まりっぺのお気楽読書

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スウェーデン王ジギスムント妃 アンナ

2011-08-13 08:08:19 | スウェーデン王妃
大反対の声吹き荒れる中の結婚
ジギスムント妃 アンナ・アヴ・オストリケ


1573~1598/在位 (ポーランド王妃)1592~1598 (スウェーデン王妃)1592~1598

ジギスムントは母親カタリーナ・ヤゲロニカの意向で
幼い頃に(カトリックの)ポーランドに移されていまして
女王アンナ(カタリーナの姉)の後を継いで、1587年にポーランド王に即位しました。

1592年、父ヨハン3世を継いでスウェーデン王にも即位しますが
その半年ぐらい前にオーストリア大公カール2世公女アンナと結婚していました。
           
この結婚はポーランド=リトアニア連邦の貴族たちの大多数が反対していました。
ハンガリーとかベーメン(ボヘミア)みたいに
ハプスブルク連合国になってしまうのがいやだったのね。
もちろん、ハプスブルク家は狙っていたと思います。

議会が兵士を出して入国を阻止しようとしたので
アンナはわざわざ遠回りしてクラクフに入りました。
王妃になろうとする女性が歓声で迎えられないなんてねぇ… 寂しかったでしょうね。

1594年、ジギスムントはスウェーデンに向かい、アンナも同行しました。
その際、ポーランド側の要請で王女(長女アンナと思われる)を残してきていました。
アンナはスウェーデンで子供を生んだら、今度ポーランドに行く時に
同じことを言われるのでは…と恐れていました。
たくさんの国の王様になるのも大変よね。
不在の間国を任せるにしたって、摂政が母親や妻じゃなきゃ信用できないでしょうし。

アンナはけっこう政治向きの女性だったらしいのですが、スウェーデンでは口をはさまず
もっぱら前王の未亡人グニラとの諍いに明け暮れていました。
グニラはプロテスタントでアンナはカトリック… やれやれ
ジギスムントの実母カタリーナとだったら、とても気が合ったことでしょう。

当時スウェーデンでは、ジギスムントが王になったことで旧教国になってしまう…と
恐れる人びとが、前王の弟カール(9世)を王にしようと画策していました。

そんな中、スウェーデン語が話せず異教徒よばわりされているアンナを連れ歩くことは
とっても危険なことで、ジギスムントは極力避けていたそうです。

ただ、ジギスムントとアンナはとっても愛し合っていたそうです。
ポーランドでもスウェーデンでも嫌われ者だったアンナにとっては
唯一の慰めだったでしょうね。

気苦労がひびいたのか、5人目のお子さんの出産の時に
24歳という若さで亡くなってしまいました。

ジギスムントは結局アンナの死後カールとの戦いに負けてポーランドに逃亡し
スウェーデン王を廃位されました。

息子ヴワディスワフ4世は、兄フェルディナント2世皇女ツェツィーリアと結婚します。



              
姉に続いて・・・
ジギスムント妃 コンスタニータ・アヴ・スタイアーマルク


1588~1631/在位 (ポーランド王妃)1605~1631 (スウェーデン王妃)せず

完全にポーランド狙いにいっていたのか、カール2世はアンナの妹コンスタニータを
後妻に送り込みました。(とは言っても7年後ですけどね… )

ちなみにジギスムントの母カタリーナの兄ジグムンド2世の妃には
神聖ローマ皇帝フェルディナント1世皇女エリーザベトカタリーナの姉妹が嫁いでいます。
            
コンスタニータはとっても戦略家だったようで
自分の子飼いを重要な貴族たちと結婚させて党派を拡大していきました。

1623年にジビェツという都市を購入したのですが、これは王室では禁止されていたことで
議会から追求されることになりました。

ジグムンドには姉のアンナとの間に王太子ヴワディスワフ(4世)がいましたが
コンスタニータは自分が生んだ王子に継承させたいと願っていました。
実の甥だから手は下さなかったみたいだが…

ヴワディスワフには跡取りが生まれなかったので、コンスタニータの願い通り
その後を息子のヤン2世カジミェシュが継ぎました。
でもコンスタニータはその即位に先立つこと17年、42歳で亡くなっておりました。
息子の晴れ姿を見たかったでしょうね。

(参考文献 武田龍夫氏『物語スウェーデン史』 Wikipedia英語版)

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