威嚇

Ｋ氏ら数名がやってきた。

お菓子を持ってきてくれたので、みんなでバクバク食べていく。

最初は人見知りで固まっていた息子だけど、少しずつ慣れてきて普通に動くようになった。
愚妻の横で仁王立ちになり、みんなの顔を見てはニヤニヤしている。

けど…

何故かＫ氏にだけは笑わないんだよね。

Ｋ氏が後ろを向いてる時は大丈夫なのに、Ｋ氏が振り返るととたんに笑顔が消える。
そして、両親ゆずりの黒目がちな眼光で、するどくＫ氏を睨むのだ。

どうして？
何故Ｋ氏だけ？

別にＫ氏だけが特別変わった格好をしているわけじゃない。
Ｋ氏だけが男性ってわけでもない。
今日は全員女性だ。

じゃあ、Ｋ氏の何が気に食わないのか。

あ！
しいていえば今日来た中でＫ氏が一番若いって事かな。
そして一番身長が小ちゃい。
けど、実は一番偉いのがＫ氏だ。

それが気に食わないのかもしれないぞ。

自分と一番年齢＆身長が近いくせに、一番権力を持っているのが悔しいのだろう。
許せないのだろう。

あ、違うか。
もしかしたらＫ氏が「２人（ボクと愚妻）に似てる～！そっくり！」と言ったのがダメだったのかも。

「わしはこいつらみたいに鼻デカくないわ！」

と、両親ゆずりのデカイ鼻をつけたまま抗議をしていたのかもしれないな。

結局、最後まで威嚇を続けたまま。
次に逢ったときはどういう反応をするのか楽しみだ。

そういやＹ氏からは、オモチャを貰った。
動く電車のオモチャ。

スイッチ入れたら走り出すんだけど、これに息子は大興奮していた。
ひゃ～ひゃ～言いながら激しく追いかけ回す。

自動で方向転換するから、ほっといてもしばらく勝手に遊んでいる。

こりゃいいもの貰った。
ありがたい。
長く使わせていただきますよ。

今は『動く』から好きなんだろうけど、段々と『電車』のほうにも興味が出て来るかもしれない。
こりゃ将来は鉄っちゃん間違いなしだな。