ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

Uber自動運転車のアリゾナ人身事故は人災では?

2018年03月23日 | 自動運転
Uberの自動運転車がアリゾナで起こした不幸な人身事故について、当初は不可抗力だったのではないか、と思っていた。
しかし、公開されたドライブレコーダーの画像を見る限りそうとも言えないと感じる。

まず、画像からみるにこの女性は決して飛び出していない。40代の女性が自転車を押して道路を横断するというのは普通はかなりゆっくり動いている筈。
どんな安全装置がついていても急な飛び出しには対応できないが、これは当てはまらないと感じた。

また、地元警察は影から急に出てきたから人が運転していても避けられなかった、というコメントをしたが、これには大きな疑問がある。
どうもこの車はロービームで走っているように見える。時速40マイルということだが、40マイルでハイビームなら道路を横断する人間は問題なく事前に確認できるはずだ。
あの道を人間が運転していたら通常はハイビームにすると思うし、であれば間違いなく避けられた事故だと思う。

なぜハイビームでなかったかといえば、自動運転車はレーダーや赤外線感知が装備されていて見えないものも見えるから、ということなのだろうか?
自転車を押す女性という、急な飛び出しではない障害物であればレーダー捕捉による衝突回避は間違いなく可能なはずだ。あれが回避できないのであれば自動運転装置として成立していない。私はレーダー等に不具合があったのではないかと推測する。

また、通常自動運転車はレーダーの他にカメラによる画像認識を行っている。画像認識を行うのであればハイビームでなければおかしいがこれはどうなっていたのか?

いずれにしても、ビデオを見る限り人間運転だったら(ハイビーム走行で)回避できたし、またまっとうに機能している自動運転車であれば当然回避できた事故に見える。

追記
機械任せにして死亡事故が発生した、というとそのリスクに対して過度なバイアスがかかる可能性があるが、この事故をもって自動運転車は危険である、というような論調にはなってほしくない。
本来正しくセンサーが機能していれば人間運転よりも自動運転のほうが事故は少なくなる。自動運転は将来的に交通事故を劇的に減らすことができるテクノロジーなのだ。