まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

スウェーデン王ヨハン3世妃 カタリーナ

2011-08-10 19:18:12 | スウェーデン王妃
夫を差し置いて時代に逆行
ヨハン3世妃 カタリーナ・ヤゲロニカ


1526~1583/在位 1568~1583

カタリーナはポーランド王ジグムント1世とボナ・スフォルツァの王女で
求婚者も多々ありました。
中にはロシア皇帝イヴァン4世などもおりました。
年代からいってアナスタシアが亡くなった頃ですかね?

      
1562年、カタリーナはフィンランド公だったヨハンと結婚しましたが
ヨハンと兄エリク14世の間はすでに緊張が高まっていて
結婚の許可を受けていませんでした。

ヨハンが勝手に結婚してリヴォニアを取引に使ったことで「独立しようとしている!」と
勘ぐったエリク14世はフィンランドに侵攻し、二人をスウェーデンに連れて来ると
グリプスホルム城に投獄してしまいました。

イヴァン4世、まだあきらめてなかったみたいです。
エリク14世にヨハンとカタリーナを離婚させて、カタリーナをロシアに来させるよう
要請したって言うんだからね
イヴァン4世はすでにマリーヤ・テムリュコヴナと再婚してたはずなんだけど…

どうやらエリク14世ははこの申し入れを受け入れちゃったみたいで
カタリーナは恐怖におののきました。
しかしこの一件がエリクの狂気に不安を抱く人たちを一層煽り立てたみたいです。

釈放されたヨハンに弟のカール(9世)が加担して反乱をおこしエリク14世は廃位され
カタリーナはロシアへ送られることはありませんでした。

カタリーナは王に即位したヨハン3世に、かなり影響力があったようです。
特に宗教問題については強硬で、カトリックの保護と反プロテスタントの姿勢を貫きました。

スウェーデンはすでにプロテスタントに移行しつつあったのですが
カタリーナがカトリック教国死守のためにホシウス司教と話し合った結果
前王エリクとカリン・マンスドッテルの王子グスタフがポーランドへ送られました。
ヨハンの二人の王子はカトリックの教育を受けるため
ブラウンシュヴァイクに送り出されました。
ノルウェーからフランシスコ派の神父が招かれ、宮廷内にカトリックの学校を設立…
完全に浮いてますな

板挟みのヨハン3世は、カトリックとプロテスタントを融合させたような教会を生み出し
儀式の多くにカトリックの習慣を復活させました。
恐妻家もつらいよね… でも君主なんだから奥さんの言いなりも困るね…

精力的だったカタリーナは後年痛風に悩まされ57歳で亡くなりました。

次の奥さんグニラはものすごいプロテスタント支持派です。
さてヨハン3世はどうするのか? つづく…

(参考文献 武田龍夫氏『物語スウェーデン史』 Wikipedia英語版)
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『十二本の毒矢』事実は小説より…と言うけれど

2011-08-10 07:10:25 | イギリス・アイルランドの作家
A QUIVER FULL OF ARROWS 
1980年 ジェフリー・アーチャー

ジェフリー・アーチャーはスパイ小説とか書いていらっしゃるのですか?
ハードボイルドですか? ずっとそんな気でいました。
とりあえず長編は読んだことないのですが
本棚に短編が2冊ありましたので読んでみることにしました。

12篇収められていますが、11篇が実話だとわざわざ書いてありました。
モームの『ランチ』を下敷きにしたという『昼食』が作り話しかしら?

国がらみの壮大な話から、日常の小咄的なものまでバリエーションに富んでますが
本当に実話かいな?
世の中には、そんなに話のタネになりそうなことってないと思うけど…

好きだったお話しをいくつかご紹介します。

『クーデター(The Coup)』
ブラジルの財閥プレンティの総帥シルヴァイラは、大きな契約を取るため寸暇を割いて
アルジェリアに降り立ちましたが、クーデターが起き足止めを食ってしまいます。
しかも同じホテルにライバル財閥のロドリゲスもいて、毎日顔を合わせることに…

天敵ともいえる二人の男性にある変化がおこり始めます。
途中から筋が読めちゃって、どんでん返しがほしいところ…どうなったと思います?
結末はどうあれ、後味すっきりで読み終えることができる物語でした。

『破られた習慣(Broken Routine)』
保険会社の副部長補佐セプティマスは、習慣が破られることが何よりも嫌いです。
しかしある日、副部長のせいで残業になり、帰りの電車も車輛も変わってしまいました。
習慣通り座席で煙草を吸おうとしたら、隣の若者が無礼なことをしてきました。

これはね~、どっかで聞いた話って気がすると思います。
松本人志の◯◯な話とかで誰かが話してそう… Mr.ビーンあたりがやったかもしれない。
とにかく、初めて読んだ気がしませんでした。

『ある愛の歴史(Old Love)』
奨学金で入学した中で特に優秀なウィリアムとフィリッパはライバル心を燃やし
ことごとくいがみあいながら3年を過ごしました。
しかしフィリッパの父の死をきっかけに、二人に愛が芽生え結婚することになりました。
結婚後も二人はお互いをバカにし合いながら輝かしい経歴を積み上げていきます。

これはもう、韓流のシナリオかと思っちゃったわ!
最初はお互いすごく嫌ってるのに、意識しているうちに好きになっちゃうって…
でも二人の結婚生活はちょっと変わってますけどね…最後が衝撃的です。

もっとどんでん返しや意地の悪い終わり方が目白押しかと思ったらそうでもありません。
ではつまらないかというと、そんなことはないです。

変にオチをつけようとしないで素直に書いているような気がして好感が持てました。
それに意表をつかなくても充分楽しめる物語になっています。
だんだん「もしかして、本当に実話なのかしら… 」なんて思えてきますよ。

ま、このさい実話でも作り話でもどっちでもいいです、面白かったから。
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