まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『コスモポリタンズ』どれから読んでも面白い!!

2008-11-11 01:50:02 | イギリス・アイルランドの作家
COSMOPOLITANS 
1924 - 1929年 サマセット・モーム

様々な場所を舞台に、哀しい話しから愉快な話しまで、29話をとりそろえた1冊。
一話一話はまったく違った話しですが、なんとなく1冊通して同じ空気感があります。
そしてどの話しから読んでも面白い

この短篇集の作品は軽快で単純で読みやすいけれど
彼が部屋中からお気に入りをかき集めてつくった1冊って気がします。
ついつい書いちゃったんだよね・・・っていうさりげない作品ばかりです。

『ランチ』
パリで貧乏生活を送っていた頃
ランチに付き合ったために散々な目に遭わされた婦人がいました。
後年彼女に会って、当然の報いが与えられたことを知ります。

上品ぶって食事をする女性の滑稽さと青年の焦りが可笑しな1篇。

『生家』
老婆が家長として君臨する旧家へ、50年ぶりに夫の弟が帰って来ます。
老人は世界中で繰り広げてきた冒険談を語ると、翌朝息を引きとります。

最期は自分の家で、と思うものでしょうか?
それとも何か他に理由が・・・?
それにしても家長のばあ様、ハンサムレディですよ!

『家探し』
婚約を早まってしまったと悟った男が、相手を傷つけないようにとった手段は
終わりの見えない新居探しでした。

「やっちゃった~!」と思いつつ観念してしまう男性が多い中
よく最後まで頑張りました!!

『ルイーズ』
男が守ってやらずにはいられないか弱い女性ルイーズと
彼女をとんだ役者だと思っている作者の長きに渡る交際の顛末。

この話しはものすごく印象的!
モームはこの(なよ~とした)タイプの女性嫌いみたいね。
でもこの当時の物語にはよくこういう女性がでてくるのよね。
病気がちの女性が流行だったのか?

『会堂守り』
字が読めないというだけで長年努めて来た教会をやめさせられた会堂守りは
ふと商売を思いつき大成功します。

学歴だけじゃないのよっ!ていうモームにしては教育的な話し。
でも説教臭いわけではありません。

もう、モームってどうして何度も読みたくなってしまうんでしょう?
岩波文庫からモーム傑作選(上)が出たので買ってしまいました。
たいがい持ってるっていうのに・・・

コスモポリタンズ 筑摩書房


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