ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

久々にみるETC2.0ニュース記事のなんだかなぁ

2018年03月22日 | ITS
東洋経済ONLINEに「ETC、意外と知られていない最新進化と歴史」という記事が掲載された。

自動車ジャーナリストの筆者の方は、今までのETCの歴史について極めて正確な記載をされているのでETCについてはかなりお詳しいと思われる。
しかし、ことETC2.0のサービスのこととなると急に国交省寄りのセールストークのような内容となってしまうのはどうしたことか。

と思って読んでいくと、ITS推進室長とのインタビューが行われており、ETC2.0を活用した自動運転への発展まで話が広がっている。

ここに記載されているETC2.0のサービスは4つ。渋滞、災害の再入場等、いわゆる「一時退出・再進入の料金同一化」、渋滞を避けたルートを走行した場合の割引、駐車場での料金決済、フェリー乗船時の手続き簡素化。フェリーは通常ETCですでに行われているが、事前登録の簡素化の意味だろう。

これらのサービス、本当に魅力的なのか?
そもそもまだ始まっていないし、もっと重要なことはETC2.0でなくとも技術的には通常ETCで実現可能だということ。
「一時退出・再進入の料金同一化」は昨年の中央道土砂崩れで一般ETCに適用されたし、駐車場料金決済も一般ETCで可能。現在行われている実証実験も2.0限定ではない。

また、ITS推進室長との話で出てくる自動運転との関係だが、通信ポストとしか通信できないDSRCが自動運転に寄与できる部分は殆どないのではないか、と私は考える。

大型、乗用、二輪をお持ちの筆者はすでにETC2.0を使われているようで、記事中に「二輪車ではナビゲーション装着へのハードルが高いこともありETC2.0の恩恵を受けにくい」と書かれているが、はたしてご自身が「経済的負担を伴う」とおっしゃるETC2.0からどのような恩恵を受けているとお考えなのだろうか?

最後のセンテンスでETCは「料金自動収受機能から情報提供サービスが受けられるDSRC車載器へ、そしてさまざまなサービスが追加されるETC2.0として出世魚のように進化を遂げた」と書かれているが、なんだかなぁ。