LA TERRE ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
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1887年 エミール・ゾラ
もう、赤裸々なんて言葉じゃ表せない!!
剥き出しっていうかズル剥けの欲望が全篇からほとばしるこの作品は
読んでいてオロオロしてしまうほどです。
パリ近郊のボーズ平野に代々暮らす農民フーアン一家の
土地を巡る争いを中心に展開していく物語なんですが
とにかく、欲、欲、欲!!のオンパレード。
金銭欲、食欲はもとより、土地に対する欲、性に対する欲も旺盛にあり
子供たちの将来、商売、人との付き合いなど、なにもかもが欲に左右されます。
もちろん、人が欲を持って行動するのはあたりまえのことです。
でも、求めるものや守るものがほんのわずかなのに、そのために人を欺き、打ちのめし
殺人まで犯してしまうという恐ろしさ・・・
相手が他人ならまだしも、父親、長男、次男、長女、父の妹、長男の娘、
次男の従妹でもある嫁、嫁の妹、妹の夫、入り乱れての骨肉相食む死闘は
目を背けたくなるほど醜いもんです。
土地や金を手に入れるためなら、自分の父親は野垂れ死にさせてもいいんだし
夫に妹を強姦させても、ついにはカマを妹の腹に突き刺しても
バレること以外に恐ろしさを感じない人の神経ってどうなっているんでしょう。
(こういう争いって、肉親同士の方が激しいのかしらねぇ・・・
)
他の村人たちも同様です。
少しの損も許さず、得にならぬことはせず、金のない者には冷たく、
隣人の不幸を嘲る・・・という浅ましさ。
書いてて情けなくなりますが、これは私たちも多かれ少なかれ持っている感情ですよねぇ。
こんな感情持ってないとは言いません、もちろん。
でも、こんなに正直に振る舞えるものだろうか?
「私は欲深いんですよ!! 一円でも人より多く欲しいんですよ!!」って
大声で叫びながら歩いてるような振る舞いができるのかしら?
普通は理性とか羞恥心なんかで押さえ込むものじゃないの?
何が彼らをこんなあけすけな人にしてしまうんだろう?
とにかく、この物語にはモデルになる農村があったみたいです。
ゾラは農業に詳しい人たちから情報も集めています。
農村部の土地の相続に詳しい公証人にインタビューもしています。
本当にこんな土地柄があったというのだろうかっ? 絶対暮らしたくないんですけど・・・
ゾラの物語を読むと平静ではいられなくなります。
不安に襲われるような、駆り立てられるような感じです。
口汚いし、不潔だし、ぜったい心地よいものではありません。
それなのに、何故引き込まれてしまうんでしょう?
やはり自分たちの心の奥底に横たわっている汚らしい感情を
我知らず認めてしまっているからでしょうか?
こちらもゾラをシリーズで出していらっしゃる…欲しいなぁ
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1887年 エミール・ゾラ
もう、赤裸々なんて言葉じゃ表せない!!
剥き出しっていうかズル剥けの欲望が全篇からほとばしるこの作品は
読んでいてオロオロしてしまうほどです。
パリ近郊のボーズ平野に代々暮らす農民フーアン一家の
土地を巡る争いを中心に展開していく物語なんですが
とにかく、欲、欲、欲!!のオンパレード。
金銭欲、食欲はもとより、土地に対する欲、性に対する欲も旺盛にあり
子供たちの将来、商売、人との付き合いなど、なにもかもが欲に左右されます。
もちろん、人が欲を持って行動するのはあたりまえのことです。
でも、求めるものや守るものがほんのわずかなのに、そのために人を欺き、打ちのめし
殺人まで犯してしまうという恐ろしさ・・・
相手が他人ならまだしも、父親、長男、次男、長女、父の妹、長男の娘、
次男の従妹でもある嫁、嫁の妹、妹の夫、入り乱れての骨肉相食む死闘は
目を背けたくなるほど醜いもんです。
土地や金を手に入れるためなら、自分の父親は野垂れ死にさせてもいいんだし
夫に妹を強姦させても、ついにはカマを妹の腹に突き刺しても
バレること以外に恐ろしさを感じない人の神経ってどうなっているんでしょう。
(こういう争いって、肉親同士の方が激しいのかしらねぇ・・・
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他の村人たちも同様です。
少しの損も許さず、得にならぬことはせず、金のない者には冷たく、
隣人の不幸を嘲る・・・という浅ましさ。
書いてて情けなくなりますが、これは私たちも多かれ少なかれ持っている感情ですよねぇ。
こんな感情持ってないとは言いません、もちろん。
でも、こんなに正直に振る舞えるものだろうか?
「私は欲深いんですよ!! 一円でも人より多く欲しいんですよ!!」って
大声で叫びながら歩いてるような振る舞いができるのかしら?
普通は理性とか羞恥心なんかで押さえ込むものじゃないの?
何が彼らをこんなあけすけな人にしてしまうんだろう?
とにかく、この物語にはモデルになる農村があったみたいです。
ゾラは農業に詳しい人たちから情報も集めています。
農村部の土地の相続に詳しい公証人にインタビューもしています。
本当にこんな土地柄があったというのだろうかっ? 絶対暮らしたくないんですけど・・・
ゾラの物語を読むと平静ではいられなくなります。
不安に襲われるような、駆り立てられるような感じです。
口汚いし、不潔だし、ぜったい心地よいものではありません。
それなのに、何故引き込まれてしまうんでしょう?
やはり自分たちの心の奥底に横たわっている汚らしい感情を
我知らず認めてしまっているからでしょうか?
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こちらもゾラをシリーズで出していらっしゃる…欲しいなぁ