはフィアットで働いてたらしいですよ。

2002年に93歳で亡くなりました。
前王ファン・カルロス1世はアルフォンソ13世の四男ファンの孫で
ベアトリズは父方の伯母にあたります。
異国で、故郷の王政復古をどのように思いながら見ていたのでしょうね?

              
                可愛らしい王女時代の写真




              
恋をかなえた次女
マリア・クリスティナ・デ・ボルボン
マローネ伯エンリコ・ウージェニオ・マローネ=チンザノ夫人


1991〜1996

生い立ちは姉ベアトリズとほぼ同じです。
1940年、マリアは王位継承権を放棄して、ローマで貴賤結婚をします。
もう、王位継承権なんてあったってねぇ…
貴賤結婚って言ったって、王座がなきゃ自分たちだってただの人なわけだし…
でも一応、旦那様は初代マローネ伯に叙位されました。

1996年に、クリスマスを王一族で祝うためスペインに帰国した際
心臓発作で亡くなりました。 85歳でした。

王家に生まれ、革命があって父王が廃位され、逃亡したり各国を転々としたりと
激動の一生でしたが、故郷で、幼年時代を送った宮殿で、家族に囲まれ
幸せな気持ちで逝かれたと思いたいですね。

(参考文献 ピエール・ミケル『ヨーロッパ最後の王たち』 Wikipedia英語版)

ヨーロッパ各王国の終焉を描いた一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
本日 SHINee FIVE 到着! とてもステキなMV Get The Treasure のメイキング見て驚いちゃったよ!! 
後ろのみなさん、CGかと思っていたらマネキンチャレンジ状態だったのね〜
ちょーアクティブなSHINeeが見事に引き立っていました!! みなさま、おつかれさまでした




   ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
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『くじ』恐いもの見たさで…

2017-02-13 22:10:00 | アメリカの作家
THE LOTTERY OR,THE ADVENTURES OF JAMES HARRIS 
1949年 シャーリィ・ジャクソン

表題の『くじ』は『厭な物語』で読んで、かなりの衝撃を受けました。
短篇集を見つけたものの、あんな話がずら〜っと並んでいたらと思うと
なかなか手に取る勇気が出なかった… でも、出してみた…

結果から言うと、『くじ』ほどインパクト大の話はなく
もやもやするものしないもの含め、一冊穏やかに読み通すことができました。
22篇ありまして、けっこう印象に残った話が多かったです。

いくつかご紹介します。

『魔性の恋人(The Demon Lover)』
彼女は、彼が夜中に帰ってから、二人の結婚式のために迎えに来る10時まで落ち着かない。
しかし、12時になっても彼は来ない。
彼女は行ったことのない彼のアパートを訪ねて行くことにする。

ダマされてんでしょうけどね… 信じたい気持ちはわかる… わかるけどしつこい
女性が必死に男性を探しまわる姿は、人から見れば滑稽に映ってしまうんでしょうね?

『背教者(The Renegade)』
忙しい朝、家族を送り出している最中に電話が鳴り、ウォルポール夫人が出てみると
女性の声で、ウォルポール家の犬が、彼女の家の鶏を何羽も噛み殺したと言う。
夫人が買物に出ると、皆がそのことを知っていて声をかけてくれた。

この夫人は人に会って話すほどに、だんだんある考えに傾いてしまいそうで不安なのね
すーぐに広まっちゃう、小さな町でのできごと… 迂闊なことはできませんね

『人形と腹話術師(The Dummy)』
ウィルキンズ夫人とストロー夫人が、上品で人気があるレストランで食事をしていると
派手なグリーンのドレスの女と、猿のような小男が現れた。
男は腹話術師で、ステージを降りると女と口論を始めたが、ほとんど人形にしゃべらせた。

スカッとしたね〜!! こんなばあさんになりたいわ!

あとはね、本屋さんを舞台にした『曖昧の七つの型』とか好きでした。
モヤモヤ度ナンバーワンは『ジミーからの手紙』と『大きな靴の男たち』が甲乙つけがたい。

あと、原題に出てくるジェームズ・ハリスという男性が何話かに登場しますが
この人がどんな人なのか掴みどころがなく、モヤモヤしました。

わりと普通の日常の様子から始まるんだけど、読んでいるうちに落ち着かなくなってくる…
いうパターンが多かった気がします。

そうですねぇ… のどかそうに見えて難しい近所付き合いとか
どうにも人に強く出れない、なんか言いくるめられちゃうというお人好しさんたちの行動が
読んでいて、少し居心地の悪さを感じた要因だったでしょうか?

できたら言いくるめちゃうサイドの人間になりたいが、主人公に肩入れしながら読んでると
あぁ、負けるタイプだな…わたしは… と見せつけられたような気がします。
でも、『くじ』から膨らんだ恐ろしい妄想に反して、おもしろく読めた一冊でした。

何かに不安にさせられてる…そんな一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
ヒョンスンが復帰して、BEASTが再結成ってどういうこと? 今の5人のBEASTは? 名前変えなきゃいけないの?
てっきりBEASTで活動すると思ってたのに… 予期せぬ展開にビックリしてます 


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スペイン王アルフォンソ12世王女 マリア・デ・ラ・メルセデス

2017-02-06 09:21:58 | スペイン王妃・王女
父の最愛の人の名を持つ薄幸の王女
アルフォンソ12世王女 マリア・デ・ラ・メルセデス・デ・ボルボン
両シチリア王子カルロ妃


1880〜1904

ワンポイント王アマデオとマリア・ビクトリアには三人お子様がいましたが、皆王子でした。
このうちの一人がスペイン王座を継いでいたら、歴史は違っていたかもしれませんね。

アルフォンソ12世が、初恋のマリア・メルセデスを亡くした後再婚した
マリア・クリスティネが待望の妊娠をしました。
出産が近づくと、パリからイサベル2世も立ち会うためにやってきました。

生まれてきたのは王女でした。 立ち会っていた王家一同がっかり… 議会もがっかり…
王子じゃないなんて… ということで、皆大きな失望を隠しませんでした。
なんなんだよぉ! 大変な思いをして産んだお母さんに失礼じゃないか!!

マリア・クリスティネはその場を穏便におさめましょう… と、王女にメルセデスという
夫の最愛の人の名をつけることを提案します。
名付けることは了承されましたが、本来なら王位継承者であるメルセデスは
帝王学を授けられず、ただの王女として教育を受けます。
母マリア・クリスティネの教育方針はたいへん厳しかったようです。
   
政治家のアントニオ・カスティロという人は、もともとマリア・クリスティネが嫌いで
その娘が女王として戴冠するなんて! 考えただけでムカつく!!ってことで
宮廷でもメルセデスのことを無視し続けました。

そうしたことが原因になっているのかどうかわかりませんが、メルセデスは恥ずかしがりで
生真面目で、人好きのしない少女に育っちゃったみたいです。

1899年、両シチリア王家の王子カルロとの婚約が発表されました。
成り行きはわからないんだけど、夫カルロはハンサムだったそうで
もしかして、どこかで会って恋に落ちましたかね?

婚約が発表されると、自由派から反対の声があがりました。
カルロにはなんの問題もなかったんだけど、お父様に問題があったようです。
カルロのお父様アルフォンソは第三次カルリスタ戦争で指揮官をしており
クエンカの強奪にも加担していたと言われていました。

また、両シチリア=ブルボン家は最も保守的なカトリックで
それも懸念材料のひとつとされました。
でも当時のスペインもかなり保守的なカトリックだと思えるんだけどね…
結局カルロは、両シチリア家の継承権を放棄してメルセデスと結婚しました。

このカルロという方は、メルセデス同様、恥ずかしがりで生真面目だったそうですよ。
静かな、というより、どーんよりした家庭になりそうな気が…

でもメルセデスは、最初からカルロに惹きつけられていて
「彼と結婚できて幸せ…」と書き記しています。

結婚後は母マリア・クリスティネの希望で、実家の近くで暮らします。
仲睦まじく幸せで、すぐに二人の子供が生まれました。

結婚から3年目、メルセデスは3人目の出産をします。
子供は死産だと思われましたが、生き延びました(しかも81歳の長生き)
しかし、メルセデスの様態は悪化し、亡くなります。

疎まれてる… と感じ続けて過ごした少女時代から、やっと幸せになって
人の目をきにせずのびのび生きられるっていうのに、24歳の若さでねぇ…
幸せな王女や王妃が、出産で亡くなるのがけっこう多いんですよね。
医学の進歩云々以前に、寝具や器具が不潔だったと言われてます。
ちょっと気をつけてれば多くの不幸がおこらずにすんだと思うと残念ですね。


             
おまけみたいですみません・・・
アルフォンソ12世王女 マリア・テレサ・デ・ボルボン
バイエルン公子フェルディナント妃


1882〜1912

メルセデスの妹マリア・テレサの生い立ちは、メルセデスとほぼ同様です。
24歳の時に従兄弟のフェルディナントと結婚しました。
フェルディナントの母は、イサベル2世王女マリア・パズです。
家系図はそちらをご覧下さい。

4人目のお子様の誕生日の8日後に亡くなっていますので、たぶん出産が原因かと…
29歳でした。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
行って来ましたよ〜
 SHINee WORLD 2017 ~FIVE~ 神戸ワールド 記念ホール
ジョンヒョンは脚の調子がまだよくないとメールがきていましたが、全曲ダンスにも参加してくれて感激!
『君のせいで』のオニュ!! ス、ステキすぎました…  Keyのミュージカル仕込みのダンス、最高でした!
あのすごいセットでのミノのダンス、さすがでした  テミンのかっこよさは言うまでもないですが、MCが面白すぎます!
あぁぁ… 3月の代々木は全滅だったので、4月までなんとか乗り切らなければ…
 
ウワサのペンラ、でかい… メンバーの衣装を着てるセサミストリートのキャラたち、かわいいでしょ!


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