ボオリング

夜７時過ぎ。
家でご飯を食べていると、電話が鳴った。
Ｒ氏からだ。

「今から何人かでボーリングするけど、来ない？」

と言う。

へ？
それって、Ｒ氏が所属する団体の仲間で定期的にやってるボーリングじゃないの？
誘ってくれるのはありがたいけど、どうしてボクを？
どう考えても場違いでしょうが！
撮影を通して接点はあるとはいえ、それほどガッツリ溶け込んでいるわけじゃないぞ。

もしかして、そのメンバーの中に撮影の仕事に結びつくような人でもいるんかな？
それを考えて、さりげなく引き合わせてくれようとしてんのかな？
そうでもないと、こんなに急にボクを誘うのなんて変だもん。

いや。
Ｒ氏に限って、そんな事を考えているわけがないか。

「急にアンタの顔が浮かんできたから誘ってみただけ」

と言っていたが、本当に何も考えず、ただ頭に浮かんですぐ電話してきたのだろう。
ボクが場違いになるなんて事も、全く考えていないはずだ。

顔見知りのメンバーではあるけど、ボクは人見知りだから盛り上げる事なんて出来ないぞ。
そしてそんな場に急に行って、他のみなさんが迷惑なんじゃないか？
とは思ったが、せっかく誘ってくれたので行ってみることにした。

会場に着くと、既に集っているみなさん。

そしてＲ氏の手にはマイシューズ！

すげぇ。
友達の中で、マイシューズ持参でボーリングに来る人なんて初めて見た。
この人とは付き合い長いけど、マイシューズを持つほどボーリングにのめり込んでいるとは知らなかったな。
じゃあボクらは靴を借りに行きましょうか。

と思ったら

なんと！
全員マイシューズ持参！

これは本格的な集団だぞ。
ただでさえ場違いな立場なのに、さらに場違い度が増す。

１人寂しく靴を借りに行き、借り靴特有のくたびれた感をみんなにバカにされつつ、ボーリング開始。

ボーリングに来たのは、いつぶりだろう？
記憶の中じゃ、３年前くらいに来たっきりのような気がする。
ちゃんと出来るのか？

不安な中始めたけど、まあボチボチ投げられて良かったよ。
みなさんも、マイシューズこそ持っているものの、極端に上手いわけじゃなかったしね。
２ゲーム目は最下位になっちゃったけどさ。

場違いだっただろうけど、楽しかった。
次にまた突然誘われた時は、少しでも場違い度を埋めるために、シューズを買ってから行く事にしよう。