婚約者と別れさせられ…Part.1
グスタフ1世妃 マルガレータ・エリクスドッテル
1516~1551/在位 1536~1551
グスタフ1世の二人目の妃マルガレータは、当時スウェーデン貴族の中でも
特に有力な一族のひとつレヨンフーヴド家の出身です。
母エバはヴァーサ一族の出で、グスタフとは親類です。
グスタフがマルガレータと結婚しようと決めた時、彼女はすでに婚約していました。
でもそんなこと君主には関係ないんだもんね!
婚約は破棄されグスタフとマルガレータの結婚が決まりました。
言い伝えによれば、ある日グスタフはマルガレータと元婚約者のスヴェント・スチューレが
二人きりでいるところに出くわしました。
しかもスヴェントはマルガレータの前で跪いているではないですか!
グスタフが激怒すると、マルガレータは「彼は私に妹との結婚を請うているのです」と
言いまして、グスタフは「よし、やる!」と即答したとか…
マルガレータの妹マルタはとても高飛車な女性と有名で、影では “ マルタ王 ” なんていう
あだ名がついていたほどです。 本当に結婚したかったのかしらねぇ?
真偽は謎ですが、スヴェントは本当に妹マルタと結婚しましたとさ。
そんないきさつで1536年に結婚した二人ですが、結婚生活は幸せなものでした。
グスタフがマルガレータとの結婚期間中に浮気をした形跡はありません。
マルガレータは知的で美しく、家庭的で夫に尽くしました。
グスタフもとってもこの結婚は幸せだったようで
たびたび日記に王妃への讃辞を書き残しています。
マルガレータは怒りっぽいグスタフの気を鎮めるのも得意でした。
政治的なことには口を出しませんでしたが、犯罪者の量刑を軽減するように口添えしたり
人びとに寛大さを見せるよう助言したりしていました。
ただ、母エバがでしゃばりさんで、宮廷で大きな顔をして仕切っていました。
妹マルタは母に似たのね…
政治的には影響力がなかったので、グスタフは義母エバにはさからわず
好きにさせていたみたいです。
そんな良き夫婦にひとつ問題があるとすれば、マルガレータはカトリック信者で
(プロテスタントの)グスタフがカトリック教会を弾圧し、没収してきた布地で
カーテンやドレスを作ることにとても心を痛めていました。
仲がいいのは良いことなんですけど、マルガレータは毎年のように妊娠してまして
次第に健康が衰えていきました。
1551年に子供たちとメーラレン湖に遊覧に出かけたマルガレータは
帰ってくると肺炎にかかり亡くなってしまいました。
前々から、結婚生活が幸せな王妃は早く亡くなる傾向があるなぁ…と思ってましたが
妊娠のしすぎも原因のひとつなんですのね。
相手の王様はだいたい深く喪に服すわけなんだが、亡くなる前に考えてあげなきゃ。
グスタフも悲しみに暮れまして、深く喪に服しました…けど翌年再婚します。
つづく…
(参考文献 武田龍夫氏『物語スウェーデン史』 Wikipedia英語版)
グスタフ1世妃 マルガレータ・エリクスドッテル
1516~1551/在位 1536~1551
グスタフ1世の二人目の妃マルガレータは、当時スウェーデン貴族の中でも
特に有力な一族のひとつレヨンフーヴド家の出身です。
母エバはヴァーサ一族の出で、グスタフとは親類です。
グスタフがマルガレータと結婚しようと決めた時、彼女はすでに婚約していました。
でもそんなこと君主には関係ないんだもんね!
婚約は破棄されグスタフとマルガレータの結婚が決まりました。
言い伝えによれば、ある日グスタフはマルガレータと元婚約者のスヴェント・スチューレが
二人きりでいるところに出くわしました。
しかもスヴェントはマルガレータの前で跪いているではないですか!
グスタフが激怒すると、マルガレータは「彼は私に妹との結婚を請うているのです」と
言いまして、グスタフは「よし、やる!」と即答したとか…
マルガレータの妹マルタはとても高飛車な女性と有名で、影では “ マルタ王 ” なんていう
あだ名がついていたほどです。 本当に結婚したかったのかしらねぇ?
真偽は謎ですが、スヴェントは本当に妹マルタと結婚しましたとさ。
そんないきさつで1536年に結婚した二人ですが、結婚生活は幸せなものでした。
グスタフがマルガレータとの結婚期間中に浮気をした形跡はありません。
マルガレータは知的で美しく、家庭的で夫に尽くしました。
グスタフもとってもこの結婚は幸せだったようで
たびたび日記に王妃への讃辞を書き残しています。
マルガレータは怒りっぽいグスタフの気を鎮めるのも得意でした。
政治的なことには口を出しませんでしたが、犯罪者の量刑を軽減するように口添えしたり
人びとに寛大さを見せるよう助言したりしていました。
ただ、母エバがでしゃばりさんで、宮廷で大きな顔をして仕切っていました。
妹マルタは母に似たのね…
政治的には影響力がなかったので、グスタフは義母エバにはさからわず
好きにさせていたみたいです。
そんな良き夫婦にひとつ問題があるとすれば、マルガレータはカトリック信者で
(プロテスタントの)グスタフがカトリック教会を弾圧し、没収してきた布地で
カーテンやドレスを作ることにとても心を痛めていました。
仲がいいのは良いことなんですけど、マルガレータは毎年のように妊娠してまして
次第に健康が衰えていきました。
1551年に子供たちとメーラレン湖に遊覧に出かけたマルガレータは
帰ってくると肺炎にかかり亡くなってしまいました。
前々から、結婚生活が幸せな王妃は早く亡くなる傾向があるなぁ…と思ってましたが
妊娠のしすぎも原因のひとつなんですのね。
相手の王様はだいたい深く喪に服すわけなんだが、亡くなる前に考えてあげなきゃ。
グスタフも悲しみに暮れまして、深く喪に服しました…けど翌年再婚します。
つづく…
(参考文献 武田龍夫氏『物語スウェーデン史』 Wikipedia英語版)