まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『夜はやさし』作者のことを知りすぎて・・・

2009-09-27 23:30:50 | アメリカの作家
TENDER IS THE NIGHT 
1935年 スコット・フィッツジェラルド

私は作家の生い立ちや境遇にはあまり興味がない読者ですが
それでもフィッツジェラルド&ゼルダについては知っていますね。

最大の理由は村上春樹氏のエッセイに凝ったことでしょうか。
それにフィッツジェラルドの小説の解説には必ずといっていいほど
二人の享楽的で奔放な生活ぶりと、後年の不遇なフィッツジェラルドについて
書かれていますからね。

『夜はやさし』はそんな私生活を反映した、なかば自叙伝的小説だそうですが
フィッツジェラルドはこの物語を書いたことで、少しは肩の荷がおりたのかしら?
それともさらに哀しみを抱え込んでしまったのでしょうか?

物語は、有望な医学博士としてスイスにやってきたディック・ダイヴァーが
友人フランツの患者であった富豪の娘ニコルと恋に落ちて
結婚してから別れるまでの13年間を書き記したものです。

その間にはニコルの金にものを言わせたリヴィエラの家、パリでのばか騒ぎ、
パーティー、ドレス、買い物といった贅沢で豪奢な暮らしがあり
若い女優との恋愛沙汰があり、という華やかな日々がありました。
ディックはそんな暮らしを謳歌しているのかと思ったら…

どうやらディックは人生を無駄にしたという焦りを感じていた様子。
専門書を数冊出版したり、フランツと共同で立派な精神病院を設立したものの
常に発狂の危険をはらむニコルの側で、自分を消耗してしまったと思っていたようです。

本は思うように書けない、老けていく、ニコルの状況は良くない…
そんなことから酒が増えていき、とうとう病院経営からも手を引きます。

もとの怠惰な生活で顔をつき合わせていくうちに夫婦間の亀裂は大きくなって…

ヘミングウェイが『移動祝祭日』 の中で “ フィッツジェラルドは傑作を書けるのに
ゼルダのせいで書けない ” 的なことを書いていたような気がします。
彼女のことを “ スコットの前に横たわるハンデ ” とまで言っていますが
フィッツジェラルド自身もそう思うようになっていたのかしら?

物語ではディックとニコルはあっさり別れてしまいますが
フィッツジェラルドとゼルダは別れることなく、各々不幸な最後を迎えています。
クライマックスの別離はフィッツジェラルドの願望だったのでしょうか?
だとしたら、この物語を読んだ時のゼルダの気持ちはどうたったでしょう?

本当に自伝的小説だったとしたら、フィッツジェラルドは自分の思いを
外の世界に向けて吐露できたことになるけど、ゼルダの方はそうじゃないわけでしょ?
ゼルダの抱えていた問題だって、かなり彼女を圧し潰していたのではないかと
と思うんですけどね、気楽でわがままそうに見えるけど。

純粋にフィクションだと思って読んだ方が面白かったのかもしれません。
でも、どうしても重ね合わせてしまってねぇ…

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オラニエ公ウィレム3世妃 メアリー2世

2009-09-27 01:32:10 | オランダ王妃
イングランド女王でもありました
ウィレム3世(イングランド王ウィリアム3世)妃 メアリー2世


1662~1964/在位 (イングランド女王)1689~1694
          (オラニエ公妃)1677~1694

イングランド女王メアリ-2世のところで紹介したので簡単に…

父王ジェームズ2世はカトリックだったために国を追われることになったのですが
メアリーは妹アン(後の女王)とともにプロテスタントとして育てられました。

伯父のチャールズ2世は、メアリーとフランス王太子ルイを結婚させようとしましたが
フランスはカトリックだったので議会の反対にあい破談に。
オランダ方面と関係を強化したかったチャールズ2世が次に選んだのが
オレンジ公ウィレム2世の公子ウィレムだったわけですね。

      

その後はイングランド女王のところに書いてありますが
私はひとつ勝手な想像をしてました。

それは、ウィレム3世が亭主関白でメアリーは弱々しかったんじゃないかしらね~
付き従っているだけの女王じゃないかのか? と思っていたのですが
どうやら違ったみたいです。

夫に従順ではあったみたいですけど、統治者にも相応しい人物だったらしく
戦争で留守がちだった夫にかわってイングランドを守りました。

ウィレム3世はなかなかの名君だったようで、イングランドでも政治改革をし
フランスの侵攻も阻止して、ネーデルラントの勢力維持に努めました。

夫唱婦随で会社を大きくしていく社長夫妻みたいね。
鳩山&幸も今のところはそんな感じに見えますが…

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)
コメント (11)
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